ハーモニウムのエクスプレッション追加が簡単だと言ったが、あれはウソだ。
修復中の国産ハーモニウムの件です。
実はエクスプレッション機構を追加するという話だったのでした。
このブログをご覧になったお客様から指摘が入りました。エクスプレッションは追加のはずではと。
おっと、いけねえ。
写真は後でまとめて上げるつもりですので、とりあえず文にて。
このハーモニウムは、送風系はベビーオルガンの部品を流用しています。
僕は以前、ベビーオルガンにエクスプレッション機構を追加する試作をした経験があるのです。
それで、簡単だろうと高をくくってしまったのですね。
ところが、改めて見るに送風系はベビーオルガンと同じ部品ながら前後の向きが逆だったのです。
うわー、やり辛い。
まあ、ね。何とかやりましたけど。
内部部品は仕方ないにしても、ケースには穴を開けたりしたくなかったので色々工夫が必要だったのです。
組んでは位置を確認してまたバラしてを繰り返して。
ケースも補修して掃除して。そうしたら、すっかり情が移ってしまったのでした。
ヤレ具合が実に良いのです。
ああ、納品したくないっ。ずっと手元に置いときたい!
と、以前は思ったものですがね。ワタシは変わったのだよ。
どうせ僕の手元にあっても楽器として活かされるわけではありません。
それよりも、その楽器を愛して演奏する方の元にあった方がずっと良いと思えるようになったのですね。
楽器を弾くというのは、時に他人に聞かせるためであり、また時には自分自身との対話の手段でもあります。
そういう人たちの手助けが出来るのって良いよねって。
僕の知らないところで僕が直したり作ったりした楽器が歴史を刻んでゆくことがうれしいと思えるようになったのです。
まあ、年ですかね。この心境の変化も。
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