吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

眠る男

2009年08月29日 | 自分のこと
手術後2日が経過しました。

順調に回復しています。
少しでも早く治すためにすべきこと、それは寝ることです。
これは動物としての本能的な方法です。
よく、死期を悟った動物が姿を消すといいますが、あれも、安全な場所でひたすら眠ることで回復を図った結果、うまくいかなかった場合だそうです。

眠くて仕方がないのは、傷の回復にエネルギーを消費しているからで、食って寝るのが身体の要求です。
ここは、大人しくその要求を飲むべきで、ここに際して、仕事がどうの時間がどうのと言って無理をするとよりマズいことになりかねません。
ええ、なったことあります!
痛みに対する許容度がわりとある方(ニブい?)なので、放っておいて悪化してしまったことが何度も。

何とか安全なところまで辿り着いたら、あとは少しでも眠るのです。
目がさめる毎に、痛みも腫れも引いて治っていくのが実感できます。

今日は、午後に『八ヶ岳リードオルガン美術館』でコンサートに参加しました。
寄贈されたリードオルガンのお披露目です。

参考記事

この記事の話なんかをちょっとしてきました。
大切に保管されていたので、コンディションが実に良く、修復も楽でした。
そのオルガンは大正13年(1924年)製です。

先に『100年に一度?』でも書きましたが、金融、経済のルールなんかも昔の方が遥かに自由で恐ろしいものです。
内容が理不尽でも書式が整っていれば契約書は有効であったそうですし、娘を売って金にするのもよくあったことです。
成金が銀行を作って破綻したり、穀物相場なんかも相当にめちゃくちゃなルールで取引されていたようです。

およそ現代人の想像を絶する現実の中で、人々は喜び哀しみ生きてきたのです。
そんな人々の生き様の傍らで楽器もまた生きてきたのです。
古いオルガンを修復するとき『歴史』と一言では言えない重さを感じることがあるのです。

家に帰って、またひと寝入りしたら、さらに足の具合が良くなっていました。
明日からは重作業以外なら出来そうです。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うはぁ~。 (とど)
2009-08-31 18:03:37
ちょっと目を離した隙にこんなことに。おいたわしいことです。

あまり無理をなさらず、仕事も少しずつ、少しずつ復帰していってくださいね。
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老化!? (ひろにゃんof風琴屋)
2009-09-01 08:02:32
とどさん、ようこそ!

まあ、入院するほどではなかったですし、大したことはありません。
壊した経験があると、傷の深さと治る過程がわかります。心も身体も。

ただ、歳とともに身体の回復は遅く、心の回復は早くなっています。
これが老化なのか!?
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