大学時代の年上の友人の話。
僕らを新宿ゴールデン街に連れてきた人物。
その男、仮に「ひょろ氏」とでもしておこう、はすでに別の大学を出ていて会計事務所だかで働きながら大学に来ていたのでした。
僕らは早稲田の第二文学部、つまり夜間部で、昼間は仕事をしている人、専門学校や語学学校に行っている人が多く、年齢も高めでした。
友人達の中で、一浪の僕が若手だったしね。
ワケアリの人が多かったのも楽しかったな。
単位のための授業は適当に流したけれど、関心のあることについては授業後も教師と居酒屋で授業を続けたりして、それも夜間部の楽しみだったね。
ひょろ氏は細身で飄々としていて、普段は穏やかだったけれど、どこか破滅的な雰囲気を持った人物でした。
僕が一緒に呑んでいた時には大したトラブルは無かったのだけれど、トラ箱に入れられたり、店から出た瞬間にレンガで殴られたりといったこともあったそうです。
僕が22歳の時、たしか27だったと思う。あの年頃で5歳の差は大きく、女性陣からの信頼も厚かったのでした。
3年前の同窓会で20年以上ぶりで再会したのですが、すっかりふくよかになっていて、まだ小5の息子と仲良し親子だと聞いてほんっとに安心したのでした。
だって昔のあの破滅的というか自滅的というかあの感じは危なっかしかったからなあ。
ヤクザに後ろからヤラれてドブに突っ伏して死んだりするんじゃないかって密かに思っていたくらいで。
同窓会の時、彼が結婚したのは僕がきっかけだったと聞いてそれはそれは驚いたのですが、うれしかった。
自分の知らないところで自分の関わった縁が繋がっていたというのは不思議な感じでした。
さて、その縁とは?
次回!
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