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吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

思ひ出 2

2016年03月03日 | 自分のこと

そして花園・ゴールデン街に。

写真の背景の看板から写っている店は特定出来た。
ただ、その店で呑んだのかどうかはわからない。
でもまずはそこへ。

驚くべきことに店構えはほとんど30年前と変わっていませんでした。
ここや、新宿西口の「思い出横丁」は地権者がわからなくなっていたりして建て替えが出来ないそうなので。 
いや、それにしても変わってない。 

ドアを開け放してあった中を覗くと、小さな店には外人ばかり。入り辛い、超入り辛い。
しかし、ここで引くわけには行かず店内へ。

カウンターのアメリカ人のおねいさんに芋焼酎のお湯割りを頼んでテーブル席へ。
どうやら店員は日替わりらしい。その日はアメリカンおねいさん。
えー、アメリカ人ー、日本人だったら良かったのに。
カウンター席の日本人に話しかけてみたけれど、彼もこの辺に詳しくはないというので仕方ない、アメリカンおねいさんに尋ねることに。
彼女の日本語よりは僕の英語の方がマシっぽかったので英語で。

写真を見せて

「30年前の写真でね、背景の店はここに間違いないのだけれど、ここで呑んだのかは憶えていない。この写真の女性は数年前に亡くなってね、それで30年ぶりにあの時の店を探してみたくなったんだ」

と英語で言ったつもり。

「その店には2階があって、そこに古い映画のポスターのコレクションが貼ってあったのは憶えてる」

と言うと

「2階ならあるわよ。どうぞ上がって」

壁の裏、およそ階段なんてありそうにないスペースに階段が!
2階は真っ暗、電灯のスイッチは?階段の踏み板の裏!あれ?知っていたような気が。
そこは今は物置のようになっていたけれど、まだいくつかのポスターが貼ってあって。天井からぶら下がった裸電球。畳。
そうだ、ここだ! 

「どう?」

「うん、ここだ、ここだよ。あの頃は古い日本映画のポスターがたくさん貼ってあって…」

下に降りて席について写真をテーブルに置いて店員さんとやはりアメリカンなお客達の会話をBGMに芋焼酎のお湯割りをもう一杯。しばし思い出の奔流に。

「ありがとう。お勘定」

少しの間のあとアメリカンおねいさんは言ったのでした。

「要りません。タダです」

なんと!
カウンターのアメリカンお兄さんのひとりが握手を求めて来ました。

「会えて良かった」

なんて良い人たちなんだ。えー、アメリカ人ー、なんて思ってゴメン。
また来るよ、必ず。
本当にありがとう。

30年前、僕がゴールデン街に来たのは多分あの1回だけ。
今よりも遥かにアヤシイ雰囲気だったし、割りとたくさん呑み食いする僕にとっては割高だったし。
若者にはちょっと合わなかったかな。
何故来ることになったかというと年上の同級生に連れてこられたから。
次回はその彼の話。僕と意外な関わりがあったのでした。 


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