吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

家内労働

2007年12月30日 | オルガン
何とか無事帰還いたしました。
今月中頃からずっと、昼夜関係なしの暮らしをしていたので、もう一ヶ月以上経っているような感じがします。

東京での徹夜作業3日目は家内が助手でした。
オルガン全体の調律変え(冬で気温が下がってピッチが下がったのを上げる)で、整音を含み、単に鍵盤押しだけではないので、ご登場願ったのです。

演奏台が中央にあって、その両側にパイプ室があるレイアウトなのですが、インターカムやマイク、スピーカーのセットを用意していないので、僕は轟音の中、大声で鍵盤押しに指示を与えることになります。

不思議なもので、怒鳴ると口調もそれなりになってしまいます。
「次!早くしろ!」だの「違ーう、何やってんだよ!」だとか。
これがインターカムなどを使うと
「はい次、どーぞ」だの「違いマース、そっちでーす」
などと、またそれなりの口調になります。

この辺は普段の関係が響くところで、僕がたとえば、「さっさとしろ!聞こえねえのか!」などと言ってしまっても、「聞いて欲しきゃ、聞こえる声で言え!」くらいに返せる相手じゃないと具合が良くないのです。

それと、鍵盤押しは音の判断についてはパイプ室の現場の音作り担当よりも上位にあります。
雑音成分が多い楽器内の音よりも、外での音の方が大事なのですから。

この点でも家内の方が音に関する感覚は僕よりかなり上なので都合が良いのです。
一晩、苦労させてしまいましたが、それなりの成果は出せたと思います。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとう (しまりす)
2007-12-31 19:54:15
お二人とも、お疲れ様でした!

いつも、日記楽しみにしています
来年もよろしくお願いします

2008年、ご家族の皆様のご健康と
幸福をお祈りします
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どうもありがとう (ひろなん@風琴屋)
2007-12-31 22:07:53
しまりすさん、ようこそ!

どうもありがとうございます。
また来年もどうぞよろしく!

しまりすさんのご家族にも幸運がありますよう!
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Unknown (家内)
2007-12-31 23:50:53
はい、助手です。いつも、昼夜関係なくやっていた主人と違って、いきなり徹夜ですから、口数も減ります。しかも、つまらない音を何時間も聞き続けるんです。ピッチの違いを聞き分けながら。ずうーっとずうーっと。朝まで。
疲れてきて違うところにあっていると思っている主人に、「高すぎ~。低すぎ~。」なんてかわいく(?)言いながら。ここで、音楽で鍛えた耳が役に立つのです。絶対音感です。以前は音楽を純粋に楽しみたいと思っていたので、じゃまでしたが、今は、結構役に立ちます。

どうにか、無事に終わりました。
みなさん、よいお年を。
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来年もよろしく (ひろなん@風琴屋)
2007-12-31 23:58:40
家内さん、ようこそ!

わずか2メートル先からの投稿ありがとう。
わずか2分ほどで来年ですが、よろしく!
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Unknown (しまりす)
2008-01-01 01:44:31
徹夜でご主人のお仕事を手伝うなんて!
素晴らしい奥様です

私なら、疲れと寝不足で
すごい不機嫌になりますね(笑)

ゆっくり休んでくださいね

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仲間です (ひろなん@風琴屋)
2008-01-01 21:33:44
しまりすさん、ようこそ!

まあ、うちの場合、夫婦というより仲間です。
ずっと一緒に居ることもありますし、数ヶ月間別行動になることもあります。

さて、今年はどうなるやら…。
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