吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

軽トラ泥に沈む

2011年06月01日 | 自分のこと

高原の夜はまだ10℃を切るのでストーブが活躍しています。

真夏でも湿気が多い日には焚くことがあるので(薪ストーブはとても乾燥する)一年中ストーブを焚
かない月はありません。
そしていつもながら薪が途切れたわけです。
幸い、今回は近所で木を確保してありますが、木は切って割って薪になるわけで、それをしないと
いけないことには変わりありません。

軽トラでそこに向かいました。元畑の住宅造成地の向こうです。
降り続く雨で地面がゆるんでいました。

おりょ~~~っ

軽トラはあえなく泥に沈んだのでした。
この状態を業界用語(?)ではスタックといいます。固着するという意味の動詞スティックの過去分
詞形から来た名詞ですね。
ちょっと確認しようとググったらまあなんと!難しくてごちゃごちゃな説明の多いこと!
こんなことやってたら英語なんて出来ませんわ。
まあ僕もそんなに英語が出来るわけじゃないけどね。仕事したり、遊んだり、女の子を口説いたり
出来る程度かな。

それにしても一瞬でどっぷし埋まってしまいましたね。こりゃダメだ。
といいつつどこかゆとりなのは家まで歩いてすぐなので、ジープを持って来るという手があるから。
単独行の遠出だったらそんなゆとりはありません。
ただ、ジープは家内が乗って行っているはずなので、沈んだ軽トラはとりあえず後回しで木を切る
ことにしました。
ここで無理に自力脱出を試みると却って深みにはまります。
まあ、なんです。人生の泥沼経験は豊富ですからね。引き際の見極めは確かですわ。
今回の分を切ったあと、家に戻ってロープなどの脱出用具を揃えていたら家内が帰って来ました。
家内にも参加してもらって軽トラ救出作戦開始です。

ジープでさえ接近してけん引しようとすると埋まりそうです。
そこで、路面のしっかりしたところからロープを伸ばして引っ張って救出完了。

危機は脱したものの、切った木を造成地を横切って軽トラまで手で運ばなければなりません。
やれやれ。
さらにその後、雨の中、軽トラの下回りと車内の泥を洗い落としたのでした。
粘土状の粘っこい泥はなかなかしつこくサスペンションのアーム、ホイールの裏側、ディスクブレー
キのキャリパーあたり、エアコンの室外機までびっちりと詰まっていて一苦労でした。

元は結構高かった雨具も度重なる酷使ですっかり防水性が落ちていてかなり水が侵入します。
それでも無いよりはマシです。

雨と泥にまみれて何とか薪を確保出来ました。
これは無駄な労力と言えばまあそうでしょう。お金を出して薪を買えば済むことですしね。
でもね、雨の中、泥にまみれて作業するのってね……、
楽しいのよ!
自分の生活を支えるための作業を自分でするということ、そこにある充実感はちょっとした悦楽です。
雨と泥と戯れるのも何だか子供の頃の泥遊びみたいで気分が良いものです。
後片付けも含めて遊びの内という感じです。

生活の中のいろいろな面倒なことを他人任せにして自分は楽をするのが文明のひとつの流れで
はあります。
危険も面倒もない安心な生活は人類の夢ではあります。
ただね、あまり不自由や面倒から遠ざかるとそれはそれで得体の知れない不安ってもんが出てく
るようです。
人間は弱くて脆いけど、案外しぶといものです。
たまにそれを確認するような危機がある生活というのも悪くないもんです。
それにどうも、小さな危機が少ない社会というのは時々まとめて大きな危機が来るようです。

さて、今回の現場では薪集めに軽トラでは困難だとわかりました。
そこで工夫です。以下次号!


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
さりげないプレッシャー (わたなべ)
2011-06-02 16:05:53
 ジープで牽引……それだけ人生の泥沼経験豊富ということか! デフの中にデブゴンを注入するとか、もっと奇抜な方法を使うのかと思ったら、案外、正攻法でしたね。次号は、期待してます(笑)。と、人生確認のためのさりげない小さなプレッシャーを送って起きます、大きな危機がまとめて訪れることのないように。
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アレです (ひろにゃんof風琴屋)
2011-06-02 22:58:39
わたなべさん、ようこそ!

あの泥濘地では軽トラではダメです。
デフロックがあっても下に進むだけです。

大径ホイールで低接地面圧しかも軽量かつ積載力もある車両……。

そう!アレです。
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