27日(日)、6月にリフォームを完了したオルガンのある教会堂の献堂式でした。
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このオルガンは以前の古い会堂にあったものをオーバーホールと再デザインの上、新しい会堂に設置したものです。
既存の建物に合わせるのと違って、新築の進行状況を見ながらオルガンを再構築するのは大変でした。
建物の内装の最終決定がされないとオルガンのデザインや特に寸法関係が決められないわけですから。
今回は特に建物が狭いので、各部の寸法はセンチ単位ミリ単位の取り合いとなりました。
大変でしたが、関係者皆が少しでも良いものを造ろうとする努力の結果なので仕方ありません。
オルガンのパイプが露出したデザインは、当初からのものでしたが、講壇の天井部分の設計や、講壇の奥行きとの兼ね合いでパイプの並べ方や台の寸法が決定しているのです。
つまり、オルガンのパイプのレイアウトはほとんど選択の余地なくこの形になったのです。
建築設計を煮詰める段階で、16フィートのバスパイプ12本(最長2.2メートル、最短1.3メートル)の設置場所の予定だった演奏台後ろの壁面が電気関係の盤の場所に取られてしまったのです。
確かに建築図面を見ても他には設置のしようがないのが明らかだったので、その場所を譲ることにしたのです。
もちろんパイプの設置先のあてはあったのですけど。
送風系を地下に納めるため、パイプの台部分にかなりの空間があるのです。そこにバスパイプを納めようというプランを持ってはいたのです。
バスパイプは、木製の閉管で黒く塗装されていて、仕上げもあまり美しくなく、新しい建物にはそぐわないと感じていたので、パイプの台部分に納めることはちょっとは考えていたのでした。
長さ2.2メートルのものを1.3メートルのところに納めるには、まともにはいきません。
パイプを折り曲げるわけです。
木で出来た管を曲げるというのは、切って曲げた位置で繋ぐわけです。
曲げ方については、色々悩んだのですが、実験してみて行けそうだったのですべて二つ折りにしました。
閉管は割と曲げても音が出るので勝算はありました。
こんなデカいパイプでやったことはないですけど。
必要最低限の寸法を確認して、万一それを確保できなかった場合の策を考えてあとは不安に耐えて淡々と準備を進めるわけです。
バスパイプを台に納めるという策は、外観上の理由だけではなく、音のためにも有益な可能性はありました。
低音パイプはケース内で鳴らした方が響いて良いのです。
ましてこのパイプは細くて基音のパワーが弱いのでそれが補強出来れば良いなあとは思っていたのです。
ただ、狭い空間ではパイプが鳴らなくなるという可能性もあったのですが。
かくして、オルガンの台部分にバスパイプ12本を左右に分けて6本ずつ、すべて曲げてその風箱とともに納めるという作戦がとられることになったのです。
まあ、結果は期待通り、低音が補強されてうまくいきました。
実はやってみるまでは内心ドキドキだったんですけどね。
こんな具合です
このオルガンは、電気式アクションでパイプを複数のストップで共用しているのです。
同様のことを機械式でやろうとするとエラく大変なことになりますが、電気の場合、スイッチで電線を切り替えることで比較的容易にそれが出来るのです。これもまた小さいオルガンなのです。
今回、16フィートのオクターブをコンパクトに納める経験を得られたのでいずれその成果はどこかで生かせるでしょう。
生まれ変わったこのオルガンが引き続き教会の皆様に愛されることを望みます。
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このオルガンは以前の古い会堂にあったものをオーバーホールと再デザインの上、新しい会堂に設置したものです。
既存の建物に合わせるのと違って、新築の進行状況を見ながらオルガンを再構築するのは大変でした。
建物の内装の最終決定がされないとオルガンのデザインや特に寸法関係が決められないわけですから。
今回は特に建物が狭いので、各部の寸法はセンチ単位ミリ単位の取り合いとなりました。
大変でしたが、関係者皆が少しでも良いものを造ろうとする努力の結果なので仕方ありません。
オルガンのパイプが露出したデザインは、当初からのものでしたが、講壇の天井部分の設計や、講壇の奥行きとの兼ね合いでパイプの並べ方や台の寸法が決定しているのです。
つまり、オルガンのパイプのレイアウトはほとんど選択の余地なくこの形になったのです。
建築設計を煮詰める段階で、16フィートのバスパイプ12本(最長2.2メートル、最短1.3メートル)の設置場所の予定だった演奏台後ろの壁面が電気関係の盤の場所に取られてしまったのです。
確かに建築図面を見ても他には設置のしようがないのが明らかだったので、その場所を譲ることにしたのです。
もちろんパイプの設置先のあてはあったのですけど。
送風系を地下に納めるため、パイプの台部分にかなりの空間があるのです。そこにバスパイプを納めようというプランを持ってはいたのです。
バスパイプは、木製の閉管で黒く塗装されていて、仕上げもあまり美しくなく、新しい建物にはそぐわないと感じていたので、パイプの台部分に納めることはちょっとは考えていたのでした。
長さ2.2メートルのものを1.3メートルのところに納めるには、まともにはいきません。
パイプを折り曲げるわけです。
木で出来た管を曲げるというのは、切って曲げた位置で繋ぐわけです。
曲げ方については、色々悩んだのですが、実験してみて行けそうだったのですべて二つ折りにしました。
閉管は割と曲げても音が出るので勝算はありました。
こんなデカいパイプでやったことはないですけど。
必要最低限の寸法を確認して、万一それを確保できなかった場合の策を考えてあとは不安に耐えて淡々と準備を進めるわけです。
バスパイプを台に納めるという策は、外観上の理由だけではなく、音のためにも有益な可能性はありました。
低音パイプはケース内で鳴らした方が響いて良いのです。
ましてこのパイプは細くて基音のパワーが弱いのでそれが補強出来れば良いなあとは思っていたのです。
ただ、狭い空間ではパイプが鳴らなくなるという可能性もあったのですが。
かくして、オルガンの台部分にバスパイプ12本を左右に分けて6本ずつ、すべて曲げてその風箱とともに納めるという作戦がとられることになったのです。
まあ、結果は期待通り、低音が補強されてうまくいきました。
実はやってみるまでは内心ドキドキだったんですけどね。
こんな具合です
このオルガンは、電気式アクションでパイプを複数のストップで共用しているのです。
同様のことを機械式でやろうとするとエラく大変なことになりますが、電気の場合、スイッチで電線を切り替えることで比較的容易にそれが出来るのです。これもまた小さいオルガンなのです。
今回、16フィートのオクターブをコンパクトに納める経験を得られたのでいずれその成果はどこかで生かせるでしょう。
生まれ変わったこのオルガンが引き続き教会の皆様に愛されることを望みます。
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