吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

予感あるいは前兆

2009年10月10日 | 自分のこと
様々な偶然や予測出来ない事柄が降りかかることがあります。
経験上、何か大きな出来事や転換点の前にはその予兆現象のようなことが起こることがあります。

先日、東京に不要になったリードオルガンを引き取りに行きました。
そもそもその話は僕にではなく、違う方に行くことになっていたそうなのですが、たまたまその方が不在で、期日の都合があったため僕に話が来たのです。

オルガンを回収する際、マンションの管理人さんが興味深そうにご覧だったので、いろいろと説明しました。
「オヤジェー、ウゼェよ」
などと言ってはいけません。
リードオルガンとは何なのか、パイプオルガンとは何なのか、いつでも誰でも関心を持たれた方には説明しなければなりません。これらのマイナーな楽器が少しでも人々に理解され興味を持たれるようにしないとね。
管理人さんと話しているうちに、その方が僕の仕事場の近く(長野県伊那市長谷非持)によく行かれていたことが判って驚きました。
さらに、僕の名刺を渡したところ、
「おおー!」
といきなり握手を求められました。
何と、僕の父と大学で同級生だったそうです!驚きです!
「オヤジェー、ウゼェよ」
なんて言わなくて本当に良かった!

その回収したリードオルガンを仕事場に持って行きました。
自宅のストーブの薪がもうわずかだったので、伊那のいつもの製材屋さんに連絡しました。考えてみれば連休なのでその前に補給しておいた方が良いと思いついたのです。
南アルプスの麓から中央アルプスの麓へ、といってもわずか30キロ程度なのですけどね。
材木屋の近くまで来たときにに携帯電話に着信、伊那の大工です。
なんでも解体現場にスズメバチの巣があるから何とかならないかという話でした。
う~む、なんというタイミング。丁度うちのスズメバチのアルコール漬け(虫刺されの薬として)の在庫が切れてきたところで、しかも、通常100キロは離れているのにたまたますぐそばにいたのです。
キサマ、ニュータイプか?

とりあえず現場を見てみることに。比較的アプローチし易いところにキイロスズメバチの巣がありました。
直接手で取ることも考えたのですが、伊那の大工に捕獲道具のアドバイスをしました。
こういうことはひとりで楽しむもんじゃありません。
作戦決行は日没後として、僕はひとまず仕事場へ薪を運びます。
その半分をチェーンソーでストーブ用のサイズに切って軽トラに積んでちょうど日暮れ、ハチの巣退治に再び伊那の大工のところへ。

キイロスズメバチは一般にコロニーの規模が大きい、つまりハチの数が多く、性格も荒くあまり相手にしたくはないのです。
しかもハチ自体は小さいので、あまり面白くないというか気が進まないところではあったのですが、攻略しやすい巣でしたし、殺虫剤で滅ぼすのはもったいないですから。
キイロにしては非常に大人しかったので、攻城戦は驚くほどスムーズに行きました。
スズメバチの巣の攻略は、文字通り命がけの真剣勝負です。
恐怖、緊張、興奮、それらの感情を制御する冷静さと相手を観察し全力で理解すること。このテンションが狩なのです。
こちらを参照

翌日、自宅で持ち帰ったハチの巣を解体して幼虫と成虫を分けます。成虫はアルコール漬けで薬に、幼虫は佃煮にしました。
料理中に家内はだいぶつまみ食いをしたのですが、それで体調が良くなりました。
いや~、良かった。昨日から喘息で調子を崩していたのです。

いろいろ小さな偶然が身の回りで起きています。
たいてい、そういうことが続いた後、何かが起きるのですよね。
さて、どうなるのかな…。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿