吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

情報の壁

2006年07月27日 | 思うこと
「男性用トイレ“こぼれ”防止 シール狙い的中、関空発、ナニワ新ビジネス」
というニュースが目に入った。
ご存知ない方のためにちょっと解説すると、男性の小便器に貼付けるシールで、ついそれを狙ってしまう心理を利用して、トイレをきれいに保つ工夫です。

関空発のアイデアとなっていますが、職員が韓国旅行時に発見したとされています。
はて、こういうのをもって関空側の発案というのだろうか?
よそで見て来たものをマネするのを発案とはいわないでしょう。

アムステルダムのスキポール空港でも同様のものがもう10数年前には良く知られていました。
私は、その辺のことは結構多くの人が知っていると思っていました。
それが今でも「金になる」ほどの情報だったとは!
意外と私の知る情報の中にも使えるものがあるかも知れません。

新開発のナニナニだとか、よくマルチ商法なんかで高らかに謳っている商品なんかも、結構外国のスーパーで普通に見かけるものだったりします。
ネットの普及で外国が随分近くなったような錯覚がありますが、これは危険な錯覚ですね。

世界が近くなったという錯覚、世の中のことがわかるという錯覚。
わかっていないということをわかっていないこと、実はわかっているのにそれに気付いていないこと、心の中にはいろいろな壁や影がありますね。

もっとも、私自身にとって、特に仕事(オルガン関係)では重宝している部分もないわけではないですが、ネット情報はたいして役にたっていないですね。

だって、マイナーなんだもん!

ネット上の情報は、多くのひとの関心事によって成るわけで、あまりひとが興味を持たないものについては自ずと少なくなるわけです。
オタク系情報などで、自らマイナーを名乗っている人達よりもさらにマイナーです。

結局、ネットではきっかけをみつけてその後はメールで連絡をとって交流するという、極めてオーソドックスな人間関係に落ち着くわけです。

本当に大事な情報、価値ある情報が無料で誰にでも閲覧できる場にあるわけないのであります。
一方で、自分の中であまり価値がないと思い込んでいる情報も見直すことも大事ですけど。

何も知らない自分を常に自覚して、地道にいろいろなことに当たっていくしかないのですね。

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