吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

そーなんです(前編)

2008年01月16日 | 自分のこと
高校生の頃、十石峠という群馬、長野間の峠をひとりで越えたときの話。

日の出とともに埼玉の秩父鉄道の駅(どこだったっけ?)から出て(駅泊まりです)小鹿野を抜けて志賀坂峠を越えて群馬に入り、上野村を通って十石峠を越えて、小海線の駅泊まりの予定でした。

軽装で済む夏ならともかく、季節はすでに冬で防寒用品、着替えなどの装備も重く、それによるペースダウンと、十石峠の積雪を想定すべきだったのですが、全然考えていませんでした。
今なら、十石峠の近くにスタート地点をもってくるのですけれどね。
そもそもスケジュールに問題アリでした。
若かったですから!

荷物はすべて背中のザックでした。峠越えの時には自転車に荷物を付けたくなかったからです。これは、今でもそうですね。
ただし、このスタイルは疲れやすいのも事実で、それは後になってからひびきました。

志賀坂峠を越えて、群馬県に入ったところまでは、だいたいイメージ通りの時間だったのですが、上野村を抜けるのに意外と時間を食ってしまって、峠道の入り口にさしかかったころは午後3時を回っていたと思います。
それでも、暗くなる頃には峠の向う側には行けるだろうとたかをくくっていたのです。

未舗装路でスピードが乗らなかったのですが、それは想定内でした。
天気も良くとても暖かかったのですが、山肌にちらほらと雪が見えてきて、湧き水が凍っていました。
初めは、それが珍しくて喜んで写真を撮ったりしていたのですが、ひと尾根越えた時、シャレでは済まない光景になりました。
道に雪が積もっていたのです。
日照条件の悪い山影、標高の高いところは、一度降った雪は冬中融けないのです。

ついに自転車を押して歩くことになり、さらにスピードが落ちました。
雪はだいぶ前に降ったものらしく凍ってざくざくと堅いのです。
でも、それまで来た道のりを考えると、戻る気はしませんでした。

そして、思っていたよりずっと早く日が暮れてしまいました。

続きます。

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