吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

修復の風景

2015年07月04日 | オルガン

無ければ作る!

ベビーオルガンの修復中の様子です。
これは、明治のものですが、結構欠損部分があります。

一部は部品取りから融通することにしました。まあ、いずれはオリジナルを修復してまた戻すつもりですが、ちょっと材料探しに時間がかかりそうなので。
量産品はこういうことが出来るのがありがたいところです。 

自分のベビーをバラしたのは、当初、部品取りにしようと思ったからなのですが、そいつはそいつで貴重っぽかったし、直したくなってしまったので、予定変更して欠損部分を新作することにしたのです。

前板の下部が無くなっていたのでそれを自分のベビーからコピーします。

 
白っぽい木がコピー部品。

こんな感じに組み立てます。
 

完成。上がお手本で下が修復品。
 

今回は学術的修復に近い考え方でやっています。
つまり、修復部分がわかるようなやり方です。新作したり交換したりしたことを特に隠さないのです。
色目や仕上げは見苦しくない程度に合わせるに留めます。 

各パネルのテンプレートを作っておけばより簡単に新作出来るのですが、なかなか……。
ただ、自分所有の折り畳み脚ベビーの外装テンプレートは作っておきます。
僕も数台持っていますが、かつて大量に生産され廃棄された学校用オルガンにその外装を着せて甦らせてやろうと思っているのです。
無塗装で出しても良いかもね。様々な仕上げ方がありますから。
トールペインティングで仕上げてもかわいいでしょうね。
あと思いつくのは……、金箔仕上げとか! 眩しいっ!眼が、眼がぁぁぁ。
リードオルガンはダーク系の仕上げがほとんどですが、明るい色目も良いと思います。


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