俳句の箱庭 top

お気入俳人の俳句鑑賞します。
多側面から俳句を分類します。
俳句付きイラストを描きます。

俳句の箱庭

「箱庭へ風の粒子の粗く吹く」(透次) ◯浮かんだときが作るとき。作ることに無理はしないように。 ◯各俳人の情報は書籍・ネット他で一般に公開されたものから得ています。各俳人の情報は最新でない場合があります。各俳人の敬称略させていただきます。Tweet句については作者の承諾を得ていませんが、営利目的の要素はありませんのでご了承ください。 ◯「俳句の箱庭」ヽ(^ι_^)ゞノ♪透次

透次第1句集「眼光」50句

2010-07-11 00:00:19 | 透次句集

第1句集「眼光」50句  →第2句集「潟風」50句 →第3句集「起伏」50句 →第4句集「雷光」50句 →第5句集「残光」50句 →第6句集「剥離」50句   →第7句集「接岸」50句   →第8句集「浮游」50句 →第9句集「蒼穹」50句 →第10句集「道界」50句 →第11句集「半夜」50句 →第12句「虚空」50句 →第13句集「暁闇」50句 →第14句集「月命」50句 →第15句集「遠景」50句

●透次第1句集「眼光」
句集名は「眼光ひとつ六月の鍵穴に」より。電網空間に浮遊するがごとき軽快な第1句集。他の代表句に「1ギガの鳥獣戯画を曝しけり」、「ソノシート透かしてアノヨめく景色」など。帯文:帰ってきた透次。架空出帆社(2011.7.2感光)

 

○透次第1句集「眼光」50句

 

001箱庭へ風の粒子の粗く吹く(箱庭・)2010/7/19

002『カタカゲデマツ』黄泉からの電報に(片陰・)2010/7/19

0031ギガの鳥獣戯画を曝しけり(曝書・)2010/7/20

004八時十五分に既に焦げている(無季)2010/8/5

005十一時二分佇つひと座るひと(無季)2010/8/6

006匙が曲がるとすれば無月の真下(無月・)2010/8/31

007爆音下舗道をすべる犬の爪(無季)2010/9/12

008星月夜都市より帰る小都市へ(星月夜・)2010/9/17

009方位とは稲穂の垂るる向きのこと(稲穂・)2010/9/22

010きちきちや機械の国の虫として(きちきち・)2010/9/24

011どの虫がどの金管を持ち来たる(虫・)2010/10/1

012高階へ踊場毎の月を視て(月・)2010/10/9

013秋風や瞼を持たぬ信号機)2010/10/16

014木犀の風日蓮の辻々に(木犀・)2010/10/23

015此岸よりはずれて稲架の列に入る(稲架・)2010/10/30

016累累と熟柿を残し小家族(熟柿・)2010/11/6 

017ソノシート透かしてアノヨめく景色(無季)2010/11/15

018鍵穴より前方後円墳の風(無季)2010/11/20

019獣の如く冬服の端を咬む服)2010/11/27

020寒鴉黒の衣を着て来たり(寒烏・)2010/12/4

021黒髪が繁茂するコートの女(コート・)2010/12/11

022鍵屋出て鍵二つある懐手(懐手・) 2010/12/18

023庇老ゆ日蔭の雪の溶けぬまま(雪・)2010/12/25

024賀状繰りながら四階まで昇る(賀状・新年)2011/1/1

025農学校ノ下ノ畑モ時雨ルルカ(時雨・)2011/1/8

026厚き書の真中冷えて出羽山地(冷え・)2011/1/15

027漆黒の受話器に雪の重さあり(雪・)2011/1/22

028ポスト雪の足跡蛇行して(雪・)2011/1/29

029冬の列原爆ドームの横を行く)2011/2/5

030別れきて掌は断面となり痛む(無季)2011/2/12

031白息をことさら白く吐くゴジラ(白息・)2011/2/19

032頼朝の鳥居をくぐる二月かな(二月・) 2011/2/26

033春埃舞ふ映写光動くたび埃)2011/3/5

034耳朶近くさらさら鳴らす種袋(種袋・)2011/3/26

035春の雲この寅映画見覚えありの雲)2011/4/2

036春時雨関東ローム層の上時雨)2011/4/9

0372011/4/13

038風ぬくく生死に浸かるごとくなり(温し・)2011/4/15

039口紅は弾丸に似て花曇(花曇・)2011/4/16

040携帯が鳴る黒鞄三鬼の忌(三鬼忌・)2011/4/23 

041爆音のしたで埴輪となつてゐる(無季)2011/4/30

042行く春や表紙の固き出席簿(行く)2011/5/7

043ゴシックの『五月』に色を着けて寝る(五月・)2011/5/14

044鯉はづされて矢車のひた回る(矢車・)2011/5/21

045汁椀にひらかぬ蜆沖の雨(蜆・)2011/5/28

046トンネルの入口万緑の出口(万緑・)2011/6/4

047牛乳を立ち飲みしたる薄暑かな(薄暑・)2011/6/11

048眼光ひとつ六月の鍵穴に(六月・)2011/6/18

049蒼々と水衰へて河鹿鳴く(河鹿・)2011/6/25

050夏の宵カレーの皿を鳴らし食ふの宵)2011/7/2

○透次第1句集「眼光」50句

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透次第2句集「潟風」50句

2010-07-11 00:00:18 | 透次句集

第1句集「眼光」50句  →第2句集「潟風」50句 →第3句集「起伏」50句 →第4句集「雷光」50句 →第5句集「残光」50句 →第6句集「剥離」50句   →第7句集「接岸」50句   →第8句集「浮游」50句 →第9句集「蒼穹」50句 →第10句集「道界」50句 →第11句集「半夜」50句 →第12句「虚空」50句 →第13句集「暁闇」50句 →第14句集「月命」50句 →第15句集「遠景」50句

●透次第2句集「潟風」
第1句集「眼光」につづく「潟風」。まるで虚空を漂うかのごとき軽妙な第2句集。句集名は「団扇より蘇り来る潟の風」より。他の代表句として「黄水仙緑の風を呼びにけり」、「百日紅街道北へ帰るらむ」他。帯文:もうひとりの透次。仮想出帆社(2012.7.21感光)

 

○透次第2句集「潟風」50句

 

051笹舟のほぐれて疾し夏の川の川)2011/7/9

052水馬一航跡も残さずに(水馬・)2011/7/16

053故郷に遠く花火の音近く(花火・)2011/7/23

054波乗の彼女や彼に波波波(波乗・)2011/7/30

055原爆の日に当直をしてゐたり(原爆の日・)2011/8/6

056水道の出だしを捨てる終戦忌(終戦忌・)2011/8/13

057歩道橋の天辺あたり月恋し(月・)2011/08/20

058秋風をパントマイマー掌で押して)2011/8/27

059秋暑き佛が仏迎へる日暑し)2011/10/2

060葬列を生者が組みて欄干まで(無季)2011/10/2

061黄水仙緑の風を呼びにけり(黄水仙・)2011/10/2

062春嵐遺影遺骨に後れとる)2011/10/2

063主の亡き夏の背広の濃紺に)2011/10/2

064潟の雨昇華の床に垂直に(無季)2011/10/2

065団扇より蘇り来る潟の風(団扇・)2011/10/2

066木犀の風の塊縫ふごとく木犀・)2011/10/2

067枝に帰る花ことごとく秋の花の花)2011/10/2

068百日紅街道北へ帰るらむ百日紅・)2011/10/2

069便りせよ木犀週間過ぎ去るぞ木犀・)2011/10/8

070分解して組み立てられず秋の風の風)2011/10/13

071あきかぜのすくらんブルーこうさてん)2011/10/15

072雁や河口は河の終わるところ(雁・)2011/10/22

0732011/10/29

074飛行機雲ほぐれて秋の雲となるの雲)2011/11/5

075冬耕の農夫の貌はキリスト似冬耕)2011/11/12

076ゴム長の片方転び雪催(雪催・)2011/11/19

077焚火跡四囲の土より冷ゆるかな(焚火・)2011/11/26

078白き犬失ひし夜の虎落笛(虎落笛・)2011/12/3

079虹色の路上の油雪降りだす(雪・)2011/12/10

080遺跡より冬満月の揚がりけり冬満月)2011/12/17

081山眠る草食竜の背のごとく(山眠る・)2011/12/24

082凩や仏吐き出す空也像(凩・)2011/12/31

083くろぐろと空濡れてゐる時雨かな(時雨・)2012/1/7

084少年の己からくる雪礫(雪礫・)2012/1/14

085一月の卓逆立ちのマヨネーズ(一月・)2012/1/21

086春寒の地べたに冷ゆるえきすとら寒)2012/4/14

087あんいんすとーるできれば春の出来事も)2012/4/21

088射的屋で踵を浮かす春の雪の雪)2012/4/28

089春の窓極彩色のもの垂らす)2012/5/5

090鯉幟はためくほどに寡黙なり鯉幟・)2012/5/12

091飛行機の影よぎりゆく麦の秋麦の秋・)2012/5/19

092麦秋をたてがみ持たず抜けて行く麦秋・)2012/5/26

093夏兆す象の口中桃色に)2012/6/2

094藻臭帯び河より還る夕まぐれ無季)2012/6/9

095雨の中車が撥ねる水溜り無季)2012/6/16

096地下鉄が地上を走る蝉丸忌(蝉丸忌・)2012/6/23

097夏草にたゆたふ陸の破船かな)2012/6/30

098梅雨寒に深海嗅くなる友ら(梅雨寒)2012/7/7

099図書館の弱冷房の会話かな冷房・)2012/7/14

100浜草履海知らぬまま古りにけり花草履・)2012/7/21

○透次第2句集「潟風」50句

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透次第3句集「起伏」50句

2010-07-11 00:00:17 | 透次句集

第1句集「眼光」50句  →第2句集「潟風」50句 →第3句集「起伏」50句 →第4句集「雷光」50句 →第5句集「残光」50句 →第6句集「剥離」50句   →第7句集「接岸」50句   →第8句集「浮游」50句 →第9句集「蒼穹」50句 →第10句集「道界」50句 →第11句集「半夜」50句 →第12句「虚空」50句 →第13句集「暁闇」50句 →第14句集「月命」50句 →第15句集「遠景」50句

●透次第3句集「起伏」
透次第3句集「起伏」。句集名は「掌で顔の起伏を撫でる冬の果」より。その他の代表句は「夥しきOの唇爆音下」、「忌野忌RADIOバラード遠くより」、「号令は短き言葉晩夏光」など。透次が送り出す、まるで電子の塵のように軽妙な50句。帯文:遅れてきた透次。幻想出帆社(2013.7.20感光)

 

○透次第3句集「起伏」50句

 

101乱歩忌の鉄路の上を来る常夜(乱歩忌・)2012/7/28

102遠泳の抜き手の上の乱層雲(遠泳・)2012/8/4

103長崎忌雨中にて喉渇きけり(長崎忌・秋)2012/8/11

104号令は短き言葉晩夏光(晩)2012/8/18

105夥しきOの唇爆音下(無季)2012/8/25

106一箇ずつ椅子を抱えて震災忌(震災忌・)2012/9/1

107餡麺麭に餡が片寄る九月かな(九月・)2012/9/8

108教室の誰話すともなき秋意)2012/9/15

109高階のプランターにもある花野(花野・)2012/9/22

110台風圏発光しあう家族かな(台風圏・)2012/9/29

111どの窓より鼻を出しても木犀香(木犀・)2012/10/6

112東北の新米くだる関東へ(新米・)2012/10/13

113おのづから稲穂の生みし稲穂風(稲穂・)2012/10/20

114十月の喇叭に映る歪み顔(十月・)2012/10/27

115末枯るる買物籠の真下より(末枯れ・)2012/11/3

116月欠けて厚木の次は本厚木(月・)2012/11/10

117ハートブレークウインドブレーカー着て(冬)2012/11/17

118吹雪く夜の電子時計の刻なめらか(吹雪・冬)2012/11/24

119霜夜より顎尖らせて戻りけり(霜夜・冬)2012/12/1

120古びゆくもの手袋と掌と(手袋・冬)2012/12/8

121食肉目イヌ科を放つ枯野原(枯野・冬)2012/12/15

122馬蹄型で歌ふ聖夜の黒人霊歌(聖夜・冬)2012/12/22

123歳晩の家屋が宿す真暗がり(歳晩・冬)2012/12/29

124かまくらの中雪の香のざんざ降り(かまむら・新年)2013/1/5

125爆音へマスクの男降りゆけり(マスク・冬)2013/1/12

126人に蹤き人に蹤かれて鬼房忌(鬼房忌・冬)2013/1/19

127人に憑き人に憑かれて法然忌(法然忌・冬)2013/1/26

128エスカレーター冬の階段生み続け(冬)2013/2/2

129ビクターの犬首傾げ春の雪の雪)2013/2/9

130雪解けて百葉箱の白さかな(雪解け・)2013/2/16

131うすあかりあるや二月のポケットに二月・冬)2013/2/23

132掌で顔の起伏を撫でる冬の果冬の果)2013/3/2

133たしかなる根雪の底の伏流水根雪・冬)2013/3/9

134栄螺焼陸繋島の奥深し栄螺・)2013/3/16

135朧夜のズックの底に迷路あり朧夜・)2013/3/23

136携帯の声突然に朧より朧・)2013/3/30

137提灯を灯してよりの夕桜夕桜・)2013/4/6

138大学の名のつく駅や花の雨花の雨・)2013/4/8

139花時に遅れて届く宅配便花・)2013/4/20

140黄水仙風がいよいよ生きてきて黄水仙・)2013/4/25

141忌野忌RADIOバラード遠くより忌野忌・)2013/5/2

142傘雨忌やわがよたれそつねに呑む(傘雨忌・)2013/5/6

143桜桃届く地方紙に包まれて桜桃・)2013/5/18

144三鷹市の上連雀の夕焼雀夕焼・)2013/5/25

145扇風機の反復一日昏れにけり扇風機・)2013/6/22

146マンションの最上階の油虫油虫・)2013/6/28

147そのなかに無鉄砲な百合もゐる鉄砲百合・)2013/7/06

148額の花来てより帰ることばかり額の花・)2013/7/13

149祖母が来て陽のあるうちに蚊帳を吊る蚊帳・)2013/7/20

150麦藁のぼんやりとした不安顔麦藁・)2013/7/25

(透次第3句集「起伏」50句)

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透次第4句集「雷光」50句

2010-07-11 00:00:16 | 透次句集

第1句集「眼光」50句  →第2句集「潟風」50句 →第3句集「起伏」50句 →第4句集「雷光」50句 →第5句集「残光」50句 →第6句集「剥離」50句   →第7句集「接岸」50句   →第8句集「浮游」50句 →第9句集「蒼穹」50句 →第10句集「道界」50句 →第11句集「半夜」50句 →第12句「虚空」50句 →第13句集「暁闇」50句 →第14句集「月命」50句 →第15句集「遠景」50句

●透次第4句集「雷光」
透次第4句集「雷光」。句集名は「真夜中の雷光静か黄水仙」より。その他の代表句は「忘れぬために名簿を曝書せよ」「まつはりてまつはり解きて蝶空へ」「帰れない二人が灯る忌野忌」など。被爆国日本からネットへ打電する50句。帯文:あいつもこいつも透次。幻影出帆社(2014.8.09感光)

 

○透次第4句集「雷光」50句

 

151きな臭き背広を背負ふ西日中(西日・)2013/8/3

152忘れぬために名簿を曝書せよ(曝書・)2013/8/9

153走馬燈のなかを百年走者の儘(走馬燈・)2013/8/15

154群衆に胡桃をかくし持つてをり(胡桃・)2013/9/21

155虫の中でトンボが一番飛行機似(トンボ・)2013/9/28

156唐黍の群れて人類より高し(唐黍・)2013/10/5

157黙読の言葉も訛る星月夜(星月夜・)2013/10/12

158色のなき風といへども淡き色(色なき風・)2013/10/19

159白くなる便器のうえの秋思かな)2013/10/26

160台風圏発光しあう家族かな(台風・)2013/11/2

161鶏頭にとり囲まれて熟睡す(鶏頭・)2013/11/9

162冬装備してゐる夢の薔薇かな装備)2013/11/16

163シャーペンの芯装着す冬日中日中)2013/11/23

164冬ざれや海老名太古は海といふ冬ざれ)2013/11/30

165モネの真似マネの真似してモネ忌かな(モネ忌・)2013/12/5

166ポイントを貯め込んでゐるマスクかな(マスク・)2013/12/14

167そのなかにサンタクロース装束も(サンタ・)2013/12/21

168短日の上野で過ごす短時間(短日・)2013/12/23

169こちらの世よりあけましておめでとう(短日・)2014/01/4

170丑三におでん屋台が離陸する(おでん・)2014/1/11

1712014/1/13

172レジ袋不要の親爺着膨れて(着膨れ・)2014/1/25

173春時雨テレビにでないひとたちへ(春時雨)2014/2/1

174針供養ほつたらかしのレコード針(針供養・春)2014/2/8

175雲籠る陽や聖バレンタインデー(バレンタインデー・春)2/14

176少しづつ風生きてきて風生忌(風生忌・春)2014/2/22

177夕風や汚れて残る春の雪(春の雪)2014/3/1

178鈍色に光る横顔ハチ公忌(ハチ公忌・春)2014/3/8

179コンビニのしらじら灯る涅槃の夜(涅槃会・春)2014/3/15

180まつはりてまつはり解きて蝶空へ(蝶・春)2014/3/22

181横顔の小泉八雲鳥雲に(鳥雲に入る・春)2014/3/29

182花影より重く漕ぎでる三輪車(花影・春)2014/4/5

183花蔭に屋台の休む真昼かな(花蔭・春)2014/4/12

184ガチャガチャでコトンと落とす春の色(春)2014/4/19

185真夜中の雷光静か黄水仙(黄水仙・春)2014/4/25

186帰れない二人が灯る忌野忌(忌野忌・春)2014/5/2

187聖五月水に両掌を溺れさす(聖五月・夏)2014/5/10

188罪状は聲の捨てすぎ青嵐(青嵐・夏)2014/5/18

189投函後手首確認青葉風(青葉風・夏)2014/5/24

190時空を迷ふ迷彩色のプラモデル(無季)2014/5/31

191苺匙で潰しミルクに色をやる(青嵐・夏)2014/6/7

192夕焼や電話BOX遺跡めく(夕焼・夏)2014/6/14

193マンションの一階の夏暖簾かな(夏暖簾)2014/6/21

194江ノ島は鯨のかたち明易し(明易し・夏)2014/6/28

195踏切のカンカン照りに立止まる(無季)2014/7/5

196雨傘を日傘に差して化粧坂(日傘・夏)2014/7/12

197勲章の如くに胸の兜虫(兜虫・夏)2014/7/19

198麦藁帽ほつれしところ掌に熱く(麦藁帽・夏)2014/7/26

199一輪車壁に逆立つ阿久悠忌(阿久悠忌・夏)2014/8/1

200風死すや凡そ原子炉に似つかはしくない建屋といふ言葉(風死す・夏)2014/8/9

(透次第4句集「雷光」50句)

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透次第5句集「残光」50句

2010-07-11 00:00:15 | 透次句集

第1句集「眼光」50句  →第2句集「潟風」50句 →第3句集「起伏」50句 →第4句集「雷光」50句 →第5句集「残光」50句 →第6句集「剥離」50句   →第7句集「接岸」50句   →第8句集「浮游」50句 →第9句集「蒼穹」50句 →第10句集「道界」50句 →第11句集「半夜」50句 →第12句「虚空」50句 →第13句集「暁闇」50句 →第14句集「月命」50句 →第15句集「遠景」50句

○待ちに待った(人はいるかいないか)透次第5句集「残光」。句集名は「稲妻の残光遥か汀女の忌」より。その他、「百日紅街道北へ帰るらむ」「仏壇に紫檀黒檀春の雷」「麗かや猫が飛び乗るボンネット」「短日のぎいと鳴り止むオルゴール」など統一性を越えた自信作が満載。俳人一の寡作作家ではあるが、透次渾身の50句が再び電網宇宙に垂れ流された。  帯文:当時の透次  空想出帆社(2015.7.25感光)

 

○透次第5句集「残光」50句

 

201晩夏光眸の潤む馬ばかり(晩夏光)2014/8/11

202海鳥の陸深くゐる一遍忌(一遍忌・秋)2014/8/23

203百日紅街道北へ帰るらむ(百日紅・夏)2014/8/29

204爆音は機影におくれ秋暑し(秋暑し)2014/9/6

205鳥威極彩色の昏さかな(鳥威・秋)2014/9/13

206稲妻の残光遥か汀女の忌(稲妻・秋)2014/9/20

207颱風圏盥の底の多重円(颱風圏・秋)2014/9/27

208蛇笏忌や伏せて置かるゝ水杓子(蛇笏忌・秋)2014/10/3

209フェンス越すBlues柳ジョージの忌(柳ジョージ忌・秋)2014/10/10

210麗かや猫が飛び乗るボンネット(麗か・春)2014/10/18

211長き夜の夢で斬られてやはり流血(長き夜・秋)2014/10/25

212秋黴雨みなとみらいといふ駅まで(秋黴雨)2014/11/1

213なんじやこりやと腹をおさへる優作忌(優作忌・秋)2014/11/6

214短日のぎいと鳴り止むオルゴール(短日・冬)2014/11/10

215鈴扉押しサテンへ入るロダンの忌(ロダン忌・冬)2014/11/17

216金屑を路上に踏むや神無月(神無月・冬)2014/11/29

217光る家光らぬ家も十二月(十二月・冬)2014/12/6

218眼鏡屋の人みな眼鏡レノンの忌(レノン忌・冬)2014/12/8

219おでん鍋もう討入に加はれず(おでん鍋・冬)2014/12/14

220X-mas無音のTV点けておく(X-mas・冬)2014/12/24

221また起きて元日の昼飯を喰ふ(元日・新年)2015/1/1

222初夢や富士山麓に鸚鵡鳴く(初夢・新年)2015/1/4

223地吹雪に人無きリフト戻りけり(地吹雪・冬)2015/1/14

224赤煉瓦さすつてみれば冬煉瓦(冬)2015/1/24

225待春の飛行機雲を手繰り寄す(待春・冬)2015/1/30

226春立つや歩道を渉るビートルズ(立春)2015/2/4

227出鱈目に割れる板チョコ春浅し(春浅し)2015/2/14

228虹色の路面の油睦月(睦月・春)2015/2/21

229保護色で二月の列に並びをり(二月・春)2015/2/28

230河辺郡雄和村字椿川(椿・春)2015/3/6

231如月のカーブミラーに籠る貌(如月・春)2015/3/14

232箸立に箸ぎつしりと涅槃の日(涅槃の日・春)2015/3/15

233雨傘の取手の?弥生尽(弥生尽・春)2015/3/28

234関節の一本鳴らず万愚節(万愚節・春)2015/4/1

235地下を出て書肆まで春の傘さして(春の傘)2015/4/11

236桜騒鉄路一本踏み損なふ(桜騒・春)2015/4/18

237仏壇に紫檀黒檀春の雷(春の雷)2015/4/25

238上顎に最中の皮が付く遅日(遅日・春)2015/5/2

239深緑色の黒板夏立ちぬ(立夏)2015/5/9

240急坂に無数の◎や卯月風(卯月風・夏)2015/5/16

241突き出した唇が迎へに行く冷酒(冷酒・夏)2015/5/23

242鉛筆の尻の歯型や五月尽(五月尽・夏)2015/5/30

243六月や舌にぴりりと煙草の葉(六月・夏)2015/6/6

244階段に滝なす雨や長明忌(長明忌・夏)2015/6/10

245轟轟と暗渠の奔る皐月かな(皐月・夏)2015/6/20

246夕凪や魚拓魚鱗を忘られず(夕凪・夏)2015/6/27

247七月になつても富士の見えぬ部屋(七月・夏)2015/7/4

248髪切虫きつと醫院の壁にゐる(髪切虫・夏)2015/7/11

249青水無月舗道をすべる犬の爪(青水無月・夏)2015/7/18

250螺旋より螺旋を剥がし蚊遣香(蚊遣香・夏)2015/7/25

(透次第5句集「残光」50句)

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