○五体俳句679・拳8・穂積茅愁01・2024-12-17(火)
○「外套の深き処の拳かな」(穂積茅愁01)
○季語(外套・三冬)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:人物を主に考えれば「拳を外套のポケットに深く入れる」であるが拳を主に考えると掲句となる。さて外套を主に考えれば「こいつの拳を俺の深くまで飲みこむ」であろうか。そしてこの拳は何を考えているか。悔恨か、哀惜か。
○穂積茅愁(ほづみぼうしゅう)
○好きな一句「婚ほどの昏さを灯し螢籠」02
○季語(螢籠・仲夏)
【Profile】:1949年静岡県伊豆生れ。東京都品川区在住。
○五体俳句677・前頭葉1・安田中彦01・2024-12-03(火)
○「これは吾の前頭葉かブロッコリ」(『人類』2017)(安田中彦01)
○季語(ブロッコリ・三冬)(「→カロ冬扇へようこそ」より引用)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:五体の「前頭葉」は初出。臓器の内で→脳関係は「脳」6句、「大脳」1句、「脳幹」1句、「脳天」1句を数える。
○安田中彦(やすだなかひこ)
○好きな一句「マフラーを青の時代のやうに巻く」(『人類』2017)02
○季語(マフラー・三冬)(引用同上)
【Profile】:1956年北海道出身札幌市在住。「香天」(2009年→岡田耕治創刊代表)同人。
○五体俳句676・むらぎも1(動物)・川又憲次郎01・2024-11-26(火)
○「鯨解体むらぎも流れ出でて湯気」(川又憲次郎01)
○季語(鯨・三冬)(「俳句201611」より引用)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:五体の「むらびも」は初出。「むらぎも」とは「内臓」のこと。鯨の体温そのままの湯気の立つむらぎもが流れ出る。
○川又憲次郎(かわまたけんじろう)
○好きな一句「豆本を繰るピンセット新樹光」02
○季語(新樹光・初夏)(「俳句201411」より引用)
【Profile】:1963年茨城県水戸市出身。東京都在住。「澤」同人。
○五体俳句675・首10・井上泰至01・2024-11-17(日)
○「首太き男の買へる大熊手」(井上泰至01)
○季語(大熊手・初冬)(「俳句201506」より引用)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:さぞかし派手な大熊手なのであろう。それを高々と抱え酉の市の大通りを闊歩する。その男の大きな頭とそれを支える太い首。今日は「二の酉」。
○井上泰至(いのうえやすし)
○好きな一句「麗人は首から知れるショール哉」02
○季語(ショール・三冬)(「俳句界201512」より引用)
【Profile】:1961年京都市出身。防衛大学校人間文化学科教授。専攻は日本近世文学。「上智句会」所属、「若葉」同人。