○五体俳句686・たなごころ2・上原白水01・2025-02-03(月)
○「立春やしづかにひらくたなごころ」(『上原白水集』2003)(上原白水01)
○季語(立春・初春)(「→俳人協会・俳句文学館>今日の一句」より引用)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:「たなごころ」とは「掌(てのひら)」のこと。「手の心」。過去の箱庭を整理してみると。「てのひら」5句。「掌(て)」12句。「掌(てのひら)」5句。「手のひら」1句。「たなごころ」2句。という結果となった。
○上原白水(うえはらはくすい)(1927-2014)
○好きな一句「核の火や熟柿を包むうすき皮」02
○季語(熟柿・晩秋)(「→575筆まか勢」より引用)
【Profile】:愛媛県出身。「星」同人。1999年松山にて「泉」創刊主宰。松山俳句協会会長を務めた。師系・→臼田亜浪。
○五体俳句685・顔21・中村ひろ子01・2025-01-28(火)
○「春待つや簡単な顔持つ土偶」(『ドロップ缶』2018)(中村ひろ子01)
○季語(春待つ・晩冬)(「→永田満徳-中村ひろ子句集『ドロップ缶』」より引用)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:遮光器土偶など複雑な顔を持つ土偶もあるが。作者が見たのはかなり簡素なデザインの土偶。その丸い口が春を待っている。
○中村ひろ子(なかむらひろこ)
○好きな一句「鯛焼を抱へ小熊座大熊座」02
○季語(鯛焼・三冬)
【Profile】:1969年熊本県出身。1997年「未来図」熊本支部入会。2014年「未来図」杙の会参加。2016年「未来図」新人賞受賞。2017年「未来図」同人。「未来図」青山句会参加。「未来図」400号記念コンクール秀逸第一席。
○五体俳句684・腰6・木村嘉男01・2025-01-21(火)
○「地震すぎて腰落ち着かす寒九かな」(木村嘉男01)
○季語(寒九・晩冬)(「→現代俳句協会」より引用)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:「地震」は古語としては「なゐ」と読む。「寒九(かんく)」は「寒の内」の子季語。最も寒い季節である。この時期の巨大地震には「阪神淡路大震災(1995.1.17)」がある。
○木村嘉男(きむらよしお)
○好きな一句「胡瓜咲き姉弟論語を読み下す」02
○季語(胡瓜の花・初夏)(「『俳句年鑑』2017年版(角川書店)」より引用)
【Profile】:1941年岐阜県出身東京都府中市在住。「萱」(1997年→亀田虎童子が東京で創刊。師系:→瀧春一)代表。
○五体俳句683・臑(すね)3・野口明子01・2025-01-14(火)
○「風花や市聖の臑細き」(『青黛(せいたい)』2011)(野口明子01)
○季語(風花・晩冬)(「→ふらんす堂」より引用)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:「市聖(いちのひじり)」とは「空也上人(くうやしょうにん)」。この臑(すね)の細さは→六波羅蜜寺の空也上人立像のことであろう。口から6体の阿弥陀仏を吐き出すあの像である。
○野口明子(のぐちあきこ)
○好きな一句「雨匂ふ神木蛇の衣垂らし」(『青黛(せいたい)』2011)02
○季語(蛇の衣・仲夏)(「→ふらんす堂」より引用)
【Profile】:1955年東京都出身。1996年「街」入会。2002年「街」同人。2004年「街」退会。2005年「麟」創刊同人として参加。「麟」同人。「猫蓑会」同人。連句協会会員。
○五体俳句681・口9・田島もり01・2025-01-04(土)
○「獅子舞の口へ太平洋の風」(田島もり01)
○季語(獅子舞・新年)(「→すえよしの俳句ブログ」より引用)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:獅子舞の口の開け閉めがカタカタと鳴る。その口が最大限に開いた時に吹き込む太平洋の風。やけにスケールの大きな風が吹き込んだものである。海辺の町なのであろう。
○田島もり(たじまもり)
○好きな一句「でで虫に太古の森の子糠雨」02
○季語(でで虫・三夏)(「→かつらぎ」より引用)
【Profile】:1934年大分県出身大阪府大阪市在住。1973年「かつらぎ」入門。→阿波野青畝・→森田峠の指導を受けた。「かつらぎ」(→森田純一郎主宰)同人。「第29回お~いお茶新俳句大賞」文部科学大臣賞受賞。