○色彩俳句674・心象色14夢色・兼久ちわき01・2024-11-12(火)
○「枯れてなほ蟷螂の眼に夢の色」(『甘雨』2017)(兼久ちわき01)
○季語(蟷螂枯る・初冬)(「→ふらんす堂編集日記By YAMAOKA Kimiko」より引用)【→色彩俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:「蟷螂枯る」とは蟷螂(とうろう・かまきり)が枯色となって死に至る過程。しかしその眼は夢の色を失ってはいない。「夢の色」は「→一炊の夢の色ともねぶの花」(菅原多つを)に次いで2句目。
○兼久ちわき(かねひさちわき)
○好きな一句「英彦山の甘雨余さず稲実る」(『甘雨』2017)02
○季語(稲・三秋)(引用同上)
【Profile】:1944年福岡県出身山口県宇部市在住。1987年「早苗」に初投句。1989年「馬酔木」に投句。1993年「早苗菖」を受賞。「早苗」「馬酔木」同人。
○色彩俳句672・淡色6・山田澪01・2024-10-31(木)
○「母が家の淡き灯しや蚯蚓鳴く」(山田澪01)
○季語(蚯蚓鳴く・三秋)(「→カロ冬扇へようこそ」より引用)【→色彩俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:春の亀のみならず蚯蚓(みみず)をも鳴かせる俳句の度量といえようか。鳴く諸々の虫の中に蚯蚓を加えた。この大胆さと淡い母の家の灯りが激突した句。
○山田澪(やまだみお)
○好きな一句「婚礼の受付に来る夏つばめ」(『海鳥』2022)02
○季語(夏つばめ・三夏)(引用同上)
【Profile】:1935年岡山県美作市出身兵庫県明石市在住。1987年俳誌「青」入会、→波多野爽波に師事。「青」終刊により1991年「斧」入会。1999年「文」(→西野文代代表)入会、「文」終刊により2015年「椋」入会、→石田郷子に師事。2020年第11回「椋年間賞」受賞。「椋」会員。
○色彩俳句672・金箔1・三橋敏雄12・2024-10-27(日)
○「かもめ来よ天金の書をひらくたび」(『まぼろしの鱶』1966)(→三橋敏雄12)
○季語(無季)(「名句鑑賞辞典(角川書店2000)」より引用)【→色彩俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:「天金(てんきん)」とは、洋とじの書物で開く側=小口(こぐち)に金箔をはりつけたもの。すなわち色彩の金箔第1弾である。天金をぱらぱらと開くたびに鷗が飛来するような書物を書棚に探しに行こう。今日は「読書の日」。
○色彩俳句671・緋10・田島竹四01・2024-10-20(日)
○「緋連雀青畝師のこと語るべし」(『生きてゐて良かつた』2023)(田島竹四01)
○季語(緋連雀・晩秋)(「→朔出版」より引用)【→色彩俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:「かつらぎ」の師である→阿波野青畝俳句のパロディー句。「緋連雀一斉に立つてもれもなし」(『萬兩』1931)(阿波野青畝06)。緋連雀たちよ。師のことを語るように鳴いておくれ。
○田島竹四(たじまちくし)
○好きな一句「もう立てぬ歩けぬ座る仏の座」(『生きてゐて良かつた』2023)02
○季語(仏の座・新年)(引用同上)
【Profile】:1925年京城府生まれ。1963年「かつらぎ」入門。阿波野青畝に師事。1975年「かつらぎ」同人。