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(僕の書斎の「資本論」及び関連本)
朝日新聞の夕刊に『「資本論」が注目される理由は』の見出しで大きな記事が掲載された。
そして今、斎藤幸平著「人新世の『資本論』」が20万部超えのベストセラーに。
朝日がインタビューしている白井聡著「武器としての『資本論』」が7万部を超えるヒットをしている。
池上彰も「高校生からわかる『資本論』」を出版している。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/a0/c657bbe01c5d40c6152e379a47bf8ba9.jpg?1615771170)
僕はこの記事を読んで驚いている。
僕が「資本論」を必死になって勉強したのは、今から50年ほど前。
あの頃は学生運動と結びついて、多くの学生が読んで理論武装していた。
勿論、大学の経済学部もマルクス経済学(マル経)、近代経済学(近経)に二分されていた。
今はどうなっているか知らないが。
恐らくマル経なんてないだろうな~。
社会主義経済のソ連圏が消滅し、中国も共産党による国家資本主義だから、マルクスは歴史の彼方に追いやられたと思っていた。
しかし、勝利したはずの資本主義経済も、今や成長しなくなり、格差の極端な拡大、金融危機など、行き詰まり、矛盾が顕著になっている。
そんな時「資本論」が甦った。
なぜなら「資本論」は失敗した社会主義経済のことを書いている著作ではなく、資本主義経済の本質、矛盾を深く分析した本だからだ。
資本主義は発展すればするほど、あらゆる物を「商品」にする。
人間の労働力は当然のこと、人間そのものまでも。
さらに自然も動物もありとあらゆる物を商品化して、値札を付ける。
トイプードル15万円とかね。
僕らが飼ってた雑種犬はタダだった。
商品化された人間は己の商品価値を上げようと必死に励む。
そうして人間は「疎外」され孤立化する。
その辺を深く分析したのが「資本論」だ。
だから現代の高度に発展した資本主義を分析し、理解する武器になる。
そうでしょう。
例えばメジャーを見れば、何10億の値段が付く選手もいれば、価値がないとされれば即クビになる。
コロナ禍で命懸けで働いておられる医療関係者は医者は高給取りだが、看護師らエッセンシャルワーカーは薄給だ。
その他のゴミ収集の現業の人達も。
その対極には何兆円も得る一部の大富裕層がいる。
こんな資本主義社会が健全な社会か。
マルクス再評価の理由が、ここにある。
と、僕は思う。
と、僕は思う。