この家を移築する時、解放部分が多い側を南向きにしたいと考えました。
でも、そのためには槇の木を切らなければなりません。
不本意だけれど、土地に納まるように配置しました。
偶然? 磁石で確かめたら、移築前に建っていたのと全く同じ向きです。
設計段階で、エアコンを西側の二部屋に入れることになっていたのですが、
エアコンはデザイン上、日本家屋には似合わないので、
夏の暑さ冬の寒さに覚悟を決め、断りました。
そのままの再現にこだわりました。
壁は漆喰。
「当然 漆喰ですよ」と言われたものの、よくよく聞いてみると
断熱材入りのパネルに漆喰を塗ったものらしい。
今時、土壁が出来る職人がいないという。
調べたら、ワークショップで人材を募り自ら土壁作業をした人がいました。
そんなことを建築会社に話したら、何処からか職人を探してくれました。
後世に伝えるためにビデオを作るとか、職人達に教えるとかで
現代の名工という方に引き受けてもらえることに。
我々も竹小舞土壁塗りに参加? ”じゃま”しました。
窓は二重ガラスの木製サッシにしましたが、
家全体に合板や新建材は使用せず、昔のままの再現です。
住んでみると、夏の快適さは申し分ありません。
南側の窓から夏は風が入って・・・
北に抜けるのです
散々脅されていた冬の寒さは、ほとんど気になりません。
この冬は、一月に火鉢を出して、あとは3台のオイルヒーターだけで十分でした。
むしろ現代住宅メーカーの薦める快適な本宅よりも、ずっと温かい。
オイルヒーター3台というのは、コロナ対策で家全体を温めるためでした。
結露とかカビも無く、
昔の人の方がの快適な生活を送っていたのではないかと思いました。
まだまだ分かりませんが・・・