ねぶた家の人々 (ねぶたけのひとびと)

2011年1月5日オープン!青森市文化観光交流施設ねぶたの家ワ・ラッセ公式BLOGです。

北斎と応為 ~北村麻子さんのやさしいねぶた学~ 

2018年12月10日 18時55分10秒 | 日記

こんにちは

ササキングです

 

遅くなってしまいましたが12月2日(日)に開催された

ねぶた師北村麻子さんのやさしいねぶた学の

様子をお伝えしたいなと思います!

実は今回でやさしいねぶた学は節目の50回を迎えました

そんな50回目のやさしいねぶた学

当日、なんとご用意していた席が全て埋まってしまいました

ご参加いただいた皆様ありがとうございまーす

さて、講演では現在ワ・ラッセに展示中のねぶた

「入雲龍 公孫勝」(あおもり市民ねぶた実行委員会)の

制作エピソードなどをお話していただきましたよ~

 

こちらのねぶたは正面が水滸伝のヒーロー「公孫勝」、

送りは葛飾北斎と娘の応為の場面となっています

一見「何のつながりが?」と思いますが、こちらも詳しく解説していただきました

 

まず北村麻子さんが葛飾北斎が大好きだというお話から始まります。

ねぶた師を目指す前、仕事が上手くいかなかった時期、

父であるねぶた師北村隆さんが持っていた葛飾北斎の本を読んだそうです。

その中に「牡丹に蝶」という絵が紹介されていました。

(参考までに『牡丹に蝶』と検索すれば画像が出てきますよ~)

 

「風に煽られていても、力強さ、そして儚さを感じました。

この絵から生きる力をもらった。」と話す北村麻子さん。

また、葛飾北斎は美人・風景・植物・動物・武者・春画・妖怪・模様など

絵を描き続けたが生涯満足することはなかったそうです

北村麻子さん「何かを生み出す者として共感できる部分があります。」

 

葛飾北斎が晩年に描いたもので、長野県小布施町の北斎館(HP参照)に

展示されている祭り屋台の天井画があります。

この祭り屋台には水滸伝の英雄公孫勝と応龍の彫刻が置かれています。

「公孫勝と葛飾北斎、この組み合わせをねぶたにすれば面白いのでは」

そして今年の夏に完成したねぶたが「入雲龍 公孫勝」でした

 

昨年、父の北村隆さんが腰の手術をしたこともあり、

苦しくてもねぶたを制作する姿が北斎と重なったとのこと。

北斎の場合、脳卒中になったがそれでも生涯現役で絵を描き続けた。

(それを応為が助手として支えていたというお話があります。)

そんなことから、こちらのねぶたには

「ずっと作り続けてほしい」という願いも込められています。

まさに送りの場面は、父の北村隆さんと娘の北村麻子さんの姿でもあるように感じますね

 

さて、制作の方はというと「これまでで一番難しかった」と語る北村麻子さん。

波を表現するために、立体の仕方、色、奥行きなど、どう迫力を出すかなど

いろいろ考えたそうです。

 

厄介だったのが「手が届かない部分」

そのため、作業が遅れる上にきれいに描けなかったそうです

そうなったときにねぶたを分解するのですが、なんとこちらのねぶた

正面は4分割になっているそうです

特に左側の雑兵は足場を組むのが難しく大変苦労されたそうです。

北村麻子さん

「今回の制作スタッフはいつもより少なかったので、

スタッフのありがたみを感じた。技術的、精神的にも成長できたと思うし、

いろいろと課題も見えました。今後も良い作品を作っていきたいです!」

 

感動エピソード満載の北村麻子さんのねぶた学でした

まだまだたくさんお話がありましたが、今回の講演は

青森ケーブルテレビさんで放送されます

また、約1ヶ月後になりますが放送された内容を

YouTubeにもUPしますのでお楽しみに

また前回の我生会の講演をYouTubeにUPしましたので

ぜひこちらもご覧ください

第49回 やさしいねぶた学 「展示ねぶたを語る」 講師:我生会

 

次回のやさしいねぶた学は今年度最終回となります

2019年1月6日(日)13:45~14:45、ワ・ラッセ1F交流学習室2です。

講師はねぶた師北村春一さんです。もちろん参加無料です

次回のやさしいねぶた学もどうぞよろしくお願いいたします

 

ササキングのレポート

 

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