三代八十吉さんとの話の中で今でも忘れられない言葉があります。「分からないことは人に聞くのが一番」と言われ、私「今後個展を中心に行きたいのですが、失敗の多い作品で安く販売できません。ましてや子供の頃から私が貧乏で、私の周りは貧乏人ばかりだったように思いますが、大丈夫ですかね」と尋ねると、先生曰く「太古の昔から金持ちと貧乏人は、いつもいっしょに暮らしてきた。今も変わらずいっしょにいる」。頼もしいお言葉。いつも思いだして、言葉を楽しんでいます。わたしも楽しめるお話し上手になりたいと思います。
数年前、人間国宝、故三代徳田八十吉先生と初めて話す機会があり、私の思いを話しますと「一度工房へ来なさい」と言われ、数日後、電話を入れるも、忙しく繋がりません。夕方先生から電話「谷口君すまない、また今度電話入れてくれ」とのこと。今度は先生から「今日、お昼過ぎに来てくれ」と言われ、尋ねると「私はもう３０年以上前から貴方を知っている。私も職人、対等に話そう」と言われ、お互い本音で話すことができました。その話の一つ、先生曰く、「人は誰でも何んでも出来る様に思ってはいるが、一握りのことしかできないものだ。一握りの得意を極めていけば良い。分からないことは、人に聞くことが一番。後は運だ」言われました。
今日は知人であり、先輩の清水さんの御紹介で兵庫県淡路市から坂田さん御夫妻と友人の５名様で陶芸体験。日ごろから暖かな清水さんでその友人ということでお会いするのを楽しみにお待ち申し上げておりました。小さな工房ではありますが、さわり程度ではなく、本当のろくろ体験をしていただきました。私なりではありますが、楽しんでいただけましたでしょうか。