題名としては
「怪物だ〜れだ」なので、観ている客や
これから観る人間は
いったい怪物は誰なのか?
いつ出てくるのか?
と身構えをして観るのだろう。
だがそんな映画では無い。
しかし、何かを隠しながら少しづつ話しは進むのでミステリー仕立てのように見える。
しかし、何かを隠しながら少しづつ話しは進むのでミステリー仕立てのように見える。
第一幕
最初麦野家の母親の視点から
説明される。
とても一生懸命やっている母親に見える。
夫を亡くしてひとり息子を大切に育てる
シングルマザー。
麦野ミナト(湊)の様子が徐々におかしくなっている。
それに対して…母親は少し気になり
聞くが息子は
「理科の実験でそうなったんだよ」
や
「ホリ先生が言っていた」
と言い誤魔化していた。
そして自分の子供が車から飛び降りて初めて
「これは何かある?!」
と気づく。
だが子供のサインはほとんど見逃している。
そのうえに、子供が衝撃的な事を言い出すので
「誰に!!誰に言われたの?!」
と母親は烈しく追求をする。
「ホリ先生だよ」
とミナトは言う。
✳ここで「かまた君に言われたの?」と母親は聞くが
ミナトはそれを言わなかった。
前に母親に「かまたくんがやった」と言ったら
母親がかまた君の家に乗り込んで行ったからかもしれない。
また、ヨリ(依里)の事も言わないが
これは本当に誰にも言わない秘密の事だったからだ。
小学校5年2組ではいじめがあった。
標的は星川ヨリ。
ヨリの机にゴミをばらまき
麦野ミナトにも
「やれよ」と命じて仕方がなくミナトは黒板拭きを叩く。
ヨリは変わっていた。
クラスにはなじまない浮いた男の子。
宇宙人と呼ばれていた。
ヨリと喋る者は一緒にからかわれる対象になった。
※このいじめのシーンは第三幕です。順序を変えてすみません🙇🏻♀️
※このいじめのシーンは第三幕です。順序を変えてすみません🙇🏻♀️
第二幕
ホリ(保利)先生は新任教師だったがやる気はあった。
彼女から転覆病の金魚と同じという指摘をされる。
金魚たちの中で沈んでいる金魚だ。
ホリがクラスでウケる話をしても、誰も笑わない。先生に無反応なクラス。
そしてホリは恋人と火災のあった近くを歩いている時に
(ガールズバーが焼けたらしい)
クラスの男の子達に出会い
「あいつ、店の女の子をお持ち帰りしているんじゃね?」
と言われていて
ホリが気づかない間にその噂がアッという間に父兄や教師達にも広がる。
作文を書く時のヨリの書き方は少し独特だ。
暗号のようなものを残して誰かに何かを伝えている日々のようにも思える。
鏡文字も使う。
それにはどんな謎が書いてあったのか?
1幕でも、最後の方であったことだが
ホリはひとりで全ての責任を取らさせる。
周り全ての人間達の嘘によって。
※教師達は父兄が乗り込む事を恐れていて
そういう親をモンスターペアレントと呼んでいた。
そしてホリから教師達は話を聞いたが
「子供のせいにしたら親は許さないからな」
と言われ、急遽作ったような台本どうりの劇を
麦野の親の前でやらされる。
間違っているのは自分じゃないと思っているホリは
口先だけで認め虚ろな瞳で謝った。
つまり、ホリはミナトの言う事を全て認めたのだ。
ホリは転覆病の金魚のようにいつのまにかタヒに体になっていた。
ホリは転覆病の金魚のようにいつのまにかタヒに体になっていた。
マスコミの餌食にもなって世の中に喰いコロされるホリという金魚…
家にいてもピンポンダッシュをされ
家にいてもピンポンダッシュをされ
ナニモノかを置かれる嫌がらせにあう。
実は校長先生にも恐ろしい噂があった。
孫を最近失った校長。
校長はまるで、能面のように表情が無い。
✳孫を失ったから当然なのかもしれないが
感情を押しコロして
人間らしさを出せずに
只、なんとか立っているようにも見えた。
生きていた頃孫が話していた話をする。
「お菓子を買いに行くと
お菓子泥棒がとっちゃうんだよ…
だから行かないって」
「子供は面白い事を言うね」
ある人と会話をする校長。
その時の校長は微笑んでいるように見えた。
孫が言ったそのエピソードは嘘なのだが
それをとても懐かしみ
校長は語るのだ。
子供はそんな世界に生きている。
しかしホリはそんなものにされた。
ホリは頼みの綱の校長に必至に説明をした。
「あれは違うんです」
豚の脳の話も僕じゃない。
僕は暴力をふるってない。
だが校長は
「そうでしょうね」
「事実はどうでも良いのよ」
と言った。
以前に
「ホリ君は誤植を見つけて出版社に手紙を送るのが趣味なんだよね?」
と彼女に指摘されている。
そんなホリが嘘をつき続けなければならない。
子供のために
学校のために
校長のために
親の気をおさめるために
一生、嘘をつきたくないのにつき続けなければならないのか?
私はそこにこだわりましたけどね…
実はそれを言ったのは父兄だった。
しかしホリもまた、ミナトの母親やその父兄と同じように勘違い、思い込み、間違いをしている。
そして自分が日頃考えている
幸せになる方法を子供に無理強いしていたに過ぎなかった。
「怪物だぁ〜れだ?」
怪物にされている子ども達はさけぶ。
普通とは違う僕は病気。
普通には、なれない僕は人間じゃないの?
幸せになれないの?
他人から押し付けられたその自分に苦しみ
普通の幸せになれない自分に苦悩しているなんて
誰も結局わからなかった。
魚の転覆病を調べたら、子供の小さなサインを見逃していた大人達も駄目なんだとつくづくわかった。
映画「怪物」の役者さん達が日本のアカデミー賞で受賞をしていた。おめでとうございます
✳読みづらい名前が多いのでカナにしました
永山瑛太さんも受賞をしても良いような演技でした…
永山瑛太さんも受賞をしても良いような演技でした…
しかし磯村勇斗さんも天才的に演技がうまいので仕方がないですね。
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他人任せにして
他人を攻撃して勝手にスッキリして
自分の子供の
言えないけど
何か本当は言いたいような言葉に出来ないサインを
見逃している親達に1番観て欲しい映画だと思いました。
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✳子ども達の本当の苦悩を誰もわからなかったと
先ほど書きましたが実は
ひとり気付いた人間はいましたよ。
いましたけどね…
それが本当に解決になったのか?
それって親達の求める解決では無いし
これから先どうなるのか………(ここでは言えない)
という結末でした。
✳加筆修正いたしました。