坂元裕二さん脚本でミステリー。
それは本当に解決するミステリーなんだろうかと思いながら観ていました。
「ANONE」という犯罪ものなど、視点が全然違いますからね。
あれなんかも本当に色々良かったドラマでした。
まぁ、鹿浜という刑事はどちらかというと犯罪者側に立っている
なので、推理が出来るという刑事。
子供の頃から「みんなと違って気持ち悪い」と言われる子供でした。
読書が好き。
そして犯罪者について考える時、なんかひとりじゃないという気がしていた。
「マーヤーのベールを剥ぎ取る」
のは鹿浜だけで出来そうな気がする。
何年も前から解決しているのに解決していないような気がする事件があった。
森園が引っ掛かっていた
俗にいう、まさに「腑に落ちない」事件。
死体が見つかり、容疑者はすぐさま逮捕される。
だが森園はおかしいと思っていた。
そして馬淵の兄(刑事)が死んだ。
その事件の真相を知っていそうな刑事摘木は、精神が
安定していなかった。
二重人格者。
その病は「ジキルとハイド」という古典的なフィクションによって
人々の概念に「危ない人間」として固定された。
坂元裕二は、人々のその概念を見越おしてストーリーをミスリードする。
その病気は 精神不安定が強い人間が離人症のようになり、危機とともに
違う人格が現れる事があると聞く。(注意:私は素人です)
だから、二重人格だといってオセロの白と黒のように
善人と悪人が別れているわけでは無い。
視聴者はびっくりした。
摘木の別人格者は、
それはそれとして美しい女性と出会いやさしい思い出を
作っていたのだ。
それだけじゃなく、鹿浜という人間の孤独にもふれて
「大丈夫。ひとりでも生きていけるよ」
というメッセージを残す。
その別人格の星砂こそがもろい存在なのに。
⇩ここから結末を書きます観ていない人は注意
森園が腑に落ちないと思っていたその事件
それは雪松所長の息子がやっていたのだ。
最初は子供の頃、ボーイスカウトの仲間達とおもしろ半分にやっていたら
しんでしまった。お父さんは警察に勤めているのだしそれは言うだろう。
少年は父親に助けを求める。
しかしそこで父親は失敗をしてしまう。
事件をごまかすアドバイスをするのだ。
月日が経ち彼らのグループのうちひとりが秘密や罪悪感に耐えられなくなり
そして、雪松の息子がまたやってしまった。で、父親に連絡をする。
「どうしたら良い?おとうさん」
そういう事が連続して起こる。
(この時は中学生で被害者も中学生に成長していました。で、この時
の犯罪は未解決でしたが、ひとり暮らしの女の人がドラマの途中
容疑者になった。森園は疑っていたのだが、すでに病死している)
【雪松鳴人、何故あなたは犯罪をごまかすことばかり教えるの?
何故人をあやめちゃいけないという事を言わないの?】
と思うが、子供の頃のそのごまかしがバレちゃまずいんですよね。
父親が。だから息子がやっている事をどんどんごまかさなきゃ
ならなくなった。
おかげで何人か冤罪で捕まる人が出たのでした。
最初に父親のとった行動で、悪魔が育った。悪魔になった。
馬淵の兄が尊敬する雪松所長が悪魔という話しも出ますが、
父親は悩んでいますから一応人間という気がします。
息子はそうでは無い人間に育ちました。
鹿浜、摘木、馬淵の少し変わっている関係は…
数年後どうなっているのでしょうね。