毎食後きちんと歯を磨いているのに、なんだか歯の調子が悪い…。
こんな感覚はないだろうか?この違和感は、口内老化のサインだ。
実は、肌や髪よりも早く老化の兆候が表れ、体の中で最も早く老化が進むのが歯、口の中だという。
さらに、こうした口内劣化が出てくる40~50代は、20~30代で治療した部分に不具合が出る時期でもある。
「将来寝たきりに、などと言われても、40~50代では正直まだピンとこないかもしれませんが、
まだまだ大丈夫と高をくくっていると大変なことになります」と
歯科医師で日本アンチエイジング歯科学会理事の佐藤由紀子さんは警告する。
“フレイル”という言葉を知っているだろうか?身体機能や認知機能が低下して、
虚弱となった高齢者の状態をこう呼ぶ。介護は必要ではないけれど老化が進んでいるという、
要介護予備群を示す言葉として注目を集めている。
「40~50代は、身体機能や認知機能に関しては、まだまだ大丈夫、フレイルなんて関係ない、
と思われるはず。でも、身体機能や認知機能よりも先に口腔内が衰え、
それをきっかけにフレイルが加速するともいわれています。
ここ数年、学会でもフレイルに移行する前の世代に、
“オーラルフレイル”をいかにくい止めるかが話題になっています」
しかも、このオーラルフレイルの兆候は、すでに40~50代から表れている、と佐藤先生は指摘する。
「更年期世代は、女性ホルモンの低下で体が劇的に変化するだけでなく、
ストレスや生活習慣の乱れで自律神経がアンバランスになり、
それによって口内環境がドラスチックに変化します。なかでも著しいのが、唾液の減少。
口が乾くと口の中に細菌が増殖しやすくなり、歯周病や虫歯で歯を失うリスクが高まります。
また、口呼吸やくいしばりといった長年の癖も全身症状に影響することがあります」
なんとなく口の中が調子悪いという状態を放置すると、歯周病が進んで歯を失い、全身の不調となることも…!
「歯を失うと、おいしく食べられないだけでなく、かみ合わせも変わってしまいます。
かみ合わせが変われば、顔の歪み、姿勢にも影響し、体の痛みや転倒のリスクも高まります。
また、歯を失うとかんで食べる刺激がないので、認知機能も低下。
寝たきりなんて先のことと思いがちですが、実は“今の歯の問題”が密接にかかわっているのです」
まずは、歯への意識を変えるべきと佐藤先生は言う。
「ネガティブな話をしましたが、きれいな歯は究極のアンチエイジングだと私は思います。
歯に自信が持てると笑顔も出て、多くの人と会話もはずみ、若々しい表情に。
肌やボディケアと同じように、素敵に年齢を重ねたいなら、
まずは口内環境を若々しく保つことは必須だと思ってほしいですね。
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