とりあえず一言。
「井上くん。これは一体どうなっているのかね? 説明してもらおうか?」
「君が視聴者に与えた損害はあまりにも大きい。どう責任を取るつもりなのかね? 視聴者に対するりっぱな背信行為だよ?」
それとも、これは視聴者に対する嫌がらせですか? 井上御大。
いきなりオロチが終わってやがりました。
あの無駄な盛り上げは、やはり無駄に終わった訳ですね?
1年後が出るらしいとは聞いてたんだけど、Aパート始まったら、もう1年後になっててびっくり。
1年後にする必要どこにあったんでしょうか?
もっちーが掠われる必要がどこにあったんでしょうか?
掠うならあきらちゃん掠って下さい。出番が増えるから!
明日ちんが医者になるのが分かるのって、ヒビキさんに言うシーンが初めてでもいいんじゃないですか?
あと、ラストシーンでメインキャストが寝てて、夢かと思わせる演出555で見た。
今日は時間がないので、続きとあきらちゃん妄想劇場は、明日になります。
とか、書いておきながら、火曜まで引っ張ってごめんなさい。
日曜はイベントに行ってて時間がなかったのもあるんですが、その後、風邪を悪化させちゃいまして。
では、いつも通り、仮面ライダーあきら行きます。
これは、もっちーではなく、あきらちゃんが攫われていたら?
という妄想です。
☆ ☆ ☆
ゆらゆら
ゆらゆら
私は揺れる。
ここはどこだろう。
温かいものが私の体を包んでいる。
こういう温かさを持っている人を私は知っている。
明日夢くん…?
☆ ☆ ☆
「そうですか。安達くんは医学部志望なんですね。すごいです」
この1年、安達くんの成績はかなり上がったと思う。
安達くんは何も言わないけれど、周りの噂から情報が入ってくる。
模試の成績のことも本人は話さないけれど、一緒に受けた人達から安達くんがすごくいい成績を取ったことを噂する。そして、医学部を志望していることも。
「ていう訳でもないんだけどさ」
彼は謙遜していう。安達くんらしいと思う。
「天美さんは将来のこととか考えてる?」
逆に聞かれてしまう。
「一応、福祉関係の仕事につきたいと思ってるんですけど」
安達くんのおまけのように始めたパネルシアターだけれど、パネルシアターは確実に私を変えてくれた。
人と係わり合いを持つことができて、何か人に私から与えられるものがある。
それは今の私にとって心地よい。
私と安達くんはいつのまにか、鬼のことは口にしなくなった。
そして、彼は人を助ける仕事、医者を選んだ。
私は福祉の道を選んだ。
二人は選択は、思いは同じなんだろうと思う。
「そう言えば、桐矢君はどうなったんでしょう? 結局、学校にも来なくなりましたし」
私達とは反対の道を選んだ人、桐矢くん。
「ね・・・」
安達くんもよく知らないのか言いよどむ。
「きっと、ヒビキさんのところでがんばってるんでしょうね」
私は自分の希望を口にした。
そうであって欲しい。
そうであれば、私がヒビキさんに弟子入りをお願いしたことも無駄ではなくなる。
私は自分が鬼をやめる代わりに、彼に自分の夢を託したかったのかもしれない。
あの時はそう思わなかったけれど、でも、今ならそう思える。
「安達くんはヒビキさんに会ってないんですか?」
私はなるべくさりげないつもりでヒビキさんのことを聞いてみた。
「ヒビキさんとのことはもう『思い出』かなぁ? 俺は俺で一生懸命がんばってるし、充実してるし」
「そうですか? なら、いいんですけど」
私は安達くんの言葉を額面通りに受け取ってはみたけれど、やはり、無理をしているように思える。
鬼をやめたから、ヒビキさんに会わない。
それは、少し安達くんらしくないと思うんだけれど。
「ヒビキさんと会わないというのは何か違う気がするんですけど」
安達くんの表情が強張る。
安達くんが何かを言う前に、後ろから声がかかった。
「安達くん! あーきらちゃん!」
持田さんの声がして、すごい勢いで腕を組んでくる。
そして、私達は3人で並んで歩き始めた。
持田さんはいつのまにか私を「あきらちゃん」と呼ぶようになった。
安達くんはいつまで経っても「安達くん」なのに。
くす。
そう考えるとおかしかった。
それを持田さんに目ざとく見つけられてしまった。
「何? 何? 笑ってるの? いいことあった?」
「いえ、何でも」
「何よー。教えなさいよー」
持田さんが私の首に腕を巻きつけてくる。
そんな風にじゃれあう私達を安達くんが優しい笑顔で見つめている。
暖かな笑顔。
☆☆☆
ゆらゆら。
ゆらゆら。
私は揺れている。
遠くで声が聞こえる。
『我々の手足となって働く者が必要だ。
元、鬼の弟子ならいいクグツになるだろう』
ゆっくりと近づいて来る気配。
触れそうになるほどに近づかたかと思うと、そこから小さな気配のものが放たれた。
その小さな気配は、私の体をかするようにするすると動き回っている。
何かにじゃれつかれている感じ。
それは、持田さんを思い出させた。
☆☆☆
安達くんが勉強で忙しくなったせいで、私と持田さんは一緒にパネルシアターに行き、一緒に帰ることも多くなった。
「でも、あきらちゃん、ずいぶん、うまくなったよね。パネルシアター」
「あたしなんて、まだまだです」
「そんなことないよ。でもさー、みんなが喜ぶ顔を見るのって、嬉しいよね」
「はい!」
喜ぶ顔を見るのって嬉しいという持田さんの表情は輝いている。
私もいつかああなれるといいのに。
「じゃあ、ここ」
そう言って、去っていく持田さんに私は手を振った。
「きゃあ!」
その声を追って、走る。
見渡せば魔化魍が持田さんを抱えていた。
私はそれを追って走った。
走りながら、携帯を取り出し、たちばなに緊急コールをかける。
日菜佳さんに簡単に用件を告げて切る。
事情の飲み込みは早い日菜佳さんはすぐ対処をしてくれるはずだ。
私にできることは魔化魍のせきるだけ正確な位置を伝えること。
深追いは危険。
そんな気持ちは、どこかに飛んで、私は魔化魍の後を追った。
次の瞬間。
激しい衝撃を覚えた。
消え行く意識の中。
かすかに声が聞こえた。
『こっちにしよう。こっちの方が使い物になりそうだ』
☆☆☆
ゆらゆら
ゆらゆら
私は揺れる。
ここはどこだろう。
温かいものが私の体を包んでいる。
私は今までいろんな人に包まれ、育ってきた。
父に母に。
そのぬくもりを失くした時。
代わりに私を包んでくれた人がいた。
両親を失くした私を支え、導いてくれた人。
共に一つの道を歩いて来た人。
そして、道をたがえてしまった人。
もう、会えない。
「ヒビキさんと会わないというのは何か違う気がするんですけど」
私は安達くんにそう言ったけれど。
でも、それは自分への問いだったのかもしれない。
私はなぜイブキさんと会わないのか。
なぜ?
道をたがえてしまったから?
期待に答えられなかったから?
多分、鬼になることをやめてしまった自分が許せなかったから。
自分を許せないままに、イブキさんに会いたくなかった。
でも。
でも…。
会いたい。
会いたい……。
あきら。
遠くでイブキさんの声がする。
もっと、近くで声が聞きたい。
聞きたい……!
☆☆☆☆
ザバッ! ゴボ!
私の周りの気配がゆるやかなものから、激しいものに変わったと思った時、ぐんと私の体に重力がかかり、いつのまにか温かなものから引き出されていた。
「あきら!」
間近で声がする。
ひんやりと触れる冷気。
でも、私を抱き抱える腕は暖かい。
「あきら! 大丈夫か?!」
目を開ける。
そこにはなつかしい温かな笑顔。
目が合うと、イブキさんは安心したようにふっと目元を緩める。
そして、私の体を強く抱きしめる。
「無事でよかった!」
どうして、イブキさんがここに?
「日菜佳さんから連絡があったんだ。持田さんを助けに行ったら、持田さんは放置されていてあきらの姿がないって聞いたから、もしやと思って…」
私の心の中に問いにイブキさんが答えてくれた。
そこまで聞いて私は認識する。
持田さんを助けようと思って、代わりに自分が捕まってしまったことに。
「持田さんは大丈夫ですか?」
「ああ、傷一つなかったよ。何が起こったのかわからなかったらしいから、適当にごまかしておいた。明日夢くんがフォローに入ってくれてるはずだ」
「そうですか。よかった」
「よかったじゃない!」
私は肩を強く掴まれた。
「少しは自分の心配もしろ!」
私はきょとんとしてしまった。
「僕がどれだけあきらのことを心配したか…」
そこまで言ってイブキさんは言葉を詰まらせる。
そして、また私を抱きしめる。
「心配してきてくれたんですか?」
「当然だ!」
抱きしめる力が強くなる。
心配してくれたんだ。
私の目から暖かいものが零れる。
私はおずおずとイブキさんの背中に腕を回した。
いっそう感じるイブキさんの体の温かさ。
それは、私の心の凍っていた部分を溶かす。
「イブキさん……会いたかったです……」
零れる。
ずっと黙っていた思い。
「…僕もだ…」
答えてくれる暖かい存在。
もう放したくないと思った。
☆☆☆
「はい。携帯の0番を押すと、僕の携帯に直通するようにしておいたからね」
「え? どうしてそうする必要があるんですか?」
「今度のようなことがあったら困るだろ。緊急時のためだ。
そうそう。何もなくても、1日1回は僕に連絡を入れること」
「だから、どうしてそんなことを…」
「僕が心配だから!」
イブキさんは仁王立ちで言いきった。
それより前にどうしてイブキさんが私の部屋にいるんだろう?
師弟関係だった時ですら、よっぽどのことがなければ私の部屋に入らなかったのに。
そして、私はベッドで寝ていることを強制されている。
私が使っていた液体はかなりやばいものだったらしい。
散々みどりさんに検査され、そして、結果が出るまで安静を言い渡された。
それはいいんだけれど、鬼の仕事がしている以外はここにいるんじゃないだろうかと思えるイブキさんの行動にとまどっている。
「心配ってイブキさん。気持ちは分からなくもないですけど…」
「分かるんだったら言うことを聞くこと」
「……はい」
確かに知り合いが魔化魍に襲われたとしたら、イブキさんなら心配してしまうだろう。
私がしぶしぶそう言うと、イブキさんは嬉しそうに笑った。
久しぶりに見たイブキさんの満面に笑顔に、はからずも私も嬉しくなってしまう。
私はゆるみそうになる頬を隠すために、ぷいっと寝返りを打って、イブキさんから顔を逸らした。
「あきら…もしかして怒った…?」
おずおず聞いてくるイブキさん。
「そんなんじゃありません」
「でも、あきら…」
そこで携帯に連絡が入る。
イブキさんはそれに答えて出て行こうとする。
でも、しっかりと最後には言い置いて出て行った。
「連絡忘れたらだめだからね」
バタン。
部屋のドアが閉まった後、私はそっと体を元の位置に戻した。
私とイブキさんとが歩む道は違うかもしれない。
でも、いつでもイブキさんは私に歩み寄ってくれる。
そう思っていいんだろうか?
二人とも一人で前を向いて生きているけれど、すぐ隣を見れば、お互いの姿が見えるのだと。
そんな風に二人は関わっていく。
もっと先のことは分からないけど。
でも、今は。
そんな風に二人は生きていく。
歩いていく。
☆☆☆
妄想終了。
ええ、もう、いっそほんとのこと仮面ライダーあきらな終わり方してくれるとうれしかったです。
無理だけどさー。
最終回、あきらちゃんでないかもーって話があったんで、その割には出ててうれしかったです。2回も出てたし、台詞も一杯あったし。
これであきらちゃんが魔化魍の攫われてイブキさんが助けに行くんだったら、言うことなかったのにー。
あんな街中まで来て、パンピーな女の子攫うより、鍛えてる元弟子を攫った方がいいと思うんだけどなー。
あんまりおでこだしするより、前髪下ろしてた方が好きです。
仮面ライダーあきら終了。
再度、仮面ライダー響鬼続行。
桐矢について。
1年経たせたのって、桐矢が変身できるまでまともになりましたよって言い訳するためにしか思えないんですよね。
オロチの意味ってどこあったんですか?
あんなに何もなく、あっさり終わらせるなら。
ラストを明日夢のあの決心を語らせるだけなら、オロチ、まったく必要ないですよね?
ああいうラストを持ってくるなら、それだけのために半年くらいかけていいんじゃないでしょうか?
桐矢いなくても大丈夫じゃないですか? あんだけ不愉快な思いをさせられたのに、ちゃんと鬼になってますよ、っていうだけじゃ気がすまないんですが(怒)
先日イベントであったお嬢様も言ってましてけど、桐矢にはあきらちゃんに土下座して謝って欲しかったです。
あきらちゃんはそんなこと望んでないですけど、そこまでしてくれないと私(達)の気持ちは治まらないです。
トド&イブキ。
存在薄っ!
もういなくても、いい感じの存在になってましたね。
これ以上のフォローはいらんということでしょうか?
つっこみを入れ始めるとキリがない最終回、残りは「裏」であげます。
こちらの記事のメインはイブあきですが、ヒビあすも書きたいので。
つか、熱が上がって来たような気がするんで、ここでごめんなさい^^;
とりあえず、書いた分だけでも「裏」にアップしないと…。
体調の悪さとドラマレビューの立て込みの中、続きどこまで書けるか不安ですが^^;
また、時間が見つけられたら、響鬼やあきらちゃんについて書きます。
ただ、今週末は土日とも仮面ライダースーパーライブに行ってしまうので、ちょっと無理があるのですが^^;
わー、大丈夫か? 私。
スーパーライブから即効帰ってくればいいのかな? ねぇ?(誰に向かって言っている?)
おまけ。
戦隊オンリーイベント用に書いてみたものの、戦隊物じゃないじゃん! ということで、ひっそりとテーブルの隅に飾られていたイラスト(笑)

髪型が初期のものなのは、そうしないと二人の区別がつきにくいからです。苦肉の策という奴です…。
飾った現物は通りすがりのあきら&もっちーファンの方が欲しいと言ってくださったので差し上げました。
もらってくださってありがとうございました♪
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「井上くん。これは一体どうなっているのかね? 説明してもらおうか?」
「君が視聴者に与えた損害はあまりにも大きい。どう責任を取るつもりなのかね? 視聴者に対するりっぱな背信行為だよ?」
それとも、これは視聴者に対する嫌がらせですか? 井上御大。
いきなりオロチが終わってやがりました。
あの無駄な盛り上げは、やはり無駄に終わった訳ですね?
1年後が出るらしいとは聞いてたんだけど、Aパート始まったら、もう1年後になっててびっくり。
1年後にする必要どこにあったんでしょうか?
もっちーが掠われる必要がどこにあったんでしょうか?
掠うならあきらちゃん掠って下さい。出番が増えるから!
明日ちんが医者になるのが分かるのって、ヒビキさんに言うシーンが初めてでもいいんじゃないですか?
あと、ラストシーンでメインキャストが寝てて、夢かと思わせる演出555で見た。
今日は時間がないので、続きとあきらちゃん妄想劇場は、明日になります。
とか、書いておきながら、火曜まで引っ張ってごめんなさい。
日曜はイベントに行ってて時間がなかったのもあるんですが、その後、風邪を悪化させちゃいまして。
では、いつも通り、仮面ライダーあきら行きます。
これは、もっちーではなく、あきらちゃんが攫われていたら?
という妄想です。
☆ ☆ ☆
ゆらゆら
ゆらゆら
私は揺れる。
ここはどこだろう。
温かいものが私の体を包んでいる。
こういう温かさを持っている人を私は知っている。
明日夢くん…?
☆ ☆ ☆
「そうですか。安達くんは医学部志望なんですね。すごいです」
この1年、安達くんの成績はかなり上がったと思う。
安達くんは何も言わないけれど、周りの噂から情報が入ってくる。
模試の成績のことも本人は話さないけれど、一緒に受けた人達から安達くんがすごくいい成績を取ったことを噂する。そして、医学部を志望していることも。
「ていう訳でもないんだけどさ」
彼は謙遜していう。安達くんらしいと思う。
「天美さんは将来のこととか考えてる?」
逆に聞かれてしまう。
「一応、福祉関係の仕事につきたいと思ってるんですけど」
安達くんのおまけのように始めたパネルシアターだけれど、パネルシアターは確実に私を変えてくれた。
人と係わり合いを持つことができて、何か人に私から与えられるものがある。
それは今の私にとって心地よい。
私と安達くんはいつのまにか、鬼のことは口にしなくなった。
そして、彼は人を助ける仕事、医者を選んだ。
私は福祉の道を選んだ。
二人は選択は、思いは同じなんだろうと思う。
「そう言えば、桐矢君はどうなったんでしょう? 結局、学校にも来なくなりましたし」
私達とは反対の道を選んだ人、桐矢くん。
「ね・・・」
安達くんもよく知らないのか言いよどむ。
「きっと、ヒビキさんのところでがんばってるんでしょうね」
私は自分の希望を口にした。
そうであって欲しい。
そうであれば、私がヒビキさんに弟子入りをお願いしたことも無駄ではなくなる。
私は自分が鬼をやめる代わりに、彼に自分の夢を託したかったのかもしれない。
あの時はそう思わなかったけれど、でも、今ならそう思える。
「安達くんはヒビキさんに会ってないんですか?」
私はなるべくさりげないつもりでヒビキさんのことを聞いてみた。
「ヒビキさんとのことはもう『思い出』かなぁ? 俺は俺で一生懸命がんばってるし、充実してるし」
「そうですか? なら、いいんですけど」
私は安達くんの言葉を額面通りに受け取ってはみたけれど、やはり、無理をしているように思える。
鬼をやめたから、ヒビキさんに会わない。
それは、少し安達くんらしくないと思うんだけれど。
「ヒビキさんと会わないというのは何か違う気がするんですけど」
安達くんの表情が強張る。
安達くんが何かを言う前に、後ろから声がかかった。
「安達くん! あーきらちゃん!」
持田さんの声がして、すごい勢いで腕を組んでくる。
そして、私達は3人で並んで歩き始めた。
持田さんはいつのまにか私を「あきらちゃん」と呼ぶようになった。
安達くんはいつまで経っても「安達くん」なのに。
くす。
そう考えるとおかしかった。
それを持田さんに目ざとく見つけられてしまった。
「何? 何? 笑ってるの? いいことあった?」
「いえ、何でも」
「何よー。教えなさいよー」
持田さんが私の首に腕を巻きつけてくる。
そんな風にじゃれあう私達を安達くんが優しい笑顔で見つめている。
暖かな笑顔。
☆☆☆
ゆらゆら。
ゆらゆら。
私は揺れている。
遠くで声が聞こえる。
『我々の手足となって働く者が必要だ。
元、鬼の弟子ならいいクグツになるだろう』
ゆっくりと近づいて来る気配。
触れそうになるほどに近づかたかと思うと、そこから小さな気配のものが放たれた。
その小さな気配は、私の体をかするようにするすると動き回っている。
何かにじゃれつかれている感じ。
それは、持田さんを思い出させた。
☆☆☆
安達くんが勉強で忙しくなったせいで、私と持田さんは一緒にパネルシアターに行き、一緒に帰ることも多くなった。
「でも、あきらちゃん、ずいぶん、うまくなったよね。パネルシアター」
「あたしなんて、まだまだです」
「そんなことないよ。でもさー、みんなが喜ぶ顔を見るのって、嬉しいよね」
「はい!」
喜ぶ顔を見るのって嬉しいという持田さんの表情は輝いている。
私もいつかああなれるといいのに。
「じゃあ、ここ」
そう言って、去っていく持田さんに私は手を振った。
「きゃあ!」
その声を追って、走る。
見渡せば魔化魍が持田さんを抱えていた。
私はそれを追って走った。
走りながら、携帯を取り出し、たちばなに緊急コールをかける。
日菜佳さんに簡単に用件を告げて切る。
事情の飲み込みは早い日菜佳さんはすぐ対処をしてくれるはずだ。
私にできることは魔化魍のせきるだけ正確な位置を伝えること。
深追いは危険。
そんな気持ちは、どこかに飛んで、私は魔化魍の後を追った。
次の瞬間。
激しい衝撃を覚えた。
消え行く意識の中。
かすかに声が聞こえた。
『こっちにしよう。こっちの方が使い物になりそうだ』
☆☆☆
ゆらゆら
ゆらゆら
私は揺れる。
ここはどこだろう。
温かいものが私の体を包んでいる。
私は今までいろんな人に包まれ、育ってきた。
父に母に。
そのぬくもりを失くした時。
代わりに私を包んでくれた人がいた。
両親を失くした私を支え、導いてくれた人。
共に一つの道を歩いて来た人。
そして、道をたがえてしまった人。
もう、会えない。
「ヒビキさんと会わないというのは何か違う気がするんですけど」
私は安達くんにそう言ったけれど。
でも、それは自分への問いだったのかもしれない。
私はなぜイブキさんと会わないのか。
なぜ?
道をたがえてしまったから?
期待に答えられなかったから?
多分、鬼になることをやめてしまった自分が許せなかったから。
自分を許せないままに、イブキさんに会いたくなかった。
でも。
でも…。
会いたい。
会いたい……。
あきら。
遠くでイブキさんの声がする。
もっと、近くで声が聞きたい。
聞きたい……!
☆☆☆☆
ザバッ! ゴボ!
私の周りの気配がゆるやかなものから、激しいものに変わったと思った時、ぐんと私の体に重力がかかり、いつのまにか温かなものから引き出されていた。
「あきら!」
間近で声がする。
ひんやりと触れる冷気。
でも、私を抱き抱える腕は暖かい。
「あきら! 大丈夫か?!」
目を開ける。
そこにはなつかしい温かな笑顔。
目が合うと、イブキさんは安心したようにふっと目元を緩める。
そして、私の体を強く抱きしめる。
「無事でよかった!」
どうして、イブキさんがここに?
「日菜佳さんから連絡があったんだ。持田さんを助けに行ったら、持田さんは放置されていてあきらの姿がないって聞いたから、もしやと思って…」
私の心の中に問いにイブキさんが答えてくれた。
そこまで聞いて私は認識する。
持田さんを助けようと思って、代わりに自分が捕まってしまったことに。
「持田さんは大丈夫ですか?」
「ああ、傷一つなかったよ。何が起こったのかわからなかったらしいから、適当にごまかしておいた。明日夢くんがフォローに入ってくれてるはずだ」
「そうですか。よかった」
「よかったじゃない!」
私は肩を強く掴まれた。
「少しは自分の心配もしろ!」
私はきょとんとしてしまった。
「僕がどれだけあきらのことを心配したか…」
そこまで言ってイブキさんは言葉を詰まらせる。
そして、また私を抱きしめる。
「心配してきてくれたんですか?」
「当然だ!」
抱きしめる力が強くなる。
心配してくれたんだ。
私の目から暖かいものが零れる。
私はおずおずとイブキさんの背中に腕を回した。
いっそう感じるイブキさんの体の温かさ。
それは、私の心の凍っていた部分を溶かす。
「イブキさん……会いたかったです……」
零れる。
ずっと黙っていた思い。
「…僕もだ…」
答えてくれる暖かい存在。
もう放したくないと思った。
☆☆☆
「はい。携帯の0番を押すと、僕の携帯に直通するようにしておいたからね」
「え? どうしてそうする必要があるんですか?」
「今度のようなことがあったら困るだろ。緊急時のためだ。
そうそう。何もなくても、1日1回は僕に連絡を入れること」
「だから、どうしてそんなことを…」
「僕が心配だから!」
イブキさんは仁王立ちで言いきった。
それより前にどうしてイブキさんが私の部屋にいるんだろう?
師弟関係だった時ですら、よっぽどのことがなければ私の部屋に入らなかったのに。
そして、私はベッドで寝ていることを強制されている。
私が使っていた液体はかなりやばいものだったらしい。
散々みどりさんに検査され、そして、結果が出るまで安静を言い渡された。
それはいいんだけれど、鬼の仕事がしている以外はここにいるんじゃないだろうかと思えるイブキさんの行動にとまどっている。
「心配ってイブキさん。気持ちは分からなくもないですけど…」
「分かるんだったら言うことを聞くこと」
「……はい」
確かに知り合いが魔化魍に襲われたとしたら、イブキさんなら心配してしまうだろう。
私がしぶしぶそう言うと、イブキさんは嬉しそうに笑った。
久しぶりに見たイブキさんの満面に笑顔に、はからずも私も嬉しくなってしまう。
私はゆるみそうになる頬を隠すために、ぷいっと寝返りを打って、イブキさんから顔を逸らした。
「あきら…もしかして怒った…?」
おずおず聞いてくるイブキさん。
「そんなんじゃありません」
「でも、あきら…」
そこで携帯に連絡が入る。
イブキさんはそれに答えて出て行こうとする。
でも、しっかりと最後には言い置いて出て行った。
「連絡忘れたらだめだからね」
バタン。
部屋のドアが閉まった後、私はそっと体を元の位置に戻した。
私とイブキさんとが歩む道は違うかもしれない。
でも、いつでもイブキさんは私に歩み寄ってくれる。
そう思っていいんだろうか?
二人とも一人で前を向いて生きているけれど、すぐ隣を見れば、お互いの姿が見えるのだと。
そんな風に二人は関わっていく。
もっと先のことは分からないけど。
でも、今は。
そんな風に二人は生きていく。
歩いていく。
☆☆☆
妄想終了。
ええ、もう、いっそほんとのこと仮面ライダーあきらな終わり方してくれるとうれしかったです。
無理だけどさー。
最終回、あきらちゃんでないかもーって話があったんで、その割には出ててうれしかったです。2回も出てたし、台詞も一杯あったし。
これであきらちゃんが魔化魍の攫われてイブキさんが助けに行くんだったら、言うことなかったのにー。
あんな街中まで来て、パンピーな女の子攫うより、鍛えてる元弟子を攫った方がいいと思うんだけどなー。
あんまりおでこだしするより、前髪下ろしてた方が好きです。
仮面ライダーあきら終了。
再度、仮面ライダー響鬼続行。
桐矢について。
1年経たせたのって、桐矢が変身できるまでまともになりましたよって言い訳するためにしか思えないんですよね。
オロチの意味ってどこあったんですか?
あんなに何もなく、あっさり終わらせるなら。
ラストを明日夢のあの決心を語らせるだけなら、オロチ、まったく必要ないですよね?
ああいうラストを持ってくるなら、それだけのために半年くらいかけていいんじゃないでしょうか?
桐矢いなくても大丈夫じゃないですか? あんだけ不愉快な思いをさせられたのに、ちゃんと鬼になってますよ、っていうだけじゃ気がすまないんですが(怒)
先日イベントであったお嬢様も言ってましてけど、桐矢にはあきらちゃんに土下座して謝って欲しかったです。
あきらちゃんはそんなこと望んでないですけど、そこまでしてくれないと私(達)の気持ちは治まらないです。
トド&イブキ。
存在薄っ!
もういなくても、いい感じの存在になってましたね。
これ以上のフォローはいらんということでしょうか?
つっこみを入れ始めるとキリがない最終回、残りは「裏」であげます。
こちらの記事のメインはイブあきですが、ヒビあすも書きたいので。
つか、熱が上がって来たような気がするんで、ここでごめんなさい^^;
とりあえず、書いた分だけでも「裏」にアップしないと…。
体調の悪さとドラマレビューの立て込みの中、続きどこまで書けるか不安ですが^^;
また、時間が見つけられたら、響鬼やあきらちゃんについて書きます。
ただ、今週末は土日とも仮面ライダースーパーライブに行ってしまうので、ちょっと無理があるのですが^^;
わー、大丈夫か? 私。
スーパーライブから即効帰ってくればいいのかな? ねぇ?(誰に向かって言っている?)
おまけ。
戦隊オンリーイベント用に書いてみたものの、戦隊物じゃないじゃん! ということで、ひっそりとテーブルの隅に飾られていたイラスト(笑)

髪型が初期のものなのは、そうしないと二人の区別がつきにくいからです。苦肉の策という奴です…。
飾った現物は通りすがりのあきら&もっちーファンの方が欲しいと言ってくださったので差し上げました。
もらってくださってありがとうございました♪
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最後のあきらちゃんともっちーの絵でノックアウトです(笑)
とうとう終わっちゃいましたね。
この1年間を振り返ると、ブログがなければこんなに響鬼と言う番組にのめり込むことはなかったんでしょうね(笑)
きっと、路線変更の時点で消化不良おこして見るのヤメてただろうし。
それに、毎回のこの仮面ライダーあきらにも癒されてよかったですよ!
これからも、マジレン記事や、もちろん、本家あっちゃんネタなどで楽しませていただきますので、今後もヨロシクです。
あきらちゃんともっちーはお持ち帰りしてくださいませ。ご入用ならデータで差し上げましてよ?
(好きなだけ拡大できます。600dpiなのでかなり綺麗に拡大できます)
次は、チョーフリフリロリですよね?
私もブログを始めてからのめりこむようになりました。ただぼんやり考えてるだけじゃなく、書いて残す、そして、それを元に人と交流することって、すごく心に残るものだなぁと思いました。
ていうか、いつまに、こんなにあきらちゃんを愛してたんだろうとか、自分でびっくりですよ~~(笑)
仮面ライダーあきらをよろこんでくださってありがとうございました。これにコメントくださるのはいんぱらさんくらいなので、いんぱらさんのために書いてたようなもんです(笑)
時間があったら、もうちょっと綺麗にまとめられないかと検討中です。
あっちゃんネタが久しくなくてごめんなさい。
これはそれなりの事情が…^^;
マジレンもね…(うつろな目)
これからもよろしくお願いいたします。