20代前半のころ、拓郎や陽水の歌をよく聞いていました。そして
社内で音楽好きの4人でバンドを組み、かなりバンド活動にのめり込んで
いました。今思えば、あの頃が青春時代真っ只中だったのかも知れません。
陽水のLPレコードの中に「もどり道」というライヴ盤があるのですが
そのなかで、「いつのまにか少女は」という曲はお気に入りでした。
しかし、ずっと気になっていた曲は「帰郷(危篤電報を受け取って)」
という曲でした。詩の一節に「喉に血吐(ちへど)見せて狂い泣く」という
部分があるのです。これは、陽水の父上が亡くなるときの様子かと
思うのですが、まさに妻がこの状態だったのです。
亡くなる直前、ほんとに短時間ですが、妻もこんな状態で
吐く前に苦しいと大きな声で言ったのです。こんな大きな声がでるのかと
逆にビックリしましたが、この苦しいという言葉が今でも
頭にこびりついて、離れません。
44年の結婚生活がこんな形で終わるとはまったく想像
できませんでした。ほんとに寂しさ以外の言葉が思いつきません。