安蘇のやぼやま日記

両毛線沿線の山々を、ノンビリと歩いています。

想い出の北ア・蓮華温泉~白馬~朝日岳

2008年07月26日 | 
 以下は、2000年の7月末に蓮華温泉を起点に、周回ルートを歩いたときの写真(フィルムカメラで、いわゆるBAKAチョンカメラで撮った)です。
 我が家から蓮華温泉までは遠い道のりでした。さらに、国道から蓮華温泉への山道に入ってからも、非常に遠く感じました。そんな時、北アの残雪が目に飛び込んでくると、胸高鳴るものがありました。蓮華温泉には、あのウォルター・ウェストンと地元の人達が一緒に温泉に入っている写真が飾ってあったりして、その頃の登山はどんなだったろうと思ったり、蓮華温泉はどんな様子だったのだろうと先人達の登山に思いを馳せました。



 露天風呂に脱衣所などはありませんので、昼間女性が入るには、やや抵抗があるかもしれません。もっとも、私たちが入っているときに女性二名がやってきたので、入っている私たちが驚いたわけですが!
 私の好きな本で、「山を愉しむ」という本があるのですが、著者の鳥賀陽貞子・恒正ご夫妻は、早朝学生さんたちが起き出さないうちに入浴したとあります。こんな謙虚(かつての日本人にはありました)さは、今の日本人には失われてしまったのでしょうか。

蓮華温泉~白馬山荘
 蓮華温泉を出発しほどなくすると、天狗の庭に着き、ここから雪を頂いた雪倉岳が姿を現し、ようやく北アルプスに来たことを実感するのです。


  天狗の庭より雪倉岳方面を望む

 天狗の庭以降は樹林帯の中の登りが続き、暑さは凌げますが、白馬大池まで展望のない我慢の登りが続きます。
 2000年以降、毎年2泊3日程度の山行を計画していますが、そのうち4回、台風や雨で中止になってしまいました。しかも、梅雨明け10日の天候が最も安定していると言われる時期に計画してです。これも温暖化の影響でしょうか。
 白馬大池に到着すると、真っ青な空に雲ひとつなかった素晴らしい天気も、ややガスってきてしまいました。

 
 チングルマ(バラ科)               クルマユリ(ユリ科)

 
 コマクサ(ケシ科)                 イワツメクサ(ナデシコ科)

 私たちは、白馬大池山荘で温かいコーヒーを飲み、白馬岳までの登りにそなえました。白馬大池周辺にはまだ、かなりの雪が残っているのです。
 途中、ガスってきたためか、歩道に雷鳥が姿を現しました。地面と同じような色なので分かりづらいかも知れませんが!下記の写真がそれです。



 
 チシマギキョウ(キキョウ科)            ミヤマアズマギク(キク科)

 私の足もやや疲れてきた頃、雪倉岳や朝日岳方面の展望が広がってきました。


 小蓮華山付近より雪倉岳方面を望む



 
ミヤマラッキョウ(うーん違っているかも・難しい) ヒメヨツバシオガマ(ゴマノハグサ科)

 ようやく白馬山荘に到着して飲んだ、冷えた生ビールの美味かったこと(ふだん私は、アルコールはほとんど飲まないのですが)。ところで、白馬山荘で眠りに着いた頃イヤなことがありました。ある登山者が大きなイビキをかきはじめたのです。それを聞いた、ある中年のご婦人と思われる方が、白馬山荘の係りの方に話して、たぶん、ふとん部屋のようなところに追い出してしまったのです。「私たちは明日の朝が早いんです」と言ってましたが、みんな早いと思うんですが!女性は強し。皆さん、耳栓を持参しましょう。


荷物運搬用のヘリが到着した所・ホヴァリングしたままで積み下ろし

白馬山荘~朝日小屋
 翌日も快晴に恵まれました。


 白馬岳付近より白馬山荘を見下ろす

 実は、白馬大池~白馬岳間は歩いたことがあったので、新鮮味は始めてのときほどありませんでした。しかし、今日の三国境~朝日岳は未知のルート楽しみです。


白馬岳は荒々しい一面を合わせ持っている


三国境付近より今日の宿、朝日小屋までのルートを見る(途中、雪倉岳を越えるが、肉眼では朝日小屋が鞍部に見えた)

 三国境付近には、ガレた斜面に、おびただしい数のコマクサが咲いていました。ただし、傍で写真を撮るのは困難です。


三国境より雪倉岳方面に下ったところで写す

 このあたりで、私と同じ会社に勤務している人達・3人組に遭遇。何故分かったかというと、なんと、我が社のネーム入りのシャツを着ていたのです。ネーム入りのシャツを着て、山に来るとはナー。同じ会社に勤務しているとは言えないじゃないっすか!ところが、この後悲劇が。この人達はすごい勢いで追い抜いていったのですが、その中の一人がひっくり返って、顔を擦りむいて血を流しているではないですか。我が岳友が、カットバンを張ったら、血が止まったのでたいしたことはなかったようですが!私は、山での様々な人間模様も面白いと思っています。

 
イブキジャコウソウ(シソ科)           タカネマツムシソウ(マツムシソウ科)

 
タカネバラ(バラ科)                ミヤマアケボノソウ(リンドウ科)


  キヌガサソウ(ユリ科)

 素晴らしい展望に恵まれた山行にも、やや食傷ぎみになってきたころ、朝日岳分岐に到着。思い起こせば白馬大池のハクサンコザクラもいっぱい咲いていたのですが、いい写真が撮れず、心残りとなってしまいました。ところで、朝日岳分岐付近で見たキヌガサソウは実にキレイでした。朝日岳分岐からは水平歩道を歩くか、朝日岳山頂経由で行くか考える所ですが、私たちは山頂経由で歩きました。それで良かったかも知れません。朝日岳山頂は、いかにも淋しげな、北の果ての頂に来たなーという感慨を抱かせるに充分でした。他に登山者は誰もいませんでした。
 朝日小屋を目指して下山し、まもなく小屋に着くというところで、遂ににわか雨に見舞われてしまいました。

朝日小屋~蓮華温泉
 朝日小屋は実に快適な小屋でした。布団はフカフカ、実に清潔で、なにより食事もおいしいのです。アルバイトの学生たちは、テントで寝泊りしていたのかも知れません。夜起きて外に出てみると、日本海に浮かぶ明かりが実にきれいに輝いていました。同じ部屋に泊まった方は山岳マラソンのランナーのようで、翌日、日本海(栂海新道経由かと)を目指して走っていきました。実に軽装で。


   オオサクラソウ(サクラソウ科)

 朝日小屋を後にし、五輪尾根に差し掛かった頃、一面のオオサクラソウには驚きました。しかし、かなり離れているため、いい写真は撮れませんでした。


  アカモノ(ツツジ科)

 朝日岳から下山し、沢に下りてから、蓮華温泉への登りはかなりキツかったです。しかし蓮華温泉につかりノンビリしていると、心地よい疲れは充実感に変わっていきました。




我が家に咲いたユウスゲの花

2008年07月21日 | 
 2年前に購入したユウスゲの花が、やっと咲きました。この花、夕方6時頃開花し、翌日の朝には、萎んでしまいます。皇后・美智子様もお気に入りとか、軽井沢に咲いていたのに、少なくなって嘆いておられたとか、聞いたことがあります。それにしても、一晩で散ってしまうとは!林芙美子の「浮雲」の冒頭の一節を思い出してしまいます。(花の命は短くて……)



 本にはレモンイエローの花と書いてありますが、まさにその色です。丈は1m余りあるでしょうか。

 榛名山の沼の原にはいっぱい咲くと聞いたことがありますが、なにしろ夕方に咲くので見に行っても、開花している花を見ることは難しいかも知れません。



 真ん中の花は、開花した花で、二度と開くことはありません。両脇の花が今晩開く花です。


浅草岳のヒメサユリ

2008年07月21日 | 
 浅草岳のヒメサユリに会いに、北関東道の太田・桐生インターから小出インターまで高速道路を利用し、行ってきました。我が家を4時15分に出発し、登山口に着いたのは7時15分、高速を下りてからも、けっこう時間がかかります。途中、魚沼市役所守門庁舎の前を通ったが、ここが「魚沼産コシヒカリ」の産地なのかと超有名ブランドの名前が浮かぶ。登山口まで片道200kmくらいあるようだ。朝早く到着したので駐車場にはそんなにいないだろうと思ったが、すでに10数台は止まっていた。皆さん早い。登山口近くなると心細くなるような、車のすれ違いにも難渋しそうな道なのだが、しかも、1部未舗装、全く手付かずの原始の森の中に駐車場がある感じなのだ。もっとも豪雪地帯ゆえ、森の手入れなど出来ないのかも!
 今日は足が重い、皮製の登山靴を履いてきたので。しかしこれは正解だった。登山道の上に水が溢れていたり、雪渓の上を横断したりするので!登山道は最初なだらかで、快調に進む。駐車場が木の間越しに見えたりして、順調に高度を稼いだことが分かる。しかし私のナマッた体は30分も歩くと、汗が吹き出してきた。道沿いにはおびただしい数のショウジョウバカマ、又、ウラジロヨウラクの蕾も愛らしい。
 「未知との遭遇」ならぬ「ヘビとの遭遇」には参った。しかも2度も。1度はシマヘビで、しばらくぶりに見たようなきがした。


 途中咲いていたゴゼンタチバナ

 展望の良い「嘉平与ボッチ」という小ピークに着いてガックリ、ガスッていて何も見えず。まあヒメサユリの見頃に登れたので良しとしよう。


 ガスッていて寒いくらいの尾根


 待望のヒメサユリが!

 しかし、こんな劣悪な自然環境のなかで、よく咲いているものだ。いっぱい群生している訳ではないので、なおさら貴重だ。他にもワタスゲやキンコウカ、ニッコウキスゲ、サワランなども咲いていた。これらもいっぱい咲いているわけではない。せまいエリアに咲いているので写真を撮ったりするには好都合ですが。

 

 7月20日現在でこんなに雪が残っていることに驚いてしまう。こわごわ、雪の上に足をのせると滑る。しかし、よく見ると踏み跡が見えたので、そこを歩くと、もうかなりの人が歩いているところなので大丈夫だった。


 浅草岳山頂

 山頂(1586m)まで2時間40分くらいかかってしまった。なにしろ花の写真がよく撮れない為、撮影にかなり時間を費やしてしまった。

 
 山頂直下に咲いていたタテヤマウツボグサ(この花には誰も見向きもしなっかった)

 私はなかなかキレイな花だと思い、写真をとりました。

 下山はネズモチ平登山口へ直接下るルートを利用しました。こちらは展望は全くありません。しかも急坂ときているので下山ルートとして利用するか、往路を下山したほうがいいかも知れません。しかしツワモノはいるものです。女性の単独登山者が登ってきたのです。二言三言、言葉を交わしましたが、新潟日報の天気予報を見て登ってきたと言っていたので、地元の方でしょう。上は寒いくらいだと言ったら、「それは何よりですよ」と言われてしまいました。


 下山後の駐車場の様子

 駐車場のそばにあるトイレだが、実にキレイに使われているのでビックりしてしまった。誰も掃除する人などいないはず、こういった場所で、トイレがキレイに使われているのは嬉しいかぎりです。

翌日、我が家の休耕田の草刈を1日中やっていたために、山登り以上に疲れてしまった。