以下は、2000年の7月末に蓮華温泉を起点に、周回ルートを歩いたときの写真(フィルムカメラで、いわゆるBAKAチョンカメラで撮った)です。
我が家から蓮華温泉までは遠い道のりでした。さらに、国道から蓮華温泉への山道に入ってからも、非常に遠く感じました。そんな時、北アの残雪が目に飛び込んでくると、胸高鳴るものがありました。蓮華温泉には、あのウォルター・ウェストンと地元の人達が一緒に温泉に入っている写真が飾ってあったりして、その頃の登山はどんなだったろうと思ったり、蓮華温泉はどんな様子だったのだろうと先人達の登山に思いを馳せました。
露天風呂に脱衣所などはありませんので、昼間女性が入るには、やや抵抗があるかもしれません。もっとも、私たちが入っているときに女性二名がやってきたので、入っている私たちが驚いたわけですが!
私の好きな本で、「山を愉しむ」という本があるのですが、著者の鳥賀陽貞子・恒正ご夫妻は、早朝学生さんたちが起き出さないうちに入浴したとあります。こんな謙虚(かつての日本人にはありました)さは、今の日本人には失われてしまったのでしょうか。
蓮華温泉~白馬山荘
蓮華温泉を出発しほどなくすると、天狗の庭に着き、ここから雪を頂いた雪倉岳が姿を現し、ようやく北アルプスに来たことを実感するのです。
天狗の庭より雪倉岳方面を望む
天狗の庭以降は樹林帯の中の登りが続き、暑さは凌げますが、白馬大池まで展望のない我慢の登りが続きます。
2000年以降、毎年2泊3日程度の山行を計画していますが、そのうち4回、台風や雨で中止になってしまいました。しかも、梅雨明け10日の天候が最も安定していると言われる時期に計画してです。これも温暖化の影響でしょうか。
白馬大池に到着すると、真っ青な空に雲ひとつなかった素晴らしい天気も、ややガスってきてしまいました。
チングルマ(バラ科) クルマユリ(ユリ科)
コマクサ(ケシ科) イワツメクサ(ナデシコ科)
私たちは、白馬大池山荘で温かいコーヒーを飲み、白馬岳までの登りにそなえました。白馬大池周辺にはまだ、かなりの雪が残っているのです。
途中、ガスってきたためか、歩道に雷鳥が姿を現しました。地面と同じような色なので分かりづらいかも知れませんが!下記の写真がそれです。
チシマギキョウ(キキョウ科) ミヤマアズマギク(キク科)
私の足もやや疲れてきた頃、雪倉岳や朝日岳方面の展望が広がってきました。
小蓮華山付近より雪倉岳方面を望む
ミヤマラッキョウ(うーん違っているかも・難しい) ヒメヨツバシオガマ(ゴマノハグサ科)
ようやく白馬山荘に到着して飲んだ、冷えた生ビールの美味かったこと(ふだん私は、アルコールはほとんど飲まないのですが)。ところで、白馬山荘で眠りに着いた頃イヤなことがありました。ある登山者が大きなイビキをかきはじめたのです。それを聞いた、ある中年のご婦人と思われる方が、白馬山荘の係りの方に話して、たぶん、ふとん部屋のようなところに追い出してしまったのです。「私たちは明日の朝が早いんです」と言ってましたが、みんな早いと思うんですが!女性は強し。皆さん、耳栓を持参しましょう。
荷物運搬用のヘリが到着した所・ホヴァリングしたままで積み下ろし
白馬山荘~朝日小屋
翌日も快晴に恵まれました。
白馬岳付近より白馬山荘を見下ろす
実は、白馬大池~白馬岳間は歩いたことがあったので、新鮮味は始めてのときほどありませんでした。しかし、今日の三国境~朝日岳は未知のルート楽しみです。
白馬岳は荒々しい一面を合わせ持っている
三国境付近より今日の宿、朝日小屋までのルートを見る(途中、雪倉岳を越えるが、肉眼では朝日小屋が鞍部に見えた)
三国境付近には、ガレた斜面に、おびただしい数のコマクサが咲いていました。ただし、傍で写真を撮るのは困難です。
三国境より雪倉岳方面に下ったところで写す
このあたりで、私と同じ会社に勤務している人達・3人組に遭遇。何故分かったかというと、なんと、我が社のネーム入りのシャツを着ていたのです。ネーム入りのシャツを着て、山に来るとはナー。同じ会社に勤務しているとは言えないじゃないっすか!ところが、この後悲劇が。この人達はすごい勢いで追い抜いていったのですが、その中の一人がひっくり返って、顔を擦りむいて血を流しているではないですか。我が岳友が、カットバンを張ったら、血が止まったのでたいしたことはなかったようですが!私は、山での様々な人間模様も面白いと思っています。
イブキジャコウソウ(シソ科) タカネマツムシソウ(マツムシソウ科)
タカネバラ(バラ科) ミヤマアケボノソウ(リンドウ科)
キヌガサソウ(ユリ科)
素晴らしい展望に恵まれた山行にも、やや食傷ぎみになってきたころ、朝日岳分岐に到着。思い起こせば白馬大池のハクサンコザクラもいっぱい咲いていたのですが、いい写真が撮れず、心残りとなってしまいました。ところで、朝日岳分岐付近で見たキヌガサソウは実にキレイでした。朝日岳分岐からは水平歩道を歩くか、朝日岳山頂経由で行くか考える所ですが、私たちは山頂経由で歩きました。それで良かったかも知れません。朝日岳山頂は、いかにも淋しげな、北の果ての頂に来たなーという感慨を抱かせるに充分でした。他に登山者は誰もいませんでした。
朝日小屋を目指して下山し、まもなく小屋に着くというところで、遂ににわか雨に見舞われてしまいました。
朝日小屋~蓮華温泉
朝日小屋は実に快適な小屋でした。布団はフカフカ、実に清潔で、なにより食事もおいしいのです。アルバイトの学生たちは、テントで寝泊りしていたのかも知れません。夜起きて外に出てみると、日本海に浮かぶ明かりが実にきれいに輝いていました。同じ部屋に泊まった方は山岳マラソンのランナーのようで、翌日、日本海(栂海新道経由かと)を目指して走っていきました。実に軽装で。
オオサクラソウ(サクラソウ科)
朝日小屋を後にし、五輪尾根に差し掛かった頃、一面のオオサクラソウには驚きました。しかし、かなり離れているため、いい写真は撮れませんでした。
アカモノ(ツツジ科)
朝日岳から下山し、沢に下りてから、蓮華温泉への登りはかなりキツかったです。しかし蓮華温泉につかりノンビリしていると、心地よい疲れは充実感に変わっていきました。
我が家から蓮華温泉までは遠い道のりでした。さらに、国道から蓮華温泉への山道に入ってからも、非常に遠く感じました。そんな時、北アの残雪が目に飛び込んでくると、胸高鳴るものがありました。蓮華温泉には、あのウォルター・ウェストンと地元の人達が一緒に温泉に入っている写真が飾ってあったりして、その頃の登山はどんなだったろうと思ったり、蓮華温泉はどんな様子だったのだろうと先人達の登山に思いを馳せました。
露天風呂に脱衣所などはありませんので、昼間女性が入るには、やや抵抗があるかもしれません。もっとも、私たちが入っているときに女性二名がやってきたので、入っている私たちが驚いたわけですが!
私の好きな本で、「山を愉しむ」という本があるのですが、著者の鳥賀陽貞子・恒正ご夫妻は、早朝学生さんたちが起き出さないうちに入浴したとあります。こんな謙虚(かつての日本人にはありました)さは、今の日本人には失われてしまったのでしょうか。
蓮華温泉~白馬山荘
蓮華温泉を出発しほどなくすると、天狗の庭に着き、ここから雪を頂いた雪倉岳が姿を現し、ようやく北アルプスに来たことを実感するのです。
天狗の庭より雪倉岳方面を望む
天狗の庭以降は樹林帯の中の登りが続き、暑さは凌げますが、白馬大池まで展望のない我慢の登りが続きます。
2000年以降、毎年2泊3日程度の山行を計画していますが、そのうち4回、台風や雨で中止になってしまいました。しかも、梅雨明け10日の天候が最も安定していると言われる時期に計画してです。これも温暖化の影響でしょうか。
白馬大池に到着すると、真っ青な空に雲ひとつなかった素晴らしい天気も、ややガスってきてしまいました。
チングルマ(バラ科) クルマユリ(ユリ科)
コマクサ(ケシ科) イワツメクサ(ナデシコ科)
私たちは、白馬大池山荘で温かいコーヒーを飲み、白馬岳までの登りにそなえました。白馬大池周辺にはまだ、かなりの雪が残っているのです。
途中、ガスってきたためか、歩道に雷鳥が姿を現しました。地面と同じような色なので分かりづらいかも知れませんが!下記の写真がそれです。
チシマギキョウ(キキョウ科) ミヤマアズマギク(キク科)
私の足もやや疲れてきた頃、雪倉岳や朝日岳方面の展望が広がってきました。
小蓮華山付近より雪倉岳方面を望む
ミヤマラッキョウ(うーん違っているかも・難しい) ヒメヨツバシオガマ(ゴマノハグサ科)
ようやく白馬山荘に到着して飲んだ、冷えた生ビールの美味かったこと(ふだん私は、アルコールはほとんど飲まないのですが)。ところで、白馬山荘で眠りに着いた頃イヤなことがありました。ある登山者が大きなイビキをかきはじめたのです。それを聞いた、ある中年のご婦人と思われる方が、白馬山荘の係りの方に話して、たぶん、ふとん部屋のようなところに追い出してしまったのです。「私たちは明日の朝が早いんです」と言ってましたが、みんな早いと思うんですが!女性は強し。皆さん、耳栓を持参しましょう。
荷物運搬用のヘリが到着した所・ホヴァリングしたままで積み下ろし
白馬山荘~朝日小屋
翌日も快晴に恵まれました。
白馬岳付近より白馬山荘を見下ろす
実は、白馬大池~白馬岳間は歩いたことがあったので、新鮮味は始めてのときほどありませんでした。しかし、今日の三国境~朝日岳は未知のルート楽しみです。
白馬岳は荒々しい一面を合わせ持っている
三国境付近より今日の宿、朝日小屋までのルートを見る(途中、雪倉岳を越えるが、肉眼では朝日小屋が鞍部に見えた)
三国境付近には、ガレた斜面に、おびただしい数のコマクサが咲いていました。ただし、傍で写真を撮るのは困難です。
三国境より雪倉岳方面に下ったところで写す
このあたりで、私と同じ会社に勤務している人達・3人組に遭遇。何故分かったかというと、なんと、我が社のネーム入りのシャツを着ていたのです。ネーム入りのシャツを着て、山に来るとはナー。同じ会社に勤務しているとは言えないじゃないっすか!ところが、この後悲劇が。この人達はすごい勢いで追い抜いていったのですが、その中の一人がひっくり返って、顔を擦りむいて血を流しているではないですか。我が岳友が、カットバンを張ったら、血が止まったのでたいしたことはなかったようですが!私は、山での様々な人間模様も面白いと思っています。
イブキジャコウソウ(シソ科) タカネマツムシソウ(マツムシソウ科)
タカネバラ(バラ科) ミヤマアケボノソウ(リンドウ科)
キヌガサソウ(ユリ科)
素晴らしい展望に恵まれた山行にも、やや食傷ぎみになってきたころ、朝日岳分岐に到着。思い起こせば白馬大池のハクサンコザクラもいっぱい咲いていたのですが、いい写真が撮れず、心残りとなってしまいました。ところで、朝日岳分岐付近で見たキヌガサソウは実にキレイでした。朝日岳分岐からは水平歩道を歩くか、朝日岳山頂経由で行くか考える所ですが、私たちは山頂経由で歩きました。それで良かったかも知れません。朝日岳山頂は、いかにも淋しげな、北の果ての頂に来たなーという感慨を抱かせるに充分でした。他に登山者は誰もいませんでした。
朝日小屋を目指して下山し、まもなく小屋に着くというところで、遂ににわか雨に見舞われてしまいました。
朝日小屋~蓮華温泉
朝日小屋は実に快適な小屋でした。布団はフカフカ、実に清潔で、なにより食事もおいしいのです。アルバイトの学生たちは、テントで寝泊りしていたのかも知れません。夜起きて外に出てみると、日本海に浮かぶ明かりが実にきれいに輝いていました。同じ部屋に泊まった方は山岳マラソンのランナーのようで、翌日、日本海(栂海新道経由かと)を目指して走っていきました。実に軽装で。
オオサクラソウ(サクラソウ科)
朝日小屋を後にし、五輪尾根に差し掛かった頃、一面のオオサクラソウには驚きました。しかし、かなり離れているため、いい写真は撮れませんでした。
アカモノ(ツツジ科)
朝日岳から下山し、沢に下りてから、蓮華温泉への登りはかなりキツかったです。しかし蓮華温泉につかりノンビリしていると、心地よい疲れは充実感に変わっていきました。