

諏訪市上諏訪茶臼山に鎮まり坐す「諏訪大社上社」の末社で、旧社格「県社」神社本庁「別表神社」の神社だ。
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祭神は「諏訪大社」の祭神「建御名方命(たけみなかたのかみ)」祖神「須佐之男命/素戔嗚尊(すさのおのみこと)」の妃神「奇稲田姫(くしなだひめ)」の母神とされる「テナヅチ(古事記では『手名椎命』日本書紀では『手摩乳命』)」で、「建御名方命」に随従したとされるが、「建御名方命」以前より信仰されていたともいう。
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社の縁起については不明だというが、旧石器時代からの遺跡「手長丘遺跡」や「茶臼山古墳群」がある当地一帯の土地の守り神「産土神(うぶすながみ)」として古くから信仰を集めた境域で、現在も境内社「御頭御社宮司(おんとうみしゃぐじ)社」が鎮まっている。「ミシャグジ」とは諏訪地域で起こり、関東・近畿地方にまで及んだ民間信仰で祀られる精霊をいうが、まだ解明されていないことも多いという。
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古くは「手長宮」と呼ばれ、鎌倉時代以降は「下桑原郷」の鎮守となったが、1591(天正19)年の「高島城」築城後は、その鬼門に位置することから「諏訪高島藩」家中の鎮護神として崇敬されたという。
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「拝殿」は「諏訪大社 下社秋宮」の「幣拝殿」造営で名声を高めた立川流初代「立川和四郎富棟(たてかわわしろうとみむね)」が、1788(天明8)年に44歳で建築に取り組んだという。当地が生んだ宮大工の名跡を知るうえでも、神詣でしたい社といえるだろう。



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