フランス北西部「Basse-Normandie(ノルマンディー地域圏)」の首府「Rouen(ルーアン)」は、パリ「Gare Saint-Lazare(サン・ラザール駅)」から、SNCF(フランス国鉄)Intercités(アンテルシテ/在来線特急列車)約1時間20分で、その「Gare de Rouen(ルーアン駅)」からは徒歩約12分、「Cathédrale Notre-Dame de Rouen(ルーアン大聖堂)」からは徒歩約8分で、「Le Bûcher de Jeanne d’Arc(ジャンヌ・ダルク火刑場跡)」に至る。
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「Jeanne d’Arc(ジャンヌ・ダルク)」(1412年~1431年)は、フランスを戦場にイングランドとフランスの間で、1337年~1431年に断続的に行われた「百年戦争」後期に、救国の神託を受けたとして、フランス軍に従軍し、イングランドと戦った国民的ヒロインだ。捕らえられてイングランド軍に引き渡され、宗教裁判で「異端」の判決を受けて、ここ「Place du Vieux-Marché(ヴィエ・マルシェ広場)」において、19歳で焚刑に処せられたという。
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ローマ教皇「Calixtus Ⅲ(カリストゥス3世)」(1378年~1458年)の命による 1456年の復権裁判で、「無実」と 信仰ゆえの迫害を受けて死ぬ「殉教」が宣言され、その後1909年には 信仰と徳により死後に崇敬の対象となる「福者」の地位に並ぶ「列福」に、1920年に 信仰の規範になるにふさわしいとして「福者」が死後に教皇の宣言により「聖者」に列せられる「列聖」にされたという。
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ここ「Le Bûcher de Jeanne d’Arc(ジャンヌ・ダルク火刑場跡)」への往訪は、建立されている巨大な十字架による鎮魂もさることながら、折しも小雨勝ちの天を仰いで、人間が背負う過酷で闘争に走る業に相変わらず支配され続けることへの愁傷を、嘆じているかと感じ入る時間になった。