A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

気楽に聴けるのは“自然体”

2007-04-21 | CONCORD
THE RUBY BRAFF & GEORGE BARNES QUARTET PLAYS GERSHWIN

何も飾らぬスッピンの美人。これに本当の女性の美しさを感じるのかもしれない。
確かにきれいに着飾って、一分の隙も見せない女性も確かに憧れだが。
本当はすごく人間臭く、変な気負いも無く、生身の肌感覚を感じるのがJAZZの素晴らしさ、女性と同じだ。

しかし、時代の進化と伴に、段々生の音が聴けなくなって来た。楽器が電子化されただけでではなく、録音技術の進歩し、電気的な加工が施されるようになってきた。単に編集してカットしたりするだけでなく、簡単にオーバーダビングできたり、イコライジングしたり、原音とは全く違う美しい音を聴かされることが多い。

入念に化粧を施されたレコードが多くなってきた中Concordレーベルが登場し、その音を聴いた時、そこに自然体の優しさに安らぎを感じることが多かった。
プレー自体は、熱っぽく行われているにも関わらず。

このアルバムも、録音されたテープから、何の加工もなくダイレクトにレコードにカッティングされたらしい。相変わらず、“自然体”の生の楽器の美しい音色が、ライブ録音特有の会場の雰囲気と共に聞えてくる。

Concordは基本的にギター好きだ。5作目も新しいギタリストが登場する。
今回は、George Barnesだ。
いわゆるアンダーレイテッドのプレーヤーだろう。GRADY TATEと同じで、元々スタジオワークが多かった。ブルース歌手の伴奏などで。
しかし、いわゆる電気ギターを使い出した内の一人らしい。そしてシングルトーンを使い出したのもチャーリークリスチャンより早かったとも。

ここでは、コルネットのルビーブラフとのコンビ。ドラム&ピアノレス。もう一本のギターとベースのカルテットという変則編成。
この頃、2人は、その双頭コンボでプレーをしていた。
ルビーブラフは、ディキシー、スイング系のコルネット。

リズムを刻むドラムも無く、バンド全体の音を引き立たせるピアノが無くとも、スインギーなサウンドが響き渡る。
「楽器の組み合わせは何でもいいのさ。俺たちは一人でもスイングできるんだぜ。何人か集まればなおさらだよ。」とでもいいたげな演奏だ。

曲はガーシュインの作品集。レコード化を意識したのかどうかは分からないが、ジャズフェステバルのプログラムで、作曲家の作品集をやるもの珍しい。

会場は、1974年のコンコルドジャズフェスティバル。
「GUREAT GUTARS」の登場とは同じ年だ。
1972年に復活したJATPをきっかけに誕生したPABLOレーベルも、この頃活動を本格化。
綺麗に化粧を施されたフュージョンが時代の寵児になって来たときに、「素顔の美人」を追い求めた2つのレーベルも元気になりだした。
“自然体のJAZZ”の復活をかけて。

1. 'S Wonderful
2. I Got Rhythm
3. They Can't Take That Away from Me
4. Nice Work If You Can Get It
5. Somebody Loves Me
6. But Not for Me
7. Summertime/Bidin' My Time
8. Love Walked In
9. Embraceable You
10. Liza (All the Clouds'll Roll Away)

Ruby Braff (cor)
George Barnes (g)
Wayne Wright (b)
Michael Moore (g)

Recorded Live at Concord Jazz Festival,July,26,1974
コメント
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