A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

歌伴をやると歌心が伝わるのか?

2007-04-23 | MY FAVORITE ALBUM
CRAZY AND MIXED UP / SARAH VAUGHAN

一曲目に針を落とすと、サラボーンの円熟した歌声が、ジョーパスのギター、そして、ローランドハナのメロディーの間を美しく軽快に飛び跳ねるピアノが。
ハナのピアノが、サラのバックにぴったり収まる。

ハナは、若い頃サラのバックを務めたそうだ。歌手との共演は自然と歌手の心が伝わるのか、この経験がハナの歌心のあるプレーの一面を作ったのかもしれない。
何年かぶりの共演だったかもしれないが、ハナのピアノはいつにも増して輝いている。

どれをとってもノーマルだし、まともだし。
何がクレージーで、混乱しているのか?
アルバムのタイトルの意味が、浅学の自分にとっては分からない。
これぞ、JAZZ VOCALのスタンダードといった雰囲気だ。

3曲目の枯葉になると一転これは普通の解釈ではない。
ジャズの世界ではマイルスとかエバンスとか名演が多い。
かなりのアップテンポのスキャットで始まり、パスのソロを挟んでそのまま最後まで一気にスキャットで駆け抜ける。
いつもの、物悲しげな雰囲気の「枯葉」の雰囲気はない。
これも、JAZZ VOCALのひとつの姿。

そして、ボサノバのリズムに乗った、ジアイランド。
ハナのオリジナルのシーズンズは、まさに季節の移り変わりを感じさせるような叙情的な美しい曲。
最後は、ハナとのDUOで、「美しすぎるあなた」をじっくりと聞かせる。

このアルバムはサラが自分でプロデュースした一枚。
プロデューサーとなると、選曲、伴奏者、アレンジ、そしてアルバム作りまで、何から何まで自分で決められる。
もしかしたらアルバムタイトルの意味は、限られたアルバム一枚分の録音の中で、サラが自分の想いをすべて出しきろうとして「混乱状態」にあったということかもしれない。
一曲毎に、サラの色々な側面が垣間見られる、名盤であることには間違いないが。

このアルバムの録音は1982年。
ちょうどCDが初めて世に出た年の録音。アナログレコードの時代の終盤の録音。素晴らしい音でとられている。
先日ある記事を見ていたら、CDには寿命があって20~30年しかもたないような事が書いてあった。
何十年も前のレコードが立派な音で再生されているのに、もしもCDがあと10数年して寿命を迎えて再生できないような事態になったら?
そんなことが起こらないことを願うしかない。

I Didn't Know What Time It Was
That's All
Autumn Leaves
Love Dance
The Island
In Love In Vain
Seasons
You Are Too Beautiful

Roland Hanna (p)
Joe Pass (g)
Andy Simpkins (b)
Harold Jones (d)
Sarah Vaughan (vo)

Hollywood, CA, March 1 & 2, 1982
コメント (2)
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