A DAY IN THE LIFE

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次世代テレビ放送はどうなるか? (14) たかがテレビ番組表、されどテレビ番組表

2011-09-24 | Weblog
何を頼りに番組を探してテレビを見るかといえば、長い間新聞のテレビ欄が主流だった。自分も子供の時から朝新聞を読む習慣がついていたが、見るところはテレビ番組欄とスポーツ欄であった。レギュラー番組だと局と放送時刻は決まっている。したがって、いつも見ている番組以外に何か面白そうな番組を探すのにテレビ番組表は不可欠であった。特に、4月、10月の番組改変期だと、新番組を探したり、特番を探したりいつもより丹念に番組探しをした。テレビ欄を見ながら今日見たい番組に○をつけるのが日課の人も多い。日々の生活で番組表は長年無くてはならないものであった。

ビデオレコーダーが世の中に普及して、テレビ番組欄の見方が少し変わった。それまでは、見たい番組があってもその時間テレビの前に座れないと結局テレビを視れない。見たい番組を必ず見るためには、テレビを中心に予定を組んだものだ。ビデオが家に入ると、番組表を見て、録っておきたい番組、見たい番組を予約するようになった。その予約設定が最初は結構面倒だった。ラジオのエアチェックを良くしていた自分にとってはそれ程苦にはならなかったが機械音痴の人には結構ハードルが高かったように思う。それで簡単録画の機能が色々工夫されたが、その内Gコードなるものが登場し各社のビデオに機能が搭載されるようになった。導入してまもなく1993年には殆どの新聞のテレビの番組欄にGコードが載るようになった。コードを打ち込む手間はあるが、とりあえず一発録画が実現され、このGコード利用は結構普及したように思う。しかし、Gコードはコードで番組を指定するのではなく、単に局と時間を指定する機能なので、ナイター延長で放送時間が延びると違う番組が録画されていたということは良くあった。そのGコードもテレビ放送がデジタル化されてお役御免になった。

Gコードに代わるものとしてアナログ放送時代にGガイドなるものが登場した。いわゆる電子番組表(EPG)である。それまでは、新聞のテレビ欄、さらには番組情報をより詳しく紹介するためにTV番組紹介雑誌など、紙の番組表であったが、この番組表を電子化して、テレビやパソコンなどに表示するようにしたものがEPGである。テレビ画面で番組表を見るのは決して便利とはいえないが、録画機能とこの番組表が連動すると結構便利であった。パソコンにテレビチューナーが搭載されると、このEPGが表舞台に登場した。アナログ放送の時代はこのGガイドがEPGのディファクトになったが、そこに至るまでには特許を絡めた熾烈な競争があった。これはEPGが、次世代のテレビサービスを睨んだ戦略の入口であったからだろう。今のデジタル放送は放送の仕様に中にEPGの仕様も既定されているので、どのメーカーのテレビでも基本的に局から提供される番組情報を見ることができる。Gガイドもデジタル放送対応になったが、基本仕様のEPGと差別化するには新たな付加価値サービスが必要になってきている。

そもそも、テレビ番組欄の情報はあの狭いスペースに必要情報がよく整理されて詰め込まれている。EPGの番組情報の中身は基本的に紙と同じであるが文字数の制約などがある。多くの人は、あくまでも番組情報の詳細を見るのではなく、このEPG機能を利用して番組表を見ながら、チャンネル切替や録画ができるという機能に便利さを感じていると思う。

このように紙からEPGに形態は変化し使われ方も変わってきたが、番組表の基本構造は、放送日、放送局、そして放送時間を表にしたもの。つまり、これは、放送局の番組編成いわゆるタイムテーブルを表したものである。つまり、時間を決めてプッシュ型で番組を提供するという放送の基本構造を視聴者にどうやって伝えるかという手段であった。リアルタイム放送を視聴するのであれば、それを逃すと2度と見れないので、この時間軸は非常に重要であった。しかし、タイムシフトで番組を視聴する習慣が一般的になってくると、この時間軸を重視した番組表は意味を成さなくなってくる。EPGの形態も変わってくるが、実は、この放送時間で番組を編成することがこれまでの放送局のビジネスモデルそのものなので、次世代のテレビ放送と現在のテレビ放送の相克の本質はここにある。
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