7年ほど前に、プロマジシャンの藤山新太郎さんがとあるコンテストの審査員をしていらした時におっしゃっていました。
「腕時計がマジックに不要なら、着けたまま出演しないように」
ショー形式でマジックを見せる場合、マジシャンは用意された出演時間内でパフォーマンスを終わりにするために、演技中でも時間の確認ができるように、時計を見たくなります。
しかし、腕時計を着けたままお客様の前に出ると、腕時計が余計な注意を惹いてしまい、お客様の注目する対象が増えて負担になったり、更には注意を惹きたい現象の瞬間に、つい視線が逸れてしまったりします。
そういった意味で、腕時計を外すようにおっしゃったのだと思います。
会場の壁などに時計があり、運良くマジシャンの側から時計が見えれば、単に腕時計を外して出れば良いのですが、そうでない場合(時計が無い・あっても見えないなど)も多々あります。
その場合には、100円ショップなどで小さな時計を用意して、テーブルに置く、カバンの中に吊るすなどして、自分にだけ見える場所に用意しておきます。
持ち時間が5分程度で短く、音楽を流しながら演じて、その曲の尺でピタリと終わりにする場合などは、あまり心配はいらないかと思いますが、人前に出ると時間の感覚がズレたり、予期せぬトラブルで時間かかったりしてしまうことがありますので、“備え”として時計が確認できるように事前の準備は有効だと思います。
もし、マジックのパフォーマンスの中で時間を計るセリフや時刻を気にする動作をなど入れるマジックでしたら、もちろん腕時計を着けたまま出演するのは良いと思います。(トミーワンダー氏とか)
ただし、演技に腕時計が不要でしたら、お客様にマジックをしっかり見ていただくためにも、他に時間を確認できる手段を確保して、事前に腕時計は外して出演することが必要だと思います。