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先祖を探して

Vol.188 「世之主かなし由緒書」に続きがあった!?


1850年3月、宗家7代目当主であった「平安統惟雄」は、当家が北山王の次男の子孫であること、そしてそれに関わる代々伝わる伝承を『世乃主の御由緒書』と題してその内容を記録しております。
その古文書は島の本家に保管されており、島の歴史を伝える数少ない古文書として貴重だとされ、1967(昭和42)年4月10日には和泊町の指定文化財となっております。

この古文書は172年前に書かれておりますが、古文でしかも草書体で書かれておりますので、普通には読めません。そこで、1953(昭和28)年3月に親族会でご先祖調査を任されていた義経爺さまが複写と解読を依頼されて、それを記録した物が残っております。
この古文書の解読はこの1953(昭和28)年になされたと伝わっていたのですが、私は調査の過程で先日驚くべきことを2つ発見致しました。


1つめの発見

解読についてですが、お爺さまが解読したとされる昭和28年よりもっと以前の1921(大正10)年に発行された『奄美大島史:坂口徳太郎著』の中に、解読文が掲載されていたのです。気になってその頃に発行された文献を調べてみましたが、2年前の1919(大正8)年発行の『沖縄県国頭郡志:島袋源一郎 [編]』にも同様に掲載されていました。
大正時代のこの頃は、琉球・奄美地方の歴史研究が盛んになってきた時代だったようで、この時代の有力な先生方が研究の内容を書籍にして発行されています。坂口先生は愛媛県のご出身で、1916(大正5)年から4年間、奄美大島の県立大島中学校の地歴担当教員として赴任されたようです。その滞在中の1918(大正7)年8月にお書きになられ、戦争中ということもあり2年後の1921(大正10)年に書籍が発行されたようです。当時の研究者であった民俗学者の柳田国男氏や伊波普猷氏からも大変に支持された本であったようです。

しかし、なぜ沖永良部出身ではない、しかも親族でもない方が、当家の古文書の内容を翻訳をすることができたのか? 当時は当家に保管されている品々は門外不出と言われていたはずです。そこは大変な謎です。

ちなみにこの大正時代に書かれた本は、「国立国会図書館デジタルコレクション」で発見致しました。自宅からPCやスマホなどで簡単に閲覧できますので、先祖調査をされている皆様方も活用されています。


『世之主の御由緒書』には続きがあった!?

現存している由緒書は、実は解読されているものを100%とすると全体の三分の二が欠落していると言われています。しかし下書きと思われる物も存在しており、それを合わせるともう少し多く現存しております。

この古文書には、本文の後に巻末補遺があり、その箇所は途中で書き終わっているような感じであり、何か続きがあったような形跡はあります。
しかしこの件については、これまで特に言及はしてありませんでしたので、私も特に気に留めていなかったのですが、上記の坂口先生の著書になんとその続きの内容が書かれていたのです。
その続きの内容というのが、本の中にはこのように書かれています。

一.・・・世の主後の島主(一名首里の主)
二.・・・西世の主(童名 思太郎)
三.・・・安佐珍(童名 思しょ戸)*「しょ」の文字はのぎへんですが古い字で判別できない
四.・・・首里之主(童名 思鎌戸)

このように書かれているだけですので、他にも説明などが書かれていたのかは不明なのですが、当家の古文書にこのような記述があったということなのです。
私はこの記述に関しては大変重要なことだと考えています。これらの人物については、徳之島にある古文書にも記録されており、沖永良部島や徳之島の歴史を紐解くためのキーパーソンになる方々です。
しかも4つ目の思鎌戸については、当家のご先祖様の可能性がある人です。
当家の記録上のご先祖様より更に前の世代の方になるわけで、その方とどのように繋がっていたのか?
とても知りたいです。どこかにその紛失したと思われる古文書の断片が残っていないのか?

ちなみに、この坂口先生の本について何か情報をお持ちでないかと、奄美郷土研究会の方に問い合わせしたところ、本の詳細は分かりかねますが、この先生は本土と比較しながら奄美の歴史を書いた第一人者の方で、書いてある内容についてはかなり信頼性が高いとおっしゃっていました。
当家の古文書に書かれていたというこの内容も、かなり信頼性があるとのこと。ますます詳細が知りたくなりました。

この件については、現在関係者に確認をお願いしているところです。
詳細が分かりましたら、また続きを書きたいと思います。






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コメント一覧

いしゐのぞむ
今晩は。電子メール返信しました。往復で長くなってるので、
自動的に彈かれてゴミ箱行きかも知れないので、
こちらでもお知らせします。
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