神無月には知る人ぞ知る物語があります。
今年はまず、制作者の意図を探ることによって、作品の表現せしめたいものを明らかにしたいと思っています。うっかり、制作者の意図を裏切っているようなことを書くのがお約束だったりしますが、ははは。そもそも創り手というものは、ファンを踊らせて惑わすようなことを言うのが好きなものなので、話半分に聞いておくのがいいのでしょうね。
国内で人気を集めたアニメや漫画の原画展や資料を、百貨店やミュージアムなどで展示するという傾向が、ここ近年で高まっています。アニメはDVDのみならず、コミカライズや小説でアナザーストーリーを楽しんだりことはもとからありましたが、原画や絵コンテなど制作者の資料がファン向けの出版ではなく、多くの人が足を運ぶパブリックスペースで展観されるというのは、喜ばしいことですね。しかし、数年前には当時の麻生太郎首相の肝煎りで提案された「アニメの殿堂」建設が立ち消えになった一件(アニメの殿堂、その賛否(三)で私も反対の声をあげたひとりではありましたが)もあり、またアニメ作品についても濫造が目立っており、文化として支えるにはなかなか厳しい局面に立たされていると言えます。
アニメ「神無月の巫女」には公式に商業出版されたガイドブックのようなものは、残念ながらありません。が、しかし、制作現場の空気が読みとれる興味深い資料がいくつか残されています。その第一となるものが、すでに紹介してきました旧版DVDの解説ブックレットですね。カラー印刷でひじょうに瀟酒なつくりとなっています。じつはアニメのDVDを購入したのは本作がはじめて(しかもおまけ目当てにDVD-BOX版まで購入)だったのですが、アニメ作品の附属冊子がこんなに美しい装丁であったことに、ひじょうに感慨を覚えたものです。姫子と千歌音のポエムに、ぞんぶんに泣きます。
資料の第二となるものが、『神無月の巫女原画集』。
この資料集、私が入手したのは2006年あたりなのですが、奥付によりますと発売は2005年8月となっています。当時の価格は1500円だったはず。たしか、2007年か08年ぐらいに原作者の介錯先生が在庫を直接通販されたので、手にとられた方もいらしゃったのでは。こちらも中身の装丁がなかなか凝っていまして、一部誤字があるのが惜しまれますが、こだわりのある逸品です。
資料の第三となるものが、『神無月の巫女キャラクター&メカ設定資料集完全版』。
原画集とおなじく、作画監督・キャラクターデザインの藤井まきさんの表紙でおなじみ。藤井まきさんがいなければ、美しい姫子と千歌音はいなかった、と言ってもいいくらい。ちなみに完全版ではない、アニメイトのムック版の資料集というのも先駆けて販売されていたようです。こちらは私は持っていません。
資料の第四となるものが、『神無月の巫女絵コンテ集』。
じつはこちら、私、入手しておりません。絵コンテといいますのは、完成された下書きではなく、クロッキーのような殴り書きで、絵よりも演出の指示などを残すものですから、当時の私には魅力的に映らなかったんですよね。こちらの表紙は総監督で演出責任者の柳沢テツヤ監督によるもののようです。ところで、柳沢監督はウェブノベル「姫神の巫女」でもイラスト描かれてるんじゃないかと思うのですが。
資料の第五といいますか、最大の資料となりえたのが、原作漫画家の介錯先生のホームページ。現在は残念ながら工事中なのですが、ファンとの交流掲示板があったりして、制作裏話や出版物にはない裏設定なども明かされていたようです。リアルタイムですべて読んでいたわけではないのですが、もう一度読んでみたいものですね。以前はブログでファンサービスのイラストも発表されていらしたのですが、ここ最近は音沙汰ないようです。
それと資料にふくめていいのかどうかわかりませんが、原作者さんが出していたという公式オリジナルパロの同人誌にも、おそらく制作秘話のようなものがあったのでは、と思われます。思われる、と書いたのはじつは同人誌を買ったことがない(この原作者先生の場合、公式で思いっきり堂々とパロディしてくださるので、むしろ表市場にしか縁のない読者には親切というべきか)からなのですが…。同人誌って昔、アンソロジーなどは買ったことがあるんですけれど。個人刊行のものは、本編(たいがい狙いドコロが似たものなので(艶笑))よりも、むしろ制作者のあとがきのほうが笑えたりするんですよね。
上記の絶版の資料、たまにオークションで高値で売られていますね。
余談ですが、そのオークションに原画どころか、シナリオまで出品されていたりするんですが関係者さんなのでしょうか…。声優さんとか、制作者のサインとかあればプレミアつきそうですね。某魔法少女アニメの劇場版で、セル画が数回めの来館者に特典でプレゼントされていたらしいのですが。版権があるので、描いた方はあれ自由にならないんでしょうかね。資料の散逸が気になったりしますが…。
【神無月の巫女レヴュー&関連記事の一覧】
今年はまず、制作者の意図を探ることによって、作品の表現せしめたいものを明らかにしたいと思っています。うっかり、制作者の意図を裏切っているようなことを書くのがお約束だったりしますが、ははは。そもそも創り手というものは、ファンを踊らせて惑わすようなことを言うのが好きなものなので、話半分に聞いておくのがいいのでしょうね。
国内で人気を集めたアニメや漫画の原画展や資料を、百貨店やミュージアムなどで展示するという傾向が、ここ近年で高まっています。アニメはDVDのみならず、コミカライズや小説でアナザーストーリーを楽しんだりことはもとからありましたが、原画や絵コンテなど制作者の資料がファン向けの出版ではなく、多くの人が足を運ぶパブリックスペースで展観されるというのは、喜ばしいことですね。しかし、数年前には当時の麻生太郎首相の肝煎りで提案された「アニメの殿堂」建設が立ち消えになった一件(アニメの殿堂、その賛否(三)で私も反対の声をあげたひとりではありましたが)もあり、またアニメ作品についても濫造が目立っており、文化として支えるにはなかなか厳しい局面に立たされていると言えます。
アニメ「神無月の巫女」には公式に商業出版されたガイドブックのようなものは、残念ながらありません。が、しかし、制作現場の空気が読みとれる興味深い資料がいくつか残されています。その第一となるものが、すでに紹介してきました旧版DVDの解説ブックレットですね。カラー印刷でひじょうに瀟酒なつくりとなっています。じつはアニメのDVDを購入したのは本作がはじめて(しかもおまけ目当てにDVD-BOX版まで購入)だったのですが、アニメ作品の附属冊子がこんなに美しい装丁であったことに、ひじょうに感慨を覚えたものです。姫子と千歌音のポエムに、ぞんぶんに泣きます。
資料の第二となるものが、『神無月の巫女原画集』。
この資料集、私が入手したのは2006年あたりなのですが、奥付によりますと発売は2005年8月となっています。当時の価格は1500円だったはず。たしか、2007年か08年ぐらいに原作者の介錯先生が在庫を直接通販されたので、手にとられた方もいらしゃったのでは。こちらも中身の装丁がなかなか凝っていまして、一部誤字があるのが惜しまれますが、こだわりのある逸品です。
資料の第三となるものが、『神無月の巫女キャラクター&メカ設定資料集完全版』。
原画集とおなじく、作画監督・キャラクターデザインの藤井まきさんの表紙でおなじみ。藤井まきさんがいなければ、美しい姫子と千歌音はいなかった、と言ってもいいくらい。ちなみに完全版ではない、アニメイトのムック版の資料集というのも先駆けて販売されていたようです。こちらは私は持っていません。
資料の第四となるものが、『神無月の巫女絵コンテ集』。
じつはこちら、私、入手しておりません。絵コンテといいますのは、完成された下書きではなく、クロッキーのような殴り書きで、絵よりも演出の指示などを残すものですから、当時の私には魅力的に映らなかったんですよね。こちらの表紙は総監督で演出責任者の柳沢テツヤ監督によるもののようです。ところで、柳沢監督はウェブノベル「姫神の巫女」でもイラスト描かれてるんじゃないかと思うのですが。
資料の第五といいますか、最大の資料となりえたのが、原作漫画家の介錯先生のホームページ。現在は残念ながら工事中なのですが、ファンとの交流掲示板があったりして、制作裏話や出版物にはない裏設定なども明かされていたようです。リアルタイムですべて読んでいたわけではないのですが、もう一度読んでみたいものですね。以前はブログでファンサービスのイラストも発表されていらしたのですが、ここ最近は音沙汰ないようです。
それと資料にふくめていいのかどうかわかりませんが、原作者さんが出していたという公式オリジナルパロの同人誌にも、おそらく制作秘話のようなものがあったのでは、と思われます。思われる、と書いたのはじつは同人誌を買ったことがない(この原作者先生の場合、公式で思いっきり堂々とパロディしてくださるので、むしろ表市場にしか縁のない読者には親切というべきか)からなのですが…。同人誌って昔、アンソロジーなどは買ったことがあるんですけれど。個人刊行のものは、本編(たいがい狙いドコロが似たものなので(艶笑))よりも、むしろ制作者のあとがきのほうが笑えたりするんですよね。
上記の絶版の資料、たまにオークションで高値で売られていますね。
余談ですが、そのオークションに原画どころか、シナリオまで出品されていたりするんですが関係者さんなのでしょうか…。声優さんとか、制作者のサインとかあればプレミアつきそうですね。某魔法少女アニメの劇場版で、セル画が数回めの来館者に特典でプレゼントされていたらしいのですが。版権があるので、描いた方はあれ自由にならないんでしょうかね。資料の散逸が気になったりしますが…。
【神無月の巫女レヴュー&関連記事の一覧】