いまさらのいまさらで恐縮ですが、やっとこさ観れました。
映画「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's」。
キャッチコピーは「―傷つく事は怖くない。あの笑顔を、失わずにすむのなら」。
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全国ロードーショーは2012年7月14日。
2年前になるんですね。まるでつい昨日のことのようで。この年の夏はいろいろありまして、まったくこれどころではなかったもので。そもそもナイショの趣味で劇場に行くことはできない低級オタクなので(笑)。
プレシア・テスタロッサ事件から数箇月。時空管理局での裁判が終わり、あらためて地球での新生活をスタートさせたフェイトちゃん。例の女囚人みたいな地味なコートは出所後ってことか?(謎)。大親友なのはと同じ学校に通い、旧交を温め合います。どのように温めたかは、ご想像にお任せいたします(うふふ♥)。しかし、まもなく、魔導師狩りをおこなう騎士一味に襲われることになり…。まったく好事魔多しってやつですね。
かさねて説明するまでもないですが、今回はTVシリーズ第二期の劇場版リメイク。
となれば八神はやてちゃん率いるはやてファミリーことヴォルケンリッターたちのお話。ヒロインふたりの微笑ましい関係にくわえ、はやてのお母さんっぷりや、騎士たちとの主従愛や、見どころはテレビ版そのままに。ただし、細かい改変はありますね。
前作映画ではとにかく永遠のライバルにして大親友なのはとフェイトの真剣勝負が見ものでしたが、今回は全十三話にちりばめられた騎士たちとなのはチームとの1on 1バトルの旨味がやや薄れた気がしますね。なのはとヴィータはまあいいとして、シグナム対フェイト戦ですとか。「友だちだ」や「悪魔でいいよ」の名台詞もややインパクトに欠けてしまったような印象。バトルはあったのですが、全体的にやんわりとした心の交流に重きをおいた構成だったように思えます。
テレビ版本編との最大の相違点は、黒幕だった管理局の某大物が登場しないこと。いちおうこの劇場版は、管理局の広報を兼ねた劇中劇みたいな扱いになっているはずなので、ご本人の名誉のために省いたのでしょうか。そのぶん、闇の書事件にて殉死したクロノの父の遺恨をめぐっての、ハラオウン母子の活躍がクローズアップされています。リンディ提督、なかなかのご勇姿ぶり。父の仇を冷静に対処するクロノくんもさすがです。本作の肝はもちろん八神ファミリーなのですが、前作で傷ついたフェイトが新しい家族を得て、自己再生する物語でもあるわけですね。
主はやてを失うまいとするヴォルケンたちの苦闘と、闇の書の意思ことリインフォース初代の懊悩。そして最後のはやてとの別れ。ひじょうに涙ぐましいシーンですね。ただすぐ再生されちゃうことを知ってしまってますので、あまり泣きが深くならなかったといいますか。TV版よりは距離を置いて観ることができました。リインフォースはテレビ版ではかなりマッチョで凶悪な印象でしたが、今回は悲哀に満ちた表情になっていますね。まあ、これも管理局による修正?
なのはさんの独壇場はあるにはあったのですが、今回、かなり割を食ったといえるのがユーノくん。イタチにすらなりません。どこかから圧力がかかったのでしょうか(爆)。なのはさん、フェイトちゃんいわく「さすがユーノ、わかりやすい!」で終わるだけの、ただの説明係でした。いや、現場にも駆けつけたんですがテレビ版ほど見せ場なかったですよね。TV版のときは、まだ高町家のペット扱いだったと記憶してるんですが…。このぶんですと、テレビ版三期が劇場化されたあかつきには、ヴィヴィオさんに声を乗っ取られて存在すら消されていそうです(嘆)。
仮面の騎士の謎解きが減った分、ややミステリー要素が失われたことが惜しまれますが、戦闘シーンは見応えがあり。はやてをなのは、フェイトが慰めるシーンは漫画版から(『魔法少女リリカルなのはA's THE COMICS』&『魔法少女リリカルなのはA's THE COMICS』(後編))ですね。
いろいろイチャモンつけましたが、全体としてはなかなか良作。泣けます。現在世間を席巻してます某超人気魔法少女ものと比べますと、緩いと言えば緩いのでしょうが、この柔らかさがリリカルなのはの本骨頂。「泣いているのはあきらめたくないからでしょ」。こころに沁みる台詞ですね。絶望からの巻き返しが安易と言えば安易だろうけど、フィクションは希望に溢れたもののほうがいいのです。それにしても、こーんなにものわかりのいい小学三年生もそうそういませんが(笑)。
2014年には劇場版第三作となる「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 3rd Reflection」が公開予定。これは「A's」の「StrikerS」との間にある空白を埋めるお話だそうですが。なのはさんたち中学生時代のエピソードってことですよね? もちろん、それも嬉しいですが。「ViVid」もしくは「Force」が映像化されるのはまだまだ先のようですね。個人的には「ViVid」はテレビ版でいいので、「Force」を劇場版で観てみたいです。
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