★弁天喜楽会囲碁★

     

平行型第六局

2006-10-16 06:24:23 | 布石の順位と着点
2006/10/16月

昨日はダイエイショッパーズ4回で筑前琵琶演奏で魅了された。

地の大小によって勝敗が決まる一局の碁は、一般に(序盤)中盤、終盤(ヨセ)の三段階を経て終局に至るのが状態である。
中盤戦を有利に導いて有終の美を飾るためには、序盤戦で相手をリードしなければならない。一局の基礎工事の段階とも言うべき布石時代は、中盤戦を有利に戦うための根拠又は勢力争い。言い換えれば縄張り争いの場といっていいでしょう。


平行型第六局 シマリと小目
第1譜(1~15手)

シマリの勢力をバックとして白6の小ケイマガカリを攻めるハサミは黒7の二間バサミのほかに1図の黒イ、ロ、ハのハサミが一般に用いられている。
1図


2図

1譜の二間バサミに対して手を抜けば2図の黒1とコスミツケて白一子の根拠を奪い白2とタタせて黒3と下方に実利を収めながら攻める手法が厳しい。そこで白4と進路を取れば黒5とコスンで受けるのが一法で、その黒5からは黒イのケイマで白三子を攻めながら右辺の厚壮化を取る。黒5でロとトビツケる手段もある。

3図

1路進めて白1とボウシすれば、ボウシにケイマで黒4とケイマに受けていいが、その前に黒2とカケるのもひとつの常法で、白3と換わって黒4と実利を占めるのが働いた手順である。

4図

白1とトンで前述の攻撃を緩和し、黒2の受けと交換してから他の大場に向かうのもある。

5図

黒1とケイマに受け、白2とハシったとき黒3とヒラく型に従ってもこの時点では別にさしつかえないが、一譜の黒9から黒15とトブ型は実利を主とるる趣向である。


第二譜(16~21手)

白16とハサんだ手は白21とシマるのが普通だが、6図の黒1と直ちにトンで白五子の攻めを見ながら右辺を大きく広げられる戦法を嫌ったものと思われる。
白2を白イに変えてもやはり白ロがきびしい。なので白18の二間ビラキは絶対の着点である。白20と星下を選んだのは独自の趣向。
6図


7図

黒1ともしヒラけば白2の一間ジマリが好形になる。


第三譜(22~24手)

白22のコスミツケは攻防の要点だが、他に8図の白1と一間にハサんで攻める打ち方も考えられる。
8図


9図

三譜の白24とコスム手は一路進めて9図の白1とケイマするのが通型だが、右下方面の黒の陣容が堅いこの碁では白1と進めても将来の発展性が期待できない。黒イのツケコシ黒ロのツメなどを狙われる点も、あって白24と控えた。


第四譜(25~28手)

黒25とツメた手は逆に10図の黒1とヒラキヅメする布石もあるが、その代わり白2とヒライてハサミを兼ねられる。白26と高く迫り、黒27を誘って白28とノビた石の運びに注意したい。
10図


11図

譜の白26と迫る手で11図の白1と低くツメるのは、黒2のオシから黒4とツケられ、黒6以下12と言う一連の手筋によってスムースに進出される。


第五譜(29~32手)

黒29(第五線)と白30(第四線)との交換はつらいが、黒31とトブための足場を固める意味でやむをえない。
12図

黒31とトブ手でもう一本黒1とオシ、白2の実利と交換するなどは無用の行為で、必要悪は最小限にとどめるというのが攻防戦の原則である。

13図

要点
接触戦では一般に相手より一歩先行することが大切である。譜の白30のノビを省けば13図の黒イ白ロの利きを含んで黒1以下と完封される。

14図

白1は黒2と先行させて面白くない。



第六譜(33~51手)

黒33と白の発展を阻止し、白34とコスませて黒35とトンだのは手順。黒35で15図の黒1とハシるのも部分的には双方の根拠に関する要点だが白2とマガられれば殆ど封鎖で黒三個の味も悪く、大勢上黒不利である。
15図


16図

黒1と単にオサエ手黒3とトブべきだった。そこで白4と踊りだせば黒5とトンでいていい。白44のハネから白46とハッたのが黒のダメ詰まりを狙った強手で黒51のキリから混戦になった。

17図

黒47と取る手で17図の黒1は白2とツがれる実利がしのび難い。

平行型第五局

2006-10-09 07:57:28 | 布石の順位と着点
2006/10/9

昨日天高い快晴の下で市制25周年スポーツフェアーが行われました。
グラウンドゴルフ部門ではわが囲碁クラブの大町さんがホールインワン二つをとりスコアー32で素晴らしい成績で優勝しました。おめでとうございます。

布石の順位と着点

地の大小によって勝敗が決まる一局の碁は、一般に(序盤)中盤、終盤(ヨセ)の三段階を経て終局に至るのが状態である。
中盤戦を有利に導いて有終の美を飾るためには、序盤戦で相手をリードしなければならない。一局の基礎工事の段階とも言うべき布石時代は、中盤戦を有利に戦うための根拠又は勢力争い。言い換えれば縄張り争いの場といっていいでしょう。

平行型第五局 (白)向かい小目

第一譜(1~13手)

白6のケイマ受けは定型の一つである。
黒7の一間高ガカリから黒13のヒラキまでは前局と大同小異の趣向だが、白12とコスむ型を選んだのは、イの大場の価値を高めて下辺に重点を置く方針である。白12とコスム手で1図の白1と低く受ければ、1図イの大場の価値は双方共に低いから、白3と右辺の割り打ちを急ぐ布石になる。

1図





第二譜(14~19手)
白14のカカリは下辺の大場を占める前の手順。
黒15の小ケイマ受けは黒イの一間トビでもさしつかえない。白16のハシリに対しては2図の黒1とコスんで受けるのが通型だが白2のヒラキが白△からの理想の大場で、さらに2図白イと盛り上げる形が好ましい。
二譜の黒17と転じたのは3図・後に黒1とハサんで白2とトベば黒3。
4図・白2とコスめば黒9までと運んで下辺の白模様化を妨げようという考えである。

2図

3図

4図





第三譜(20手)

第二譜の黒17,19とツケヒイたのは、本譜のように白20とカケツグか、
5図・白1とノビ込むか、応手をきいた意味と解される。白1とノビ込むほうが隅の地は得だが、白1とノビれば黒イのツケコシを含んで黒2と迫る碁になったであろう。黒2白3の交換を利かしと見て黒4と左辺の模様を広げられるし、黒4のボウシを妨げて6図・白1とトビ出せば黒2と受けられて白3の備えが省けない。
省けば7図・黒1白2と交換してから黒3とツケコスのが手順で、黒9までと遮断されて悪い。

5図

7図





第四譜(21~23手)

黒21の大ケイマは上辺でのヒラキの限度で、
8図・白1以下5の大模様を制限すれば足りるという感覚が生んだ着点である。黒23は黒△と高低の釣り合いを保つヒラキ。黒23でイとオサえるのは白ロと割打ちされて遅れをとる。

8図

9図


要点
相手の勢力に近寄るな。
本譜の黒21で9図の黒1と星下まで進めるのは先の希望がないからつまらない。仮に白2以下白6と運ばれても黒1の打ちすぎが証明される。




第五譜(24~29手)
白24と黒25との交換は左辺を固めて惜しいようだが時期を失えば、
10図・黒1,3と広げられる。白24で11図・白1と打ち込めば黒2とトビツケて抵抗される。そこで白3とトベ黒4。白3で白4とハネれ黒イとノビて逆に攻められる。要するに白1は左辺を荒らすだけで、黒に打撃を与えぬC級の打ち込みでである。

10図

11図

12図


要点
本譜の白26は三手で構成された黒大模様の中心点であり、侵略の要点である。
白26で12図・白1とカカレば黒2と実利を占めて黒4,6と攻められる。よって白1はマトはずれの進入といっていい。

13図
白1と三々に打ち込むのもこの構図ではやや偏った着眼である。黒2広いほうからオサえるのは当然、白3のオシには黒4と隅のほうからハネるのが適切な方針で、黒16までの地模様が大きい。本譜白26のツケは絶好のタイミングで、これを怠れば14図


14図
黒1又はイとシマられてはこの大模様に臨む手がかりがちょっとつかめない。
本譜27,29と隅の実利を重視した方針はこの場合うなずける。


15図
本譜27では黒1と外からオサえるのも一法だがシチョウの有利なこの碁では白4とカケツグ手が成立して白14までと味よく活きられる。黒13とツグ手で16図


16図
黒1とアテたい所だが、白2のキリから白14までのシチョウが悪いこのシチョウが白不利ならば17図


17図
白4とツグことになり、以下黒9まで定石である。隅は後に黒イとオクいじめが残されている。(以下符号順に一手ヨセコウ)





第六譜(30~39手)
白30のケイマは31の点へのトビツケを含んだサバキの手筋である。黒31のナラビはそれを拒んだ強力な形だが、白30のケイマは保留して、
18図・単に白1と根拠を求めても別にさしつかえない。そこで仮に黒2,4と圧迫してくれば白3,5と受けて不都合はなく黒の外勢にはイの断点があるので封鎖される心配もない。19図・白△とケイマしたそのスキを衝いて黒1,3と出切るのは白の思うツボである。黒9までと白二子を取る利益よりも、白10までと整備されて将来の攻めを失う不満のほうが大きい。

18図

19図

20図

黒1と逆に急所を衝くのは一方である。白2のツケに対しては黒3,5と突き出してから黒7とツグのが緩まぬ手順で、白8とツゲ黒9と切って戦っていい。
21図

白2のツケに黒3とオサ得ると白4と極付けられて、この白の形は攻めが利かない。
本譜の白32と打ち込む手で、
22図

白1とヒラキ、黒2と並べば(黒イに備えて)白3と補強しておけば穏やかであった。続いて黒4以下6という進展が考えられる。本譜の黒33のナラビは強手で、黒39と急所を衝かれて急戦模様になった。黒33と上下に隔てる手で23図・黒1とツケれば白2のノビから白4とハシって、これは白もサバける形である。
23図






平行型第四局

2006-10-04 21:55:53 | 布石の順位と着点
2006/10/5(木) 


布石の順位と着点
地の大小によって勝敗が決まる一局の碁は、一般に(序盤)中盤、終盤(ヨセ)の三段階を経て終局に至るのが状態である。
中盤戦を有利に導いて有終の美を飾るためには、序盤戦で相手をリードしなければならない。一局の基礎工事の段階とも言うべき布石時代は、中盤戦を有利に戦うための根拠又は勢力争い。言い換えれば縄張り争いの場といっていいでしょう。


平行型第四局 (白)向かい小目
白2,4の向かい小目は流行型の一つである。
黒5の一間高ガカリは黒1,3の勢力と関連して中央の厚みを意識した趣向だが、黒6と小ケイマにカカってももちろんさしつかえない。白6のツケに対し、黒7白8と交換したまま黒9と左下隅に転じたのは布石の機略である。
第一譜(1~18手)


一譜の黒9とかカル手で定石通り1図の黒1とツギ、白2の受けと換わって黒3とヒラけば白4とシマられる恐れがある。黒1とツグ手で黒イとカケツギ、白2の後黒ロとヒラいても白4とシマられる。黒3とヒラく手で2図の黒1とカカれば白のシマリは妨げられるが二図の白2によってヒラキと根拠を失う黒三子の将来の負担が大きい。
1図

2図


一譜の白10とツケれば白14のトビまではまず必然。そこで黒15と堅くツゲば白16の受けも省略できないから黒17の一手で上下からのヒラキを兼ねるというのが黒の注文である。
したがって黒17までの布石は黒に働かれたようだが、上下両隅に実利を占め、先手を取って白18の割打ちに転じたところに白も満足があるわけである。
但し、白が黒の言いなりになることを嫌えば、白10とツケる手で白イとケイマに受ける変化や白ロとハサム型、が有り、3図の左上に転じて白1とキルことも可能である黒2以下はその後の応接の一例を示したが、別の碁になると言うだけで、よしあしはいえない。なお一譜の黒17が絶対に逃せぬ大場であることは4図の白1によって上下の黒三個が一時に根拠を失う不利を想定すれば明らかである。また、黒17はこう高く構えて左辺の規模の拡大を図りたい気分のところで5図の黒1の第三線は白2のボウシによって位を低くされる点に不満がある。
3図

4図

5図




第二譜(19~25手)
黒21のコスミでは6図の黒1と広いほうに発展するのが普通だが、白2のハシリが第二線ながら根拠に関する要点で、白二子を攻める楽しみが失われることになる。黒21は右上隅の実利を守ると同時に白二子の根拠を奪って攻める狙いを後に残した意味だが、遠く左上隅の白の構えが堅固で近寄りがたいことも、6図の黒1と打つ気分になれなかった理由のひとつである白22のカカリは黒22の理想型を妨げた意味で、黒23の受けと換われば不満はない。その黒23は絶対の守りで、白イのハシリを許すことはできない。

6図

7図


要点
白の態度  第二譜の白24は黒の上辺進入を迎えて戦機をつかもうとする白の態度である。7図の黒1と打ち込めば白2、白4と自然に手順で右辺の白も強化されるし、黒二子を攻める楽しみ残る。

第二譜の白24では上辺に関する限り 8図の白1と囲うほうが勝っているが、左上方面の白の陣容が堅いので、白の勢力が上辺に重複する嫌いがある点が不満である。後に黒イのトビを利かされて白ロと受けるのでは白つらい、黒25のコスミは黒19と大ゲマとコンビを組んだ三手のしまりと言う星の理想形である。
8図


要点
第二譜の左下方面の備えが堅く白△の切っ先が低く構えているので下辺の大場の値打ちが低い。 黒25でロやハに急ぐ気になれないという布石感覚に注意したい。


第二譜の黒25とシマる手で9図の黒1とヒラけばすかさず白2と打ち込まれて隅をあらされる。黒15までの結果は黒1の狭いヒラキが不満である。黒5では10図の黒1とハネるほうが下辺の黒地は得だが、白イのキリに備えて黒15とカケツイだ外勢の構想も、黒△が狭いのでこの形も黒やや不満である。
9図

10図


11図の黒1と星下まで進めるのも左下隅の白に響かぬ天で疑問の感覚といえるが、ここで前例道り白イと打ち込むのは黒ロと押さえられて黒1のヒラキが広いだけ10図より劣ることになる。また白ハとカカルのも黒ロとシマられて感心しない。
11図


12図の白1のツケがこの黒模様の中心点に当たる侵略の急所である。黒2と隅を守れば白3のヒキから白5と二間にヒライてハサミを兼ねる。
12図


13図の黒2と外からオサえれば白3以下9と隅を荒らしていい。
13図


14図の黒△と基地を固めた後では時機を見て黒1と発展するのが下辺の好転になり15図の白1の四間ギラキぐらいが相場と言うことになる。
14図

15図




第三譜(26~30手)
白26のトビは上辺を広げつつ右辺の白二子に声援を送った積極的略装である。上辺だけについていえば白26で白イと囲う方が堅いが、守勢一方で黒に響かない。
黒27の進出は右上隅の強化と言うより右辺の白二子の攻めを見た方針である。



黒27を省けば16図の白1と封鎖されて外勢を厚くさせるばかりでなく、白イとオクいじめなどを見られて隅の味が悪い。
16図


第三譜の白28のトビは右辺を強化すと同時にしろロの打ち込みを狙った意味、黒29のトビに対し17図の白1などと右辺に備えれば黒2の打ち込みは必死で白3とボウシしてもつかまらない。黒14のノゾキに対して白イとツゲば黒ロのオシが厳しい。
17図




第四譜(31~36手)
黒31のオキは二間開きの根拠を侵す常用の手方である。


この時点で黒31を急いだのは18図
時期を失して白1とコスマれるとの差が大きいからで、その白1に対して黒イとオサえるのは後手だしオサえなければ白ロとトビ込まれて根拠があやしい。
18図


第三譜の黒31のオキに対して19図
白1,3とつながれば黒2,4と実利を占めながら白の根拠を奪って攻勢に転じようという作戦。その黒の意図を察して第三譜の白32と打ち込んだのは白36のツケを含んでサバこうと言う考えである。白32の打ち込みに対する黒33のオサエは一種の決まり手である。この手で20図の黒1などと封鎖して白2と隅の実利を荒らされては黒の損が大きい。
19図

20図




第五譜(37~52手)
黒37のノビはこの一手。


この手で21図の黒1とハネるのは白の注文通りで、白2とキリチガエる筋で楽にさばかれる。本図はその変化の一例だが、白20までと進出されては黒成功とはいえない。
21図


第五譜の黒41とノビる手で32図の黒1と突き当たれば右下の実利は守れるが、白2が痛烈なタタキで、多くの場合、このようなアテを許すことはできない。黒51では黒52とノビれおくほうが賢明であった。
22図