★弁天喜楽会囲碁★

     

三々に強くなろう

2006-06-30 13:38:56 | NHK囲碁講座
2006/6/30(金) 東京 曇り

NHK2月27日放送
講師 石倉 昇8段
司会 林 芳美アマ6段

三々入り第4
テーマ図A 黒先

右下のケイマとコスミの組み合わせは、よく打たれる形です。白1と三々に入ってきた時の対応を考えて見ましょう。周囲の黒が強い時には、この白を取ることができます。面倒がらずに考えると、実力はアップします。


1図はテーマ図の手順です。

黒も白も二連星の布石。黒5のカカリから9のヒラキまでは基本定石です。白10のワリ打ちに、黒は11とケイマしました。白12は三間にヒラキました。黒13の打ち込みは、捨石にして周りを強化しようというもの。黒17の守りが簡明でお勧めです。白18までもよく出来る形なので覚えておくと便利です。


2図

1図の黒15が黒△と四線にあるときは、黒1と三線に戸締りするのが大切です。あらかじめ黒□の受けが待っている時には、白は2と深く入るのがいいでしょう。


3図

黒は3のブツカリが好手ですが、白は4から6とヒラいて治まります


4図

テーマ図の局面に戻りましょう。
黒1とオサエると、白は2,4とナナメに動いて、生きようとしますが、次図


5図

黒5のノゾキがきびしい。相手のナナメのところが急所です。黒9も大切な手黒11まで白は二眼を作ることはできません。


6図

5図の白6で白1とノビれば、黒2と切ります。白3と逃げても黒4とノビていればいいのです。多少目減りはしますが、下辺の黒が厚くなり黒十分です。


7図

黒が5図の5とノゾかずに、1とオサエるのは、白2の急所に打たれ黒3とアテても白4と打たれてコウになります。コウになっては黒失敗です。


8図

白が4図の2とコスまず似、白1とハネたらどうでしょうか。


9図

黒2のツケがフトコロを狭めています。白3の時、黒Aとアテずに4とひくのが好手。白5とフトコロを広げてきても、次図


10図

黒は6とオサエて8とカケツいでしっかり守ります。
攻めるにはまず自分の用心が大切。白は9とサガってフトコロを広げてきました。


11図

まず黒10とハネてフトコロを狭めてから、黒12と急所におきます。黒14で白はもう二眼は作れません。


12図

白は1と隅に一眼確保してきたら、黒は2と打ちます。白が3ととっても、次図黒4で死んでいます。



14図

9図の黒2で黒1とオサエるのは白2とコスまれて6までコウになってしまいます。
コウではいけません。


15図

かといって、14図の黒3で1と切り取ると、白4,6がきいっていて8まで、白は生きています。黒9で10においても、白Aで取ることはできません。

次回はテーマ図Bです。


三々に強くなろう

2006-06-29 14:41:26 | NHK囲碁講座
2006/6/29(木)晴れのち曇り

NHK2月20日放送
講師 石倉 昇8段
司会 林 芳美アマ6段

テーマ図B 白先

黒1と左上に三々に入るのも部分的には大きい手ですが、この局面ではやや疑問です。白にチャンス到来


1譜 断固サガる

そこは白2とサガります。多くの場合は、サガリがいい手になります。
サガっていけないのは隅の白石が攻められる恐れのあるときだけです。
白は3とノゾいて、フトコロを広げてきました。白8とオサえて黒9と急所に守って、黒は生きです。白地を荒らして、部分的には黒は成功ですが、このあと、白は左辺の黒への攻めが楽しみです。どう攻めますか。


1図

1譜の白2で白1とオサえる人が多いのですが、弱気です。
黒は先手で15目ほど得をして、根拠を持って安定しました。置き碁でよく出来る形ですが、こういう手を打っていると置き碁でもすぐいい勝負になってしまいます。


2譜 白リード

白はまず10と打ち込み、黒が11から隅を生きたとき、白18と左辺の黒を攻めます。そして白20と模様を拡大します。(攻めながら地を作る)理想的な展開です。

○攻めはケイマ(白18)
○模様を広げるケイマ(白20)

白24までの形成を見てみましょう。
黒地:左上(6目)+右上(15目強)+下辺(26目)+左下(10目弱)+左辺(3目)=約60目
白地:上辺(10目強)+右辺(10目弱)+下辺(約40目)=約60目
盤面でほぼ互角しかも左辺の黒への攻めも残って、白優勢です。


2図

2譜の黒11で黒1とトブのは、白2とコスミツケられ根拠を奪われます。しろ6のノゾキから白8まで攻められて黒苦戦です。


3図

2譜の白10では、白1と守るのも甲乙つけがたい大きな手です。
黒が2と守れば白は3から5と黒を攻めながら上辺を盛り上げていきます。
黒地:左上(6目)+右上(15目強)+下辺(35目)+左辺(2目)=58目
白地:上辺(約30目)+右辺(10目弱)+左辺(25目)=約65目
これでも白がリードしています。


4図

1譜の黒5で、黒1とハウことも考えられます。それなら白はすぐ2とでて4と隅に近いほうに切を入れます。



白6のハネに黒7と守れば、白8を打ってから白10と大きい手を打ってこれも白優勢です。黒9の抜きは省けません


6図

白1から5まで、死んでしまいます。


次回は三々入り4です。

三々に強くなろう

2006-06-26 11:31:46 | NHK囲碁講座
2006/6/26(月) 雨のち曇り

NHK2月20日放送
講師 石倉 昇8段
司会 林 芳美アマ6段

三々入り第3
テーマ図A 前回の続きです

白は1とトンで、左辺の白を守りました。大場がたくさんあって、目移りするかも知りませんが、黒はどこに目を向けたらいいでしょうか。


1譜

今が黒2と三々に入るタイミングです。地が完成する一手前に荒らすのが、うまい。白△があるときは、必ずいったんは白3とさえぎります。黒は4とハネるのがいい。
地を大切にする時は、白5と抑えます。黒6とカケツいで、白7アテ、黒8ツギまでで一段落です。
白Aのツギはヨセになってから、まだ早すぎます。


1図

逆に1と守られるのと黒Aと三々に入るのでは約30目(!)の差があります。


2譜

白△があるときに黒1と這うのは、白2のオサエがぴったりでよくありません。
黒7のハネに白8がまたぴったり。黒9まで生きることは出来ますが、白は白△が働いています。


3図

白1とオサエてくれば黒は4とケイマにすべるのが好手です。黒4でAとハウと白Bのオサエがぴったりで、2図の形に戻り失敗です。


4図

白11までとなると、左辺のヒラキは狭すぎますし下辺の厚みも黒△でぼかされてしまい、この場合白よくありません。


5図

黒1とサガル方をよく見かけますが、これは白2で切断されよくありません。


2譜 一石二鳥

白9,11のハネツギは、黒Aの三々を防ぎつつ、白を攻めようとしている一石二鳥の好手です。黒は12,14と逃げます。仮に黒16まで囲いあったとすると、
黒地右上(15目強)+左辺(5目弱)+下辺(45目)=約65目
白地上辺(40目)+左辺(10目強)+右辺(10目弱)=約60目
互戦の碁では5目半のコミがあるので互角の形成です。

さて、左上の白に黒が、三々に入ってきてもちゃんと殺すことが出来ますか。
実践でしっかり殺せたら、初段です。しっかりマスターしましょう。

6図

黒は3,5とナナメに動いて眼形を作ろうとしてきます。


7図

白はまず6とフトコロを狭めます。次に白8と急所に置けば、黒は死んでいます。
黒が11と取ってきても、白12で6のところがカケメとなります。


8図

白1と当てたくなりますが、黒2と打たれてコウになります。無条件で取れていたところが、コウになっては、大損です。コウ立てで得をされますので、勝負はすぐ逆転してしまいます。


9図 黒1のノゾキはどうでしょう。

ノゾキには次図


10図

墨に入られると眼が出来やすいので、白2と抑えます。黒5とフトコロを広げてきた時が問題です。相手の石にくっつけたくなりますがそこを我慢してふわっといくのがコツです。


11図

白6とまずフトコロを狭めます。次に白8としっかり連絡して自分の弱点を守ります。


12図

9,11とハネツいでフトコロを広げてきたら、白12と相手の目のできる急所におきましょう。これで黒に生きはありません。

13図 黒1とノゾイてきました。

こんなところで考え込む人がいますが、何が大切かを見極めましょう。


14図

当然白2と打って地にするのがよい。黒7まで白△を捨てても十分です。



※石を殺すコツ※
○根拠を奪う(フトコロを狭める)
○むやみにツケない
○自分の弱点を守る。


次回はテーマ図Bです。ごきげんよう







三々に強くなろう

2006-06-15 13:35:26 | NHK囲碁講座
2006/6/15(木) 曇りのち雨

NHK2月13日放送
講師 石倉 昇8段
司会 林 芳美アマ6段

先日の1譜に戻って三々に入られた場合のあれこれ。
1譜


2譜 地にしたいほうから

黒は12のほうからオサエます。黒は14,16と二段バネするのが好手です。
ナナメはこわいと言う人もおられるでしょうが、この場合はこれがよい。

3譜

白は17と切って19と1子をカカエます。黒は20の切りから22と白二子を取って10数目の地を作り安定しました。白も黒△を取って厚くなり、黒白ともに満足です。

3図

白が1と逃げ出しても、黒2から4まで取れています。

4図

3譜の白17で白1とつないでくれば黒は2とつぎます。白3,5とハネツいで生きますが白地は小さい。黒6と構えて厚くなり黒十分です。

5図

2譜の黒16で黒1と伸びるのは、白4,6とハネツギます。
4図と同じように見えますが、白地が5目ほど多く、白△とつながる手も残っています。これなら白満足です。黒としては2譜のほうがよさそうです。ここで黒は7と守ります(7でAは重複気味)

6図 7を打たないと

白1が厳しいのぞきです黒2と守っても、白3ののぞきが好手です。

7図

黒6と切ってきても、白7のアタリから11とがんばり黒は大いに苦しい。

8図

黒12と打っても、白19までで、黒はバラバラになってつぶれとなります。

9図

黒△がきてもそのままで生きています。黒1とフトコロを狭めてきました。うっかり白Aとオサエると、黒2に切られて取られます。白2のつなぎが大切です。
黒3の急所に対して、生きる時のコツは?

10図

白は4,6とナナメに動くのがコツでした。白8まで生きてます。

11図

さて、1譜で黒1とオサエるのは、この場合よくありません。上辺に壁を作っても白△があるので、地になりません。まず「地になるほうから」です。大ケイマのときは黒5とオサエてよかったはずだが・・・

12図

白6の切からしろ8,10とハネツギ、黒11とカケツギました。

13図

上辺と左辺に白△と援軍が待っていますのでAとツガずに白12が厳しい。

14図

13,15と切り取られると隅の白には部分的には生きはありません。しかし、白16が急所で黒がしびれています。

15図

ウッテカエシになるので、黒17につぎ白は18のハネから22までどんどん閉じ込めていきます。黒23は一番がんばった受け方です。

16図

白は取りに行かずに、24とさがって白26まで白は生き、黒27まで生かすのがいいのです。そして今度は白28から右辺の黒をいじめます。黒はまだ眼がなく、次々攻められては、黒大苦戦です。

17図

黒1と並び3と打つほうが筋がいいのですが・・・

18図

白は4のツケから脱出をはかります。黒5,7と取りに来ると

19図

白も8の切から10とアタリアタリと逃げて生きます。

20図

だいたい白20までが想定されます。もともと黒のしまりのあったところで、黒がバラバラでやっと生きる状態になってはひどい。


三々に強くなろう

2006-06-13 12:09:18 | NHK囲碁講座
2006/6/13(火) 曇り


NHK2月13日放送
講師 石倉 昇8段
司会 林 芳美アマ6段

テーマ図 黒番
先週と少し状況が違います。
黒の大ゲイマの中に、白1と三々に入ってきました。この局面では「この一手」といえる好手です。黒の受け方を考えていきましょう。


大場に先着する1譜から考えていきましょう。
1譜 

ミニ中国流から「依田流」までは先週と同じです。Aではなく白1とマガル手もあります。超治勲碁聖・名人が打った手で、下辺の黒地を増やすので地は損ですが、先手を取って白3の大場に先行しようという足早な打ち方です。白△が4線の時は、白5と戸締りをしながらツメます。白7のコスミツケは、黒4・6が二間ビラキなので、重複させようとしています。二間ビラキは固めてもいいという考えです。
黒10は大切な守りです。さて白11の三々入りに対して、どう受けますか。

1図

1譜の白5で1と逆にツメたくなりますが、この場合は黒2が絶好の一手になります。白△がAにあるときは戸締りが出来ているので1からのツメでいいのです。
しかし白△だと黒2の後Bが厳しい狙いとなります。かといって、つぎに白Aと守るのでは、白△と重複してよくありません。

2図

1譜の白7で白1と受けると黒に2と走られて黒を安定させてしまいます。
左辺はもともと白が多かったのに、黒にこんなに楽をさせては面白くありません。

というわけで次回は1譜に戻りいよいよ三々入りにどこからオサエルかの研究です。

三々に強くなろう

2006-06-01 08:56:23 | NHK囲碁講座
2006/6/1(木) 晴れ


NHK2月6日放送
講師 石倉 昇8段
司会 林 芳美アマ6段

前日の続きですが三々に入って活きましたが14図の形は隅の死活を考える時にとても大切な形です。生きを確かめてみましょう。


生きるコツは
○ふところを広げる
○眼形の急所にうつ
  ナナメに動け
  隅の急所は(2の一)
5級ぐらいの人が、この考え方を身につけると、初段になれます。面倒がらずに何度も碁盤に並べてみると力がつきます。

問題1
黒1と(2の二)の急所にツケてきました。巧く生きてください。


答え1 白1ハネの数字つけわすれです。
白1とハネるのがいい手です。また隅の生き死にでは、急所は2の一にあることが多いのです。生きる時には、ナナメに動け、2の一の急所。白3もナナメに動けです。黒4なら白5で2眼確保できました。黒が4で5なら白は4でいきです。
4と5は(見合い)といいます。


問題2
では、黒1の(2の一)はどうでしょうか。考え方は同じです。


答え2
白1とやはりナナメ動きます。黒2にも白3とナナメです。白5まで答え1と同じ形になり,生きました。


問題3
黒1とハネきました。白はどう打ちますか


答え3
生きる手はいろいろありますが、白1が最もわかりやすい。2の一は二つありますが、一見トビになる2の一が急所になることが多いのです。黒2には3で二眼できました。これで生きです。


次回は三々入りテーマ2
2月13日放送を乗せます。ごきげんよう。