2006/9/29(金)
布石の順位と着点
地の大小によって勝敗が決まる一局の碁は、一般に(序盤)中盤、終盤(ヨセ)の三段階を経て終局に至るのが状態である。
中盤戦を有利に導いて有終の美を飾るためには、序盤戦で相手をリードしなければならない。一局の基礎工事の段階とも言うべき布石時代は、中盤戦を有利に戦うための根拠又は勢力争い。言い換えれば縄張り争いの場といっていいでしょう。
平行型 高目と三々のコンビ
第一譜(1~10手)
黒5とカカる手で黒イと三連星を敷く布石も考えられるが、白5のシマシが大きい。
白6の内ヅケから白10のヒラキまでは高目定石の一型だが、二立に準ずる白4,8の勢力からは白10と三間にヒラくのが正着で、二立三析の原則が守られている点に注意したい。

1図
二立の勢力から白1の二間ビラキは凝り形で働きに乏しい。

2図
白1の四間は黒2と構えられて白3の囲いが省けない。

3図
省けば黒1の打込が厳しい。

第二譜(11~16手)
黒11の星下と高い黒イとの可否はこの段階ではまだいえない。黒イの三連星は模様で対抗する構想だが、この碁は白△のヒラキが黒の大模様の可能性を否定しているので気分として実利を主とする第三線を選んだというところである。白14とハシる手で単に白ロと高く構える布石もあるが、白14黒15と交換した以上、白16の二間ビラキは白二子の安定を取る締めくくりの大場で絶対に逃せない。白16を省けば黒ハの攻めが厳しく、白15と隅の三々に振替わる道がないからである。

要点
白16のの二間ビラキはこの一手で4図白1の三間ビラキは黒2と打ち込まれて窮する。5図白1とツケるのがサバキの筋だが、白11なら黒12とキラれるし白11でイは黒ロのキリがきびしい。
4図

5図

第三譜(17手)
黒17では一路進めて黒イと構える打ち方もあるが、どちらもこの隅の位を保つ要点である。黒17を省けば、6図

6図

碁によって白1,3と外勢の厚壮を図るか
7図

逆に白1と黒の形の級急所をついて左右に利益を収めるか、の選択権を白に与えることになる。手順中、黒6のツケは手筋で、白7と上辺に備える手で白8と反撃するのは黒イと突き出す調子を与えて白が悪い。白7で白10も黒8と切られて窮する。
要点
黒17には黒ロ白ハ黒ニと左辺一帯を大きく盛り上げる含みがある。黒17で8図黒1とヒラくほうが実質的なようだが、白2,4と圧迫されて位を低くされては全局的に黒不利である。
8図

第四譜(18手)
白18と構えた手は黒イとカカる手を妨けると同時に下辺一帯の白模様を盛り上げた大勢上の好転だが、こう控えるより白ロと発展したいという意見に対しては9図以下の反論がある。

9図

三々を中心に白△白1と両翼を広げた構図に対しては黒2と肩を衝くのが常用の手法で、三々の低位を咎める急所の形になる。白3とオシて白5とハシるのがひとつの通型だが、白1の働きが鈍って左辺の位がいかにも低い。しかも、黒2,4の二子に対する適切な攻め手がないから、黒に手抜きされて上辺黒ハのツメに回られる。
10図

逆に白2とオシて4とハシるのも一法だが黒5までと大模様の夢を破られては白不満である。なお黒5を省けば白イの攻めが好形となる。
第五譜(19~20手)
黒19とツメる手で黒イと四間にヒラくのも辺の大場だが、その黒ロに続く厳しい二の矢がない。黒19のツメには黒ロと打ち込むツギの狙いがあるから、一石二鳥の価値が高い。白20の構えを省けば11図の黒△の勢力を頼みとした黒1の打込が厳しい。白2とツケて黒7までとワタらせれば一応無事だが実利を失う不利が大きい。

11図

12図
白2とコスむのは黒3以下17でツブレ形。

13図
白16とトブ手で白1とハネれば黒2とハシられて攻合い負けだし、白イとアテるシチョウも悪い。

第六譜(21~22手)
黒21と一間にトンだ構えからは14図の黒1と一間にトブ手が二重構造の中心をなす要点で、この一手で右辺一帯に黒の理想的な大模様が形成されることになる。白22のツケはその黒1に先立って右辺の大模様を制限した意味だが、黒21と構える手で黒イとトブ手も考えられる。黒イとトベば右上方面に大模様が形成されるが、その大模様にどこから手を着けるのが適切かを考えてみよう。

14図

15図
まず白1のカカリだが、黒2とコスミツケて白の根拠を奪い、白3とタタせて黒4とトブ通型、黒△のヒラキが(黒イの星下より)狭くて凝り形気味な点が気に入らない。そこで16図

16図
白1とカカれば黒△の勢力を活かして黒2と隅の実利を守る打ち方が考えられる。続いて白イとトベば黒ロと大きく囲って満足だし、白3とトベば黒4とトンでまだ根拠の確かでない白二子を攻める手順になるからこれも悪くない。

黒△のトビに対しては結局白1と三々に入るぐらいのもであろう。黒2のオサエから黒6のノビまでは通型だが、ここで白7とハウと黒8,10とハネツイで右辺を大きく地にされるから18図の白7,9のハネツギを先にする手順が考えられるが、黒10と外勢を整えた後、白11とハッても黒イのオサエは期待できない。

18図

19図

六譜の白22では白ロとボウシして黒ハの受けと換わるのも常用の消しの手方だが、白22と激しくツケたのはシチョウ関係が白有利と見たからである。
19図黒2白3に続いて黒4と切ってから黒6とツイでも白7とカカエるシチョウは白がいい。
第七譜(23~26手)
黒23と自己の勢力の弱いほうからハネたのは当然の方向だが黒23とハネる手を20図の黒1のハネに変えても白2のハネから白6とカカえるシチョウは白有利である。白26とノビたのは黒イとキル手がないからだが、白26で白イとツグのは白の形が重い。

20図

21図
白1とツゲば黒2のケイマ攻めが厳しく白17までは変化の一例だが黒優勢の局面となる。

第八譜(27~34手)
黒29は形の急所。この一撃を省けば白29と形を整えられて攻めがきかなくなる。黒29ではもう一本、20図の黒1とハイたいところで、白2とノビてくれれば黒3と急所を突く手が理想的な攻めはなるが、白2と伸びてもらえず、白3と中央を厚くされる恐れがある。

要点
逃げ腰の重要性
白34のトビはおろそかにできない。省けば23図の黒1,3と攻め立てられて周囲の損害はまぬかれない。黒13まではその一例だが、攻められる不利は計算以上に大きい。
22図

23図

第九譜(35~36手)
黒35と一杯にツメる手で黒イとヒラく布石もあるが、下辺一帯の白模様に対しては迫力がないから、白ロと囲われる恐れがある。譜の黒35は黒ハのトビを含むと同時に第四線の白のスソアキを狙って黒ニと滑り込む手をみた積極的手法である。

黒35のツメに対し24図の白1と反撃する手はむしろ黒の歓迎するところで黒2,4と平易にトビ出して打てば自然に下辺の白模様がうすくなる道理である。
24図

白36のカカリは今がチャンスで25図の黒1とトバれてからではこの黒の地模様に対してちょっと手の着けようがない。仮に白2と三々に打ち込んでも、黒△の備えがあるので活き図ることは絶望である。
25図

第10図(37~42手)
26図黒1とトバれた後では白2と打ち込んでも黒3と抵抗されてうまくいかない、白4と左方を守れば黒5とコスまれて手はないし、白4とサガル手で白イとハシれば黒4白ロ黒ハ白ニと先手で根拠をえぐられる不利が大きく、右上方面の活路も黒ホとおく攻め筋などを見られてはっきりしない。黒37のコスミツケに対し、白イとタテば黒ロとトバれて窮地に落ちることになる。白38,40は先手を取るための臨機の処置だが、白42とカケても上辺の黒一子はまだ味残りである。さかのぼって黒37で27図の黒1とカケても白△一子は取りきれぬ石で白18まではその活き方の一例をしました。

26図

27図

第11譜(43~53手)
黒43のトビは双方の模様の中心点。白44のコスミツケは黒46ハシリを妨げた手順の利かしで28図の黒2とサガれば白3という調子である。

皇室の新専用車、国会開会式出席で初めて出番
天皇陛下が乗られた新しい皇室専用車
宮内庁に7月に納入された新しい皇室専用車(御料車)が28日、天皇陛下の国会開会式出席の行き帰りに初めて使われた。
専用車は、トヨタ自動車の大型リムジン「センチュリーロイヤル」(全長約6メートル、幅約2メートル、8人乗り、5250万円)。約40年にわたって「ニッサン・プリンス・ロイヤル」が使われてきたが、老朽化で整備が難しくなり、更新された。
宮内庁によると、専用車の昨年の利用は計50回で、国賓など外国賓客への提供が33回、国会開会式や全国戦没者追悼式など両陛下の重要な行事での利用が7回。今後も外国賓客への提供が増えそうだという。さらに同型車を3台購入する方針。

布石の順位と着点
地の大小によって勝敗が決まる一局の碁は、一般に(序盤)中盤、終盤(ヨセ)の三段階を経て終局に至るのが状態である。
中盤戦を有利に導いて有終の美を飾るためには、序盤戦で相手をリードしなければならない。一局の基礎工事の段階とも言うべき布石時代は、中盤戦を有利に戦うための根拠又は勢力争い。言い換えれば縄張り争いの場といっていいでしょう。
平行型 高目と三々のコンビ
第一譜(1~10手)
黒5とカカる手で黒イと三連星を敷く布石も考えられるが、白5のシマシが大きい。
白6の内ヅケから白10のヒラキまでは高目定石の一型だが、二立に準ずる白4,8の勢力からは白10と三間にヒラくのが正着で、二立三析の原則が守られている点に注意したい。

1図
二立の勢力から白1の二間ビラキは凝り形で働きに乏しい。

2図
白1の四間は黒2と構えられて白3の囲いが省けない。

3図
省けば黒1の打込が厳しい。

第二譜(11~16手)
黒11の星下と高い黒イとの可否はこの段階ではまだいえない。黒イの三連星は模様で対抗する構想だが、この碁は白△のヒラキが黒の大模様の可能性を否定しているので気分として実利を主とする第三線を選んだというところである。白14とハシる手で単に白ロと高く構える布石もあるが、白14黒15と交換した以上、白16の二間ビラキは白二子の安定を取る締めくくりの大場で絶対に逃せない。白16を省けば黒ハの攻めが厳しく、白15と隅の三々に振替わる道がないからである。

要点
白16のの二間ビラキはこの一手で4図白1の三間ビラキは黒2と打ち込まれて窮する。5図白1とツケるのがサバキの筋だが、白11なら黒12とキラれるし白11でイは黒ロのキリがきびしい。
4図

5図

第三譜(17手)
黒17では一路進めて黒イと構える打ち方もあるが、どちらもこの隅の位を保つ要点である。黒17を省けば、6図

6図

碁によって白1,3と外勢の厚壮を図るか
7図

逆に白1と黒の形の級急所をついて左右に利益を収めるか、の選択権を白に与えることになる。手順中、黒6のツケは手筋で、白7と上辺に備える手で白8と反撃するのは黒イと突き出す調子を与えて白が悪い。白7で白10も黒8と切られて窮する。
要点
黒17には黒ロ白ハ黒ニと左辺一帯を大きく盛り上げる含みがある。黒17で8図黒1とヒラくほうが実質的なようだが、白2,4と圧迫されて位を低くされては全局的に黒不利である。
8図

第四譜(18手)
白18と構えた手は黒イとカカる手を妨けると同時に下辺一帯の白模様を盛り上げた大勢上の好転だが、こう控えるより白ロと発展したいという意見に対しては9図以下の反論がある。

9図

三々を中心に白△白1と両翼を広げた構図に対しては黒2と肩を衝くのが常用の手法で、三々の低位を咎める急所の形になる。白3とオシて白5とハシるのがひとつの通型だが、白1の働きが鈍って左辺の位がいかにも低い。しかも、黒2,4の二子に対する適切な攻め手がないから、黒に手抜きされて上辺黒ハのツメに回られる。
10図

逆に白2とオシて4とハシるのも一法だが黒5までと大模様の夢を破られては白不満である。なお黒5を省けば白イの攻めが好形となる。
第五譜(19~20手)
黒19とツメる手で黒イと四間にヒラくのも辺の大場だが、その黒ロに続く厳しい二の矢がない。黒19のツメには黒ロと打ち込むツギの狙いがあるから、一石二鳥の価値が高い。白20の構えを省けば11図の黒△の勢力を頼みとした黒1の打込が厳しい。白2とツケて黒7までとワタらせれば一応無事だが実利を失う不利が大きい。

11図

12図
白2とコスむのは黒3以下17でツブレ形。

13図
白16とトブ手で白1とハネれば黒2とハシられて攻合い負けだし、白イとアテるシチョウも悪い。

第六譜(21~22手)
黒21と一間にトンだ構えからは14図の黒1と一間にトブ手が二重構造の中心をなす要点で、この一手で右辺一帯に黒の理想的な大模様が形成されることになる。白22のツケはその黒1に先立って右辺の大模様を制限した意味だが、黒21と構える手で黒イとトブ手も考えられる。黒イとトベば右上方面に大模様が形成されるが、その大模様にどこから手を着けるのが適切かを考えてみよう。

14図

15図
まず白1のカカリだが、黒2とコスミツケて白の根拠を奪い、白3とタタせて黒4とトブ通型、黒△のヒラキが(黒イの星下より)狭くて凝り形気味な点が気に入らない。そこで16図

16図
白1とカカれば黒△の勢力を活かして黒2と隅の実利を守る打ち方が考えられる。続いて白イとトベば黒ロと大きく囲って満足だし、白3とトベば黒4とトンでまだ根拠の確かでない白二子を攻める手順になるからこれも悪くない。

黒△のトビに対しては結局白1と三々に入るぐらいのもであろう。黒2のオサエから黒6のノビまでは通型だが、ここで白7とハウと黒8,10とハネツイで右辺を大きく地にされるから18図の白7,9のハネツギを先にする手順が考えられるが、黒10と外勢を整えた後、白11とハッても黒イのオサエは期待できない。

18図

19図

六譜の白22では白ロとボウシして黒ハの受けと換わるのも常用の消しの手方だが、白22と激しくツケたのはシチョウ関係が白有利と見たからである。
19図黒2白3に続いて黒4と切ってから黒6とツイでも白7とカカエるシチョウは白がいい。
第七譜(23~26手)
黒23と自己の勢力の弱いほうからハネたのは当然の方向だが黒23とハネる手を20図の黒1のハネに変えても白2のハネから白6とカカえるシチョウは白有利である。白26とノビたのは黒イとキル手がないからだが、白26で白イとツグのは白の形が重い。

20図

21図
白1とツゲば黒2のケイマ攻めが厳しく白17までは変化の一例だが黒優勢の局面となる。

第八譜(27~34手)
黒29は形の急所。この一撃を省けば白29と形を整えられて攻めがきかなくなる。黒29ではもう一本、20図の黒1とハイたいところで、白2とノビてくれれば黒3と急所を突く手が理想的な攻めはなるが、白2と伸びてもらえず、白3と中央を厚くされる恐れがある。

要点
逃げ腰の重要性
白34のトビはおろそかにできない。省けば23図の黒1,3と攻め立てられて周囲の損害はまぬかれない。黒13まではその一例だが、攻められる不利は計算以上に大きい。
22図

23図

第九譜(35~36手)
黒35と一杯にツメる手で黒イとヒラく布石もあるが、下辺一帯の白模様に対しては迫力がないから、白ロと囲われる恐れがある。譜の黒35は黒ハのトビを含むと同時に第四線の白のスソアキを狙って黒ニと滑り込む手をみた積極的手法である。

黒35のツメに対し24図の白1と反撃する手はむしろ黒の歓迎するところで黒2,4と平易にトビ出して打てば自然に下辺の白模様がうすくなる道理である。
24図

白36のカカリは今がチャンスで25図の黒1とトバれてからではこの黒の地模様に対してちょっと手の着けようがない。仮に白2と三々に打ち込んでも、黒△の備えがあるので活き図ることは絶望である。
25図

第10図(37~42手)
26図黒1とトバれた後では白2と打ち込んでも黒3と抵抗されてうまくいかない、白4と左方を守れば黒5とコスまれて手はないし、白4とサガル手で白イとハシれば黒4白ロ黒ハ白ニと先手で根拠をえぐられる不利が大きく、右上方面の活路も黒ホとおく攻め筋などを見られてはっきりしない。黒37のコスミツケに対し、白イとタテば黒ロとトバれて窮地に落ちることになる。白38,40は先手を取るための臨機の処置だが、白42とカケても上辺の黒一子はまだ味残りである。さかのぼって黒37で27図の黒1とカケても白△一子は取りきれぬ石で白18まではその活き方の一例をしました。

26図

27図

第11譜(43~53手)
黒43のトビは双方の模様の中心点。白44のコスミツケは黒46ハシリを妨げた手順の利かしで28図の黒2とサガれば白3という調子である。

皇室の新専用車、国会開会式出席で初めて出番
天皇陛下が乗られた新しい皇室専用車

宮内庁に7月に納入された新しい皇室専用車(御料車)が28日、天皇陛下の国会開会式出席の行き帰りに初めて使われた。
専用車は、トヨタ自動車の大型リムジン「センチュリーロイヤル」(全長約6メートル、幅約2メートル、8人乗り、5250万円)。約40年にわたって「ニッサン・プリンス・ロイヤル」が使われてきたが、老朽化で整備が難しくなり、更新された。
宮内庁によると、専用車の昨年の利用は計50回で、国賓など外国賓客への提供が33回、国会開会式や全国戦没者追悼式など両陛下の重要な行事での利用が7回。今後も外国賓客への提供が増えそうだという。さらに同型車を3台購入する方針。