★弁天喜楽会囲碁★

     

石をさばく

2006-07-31 07:15:27 | さばき
2006/7/31/(月) 晴れのち曇り

囲碁 石をさばく
さばきとは、物事のもつれをただすことをいうが、碁では重い石を軽く、危なそうな石を安全に、そして大きな意味で乱れそうな局面を手際よくまとめる行為をいう。

黒先(根拠)

上辺に黒サガリのある形で黒△の切りが来た。これで白2子は助からない。
といって折角ある石だから、目いっぱいにこれを利用せねばならない。白はここをどう打つかである。


1図

白1,3とアテ継ぐのでは、黒4と取られてよくない。こんなこと考えるぐらいなら、何も打たないほうがましである。


2図

白1,3と捨てる。ごく当たり前のアイデアであるが、黒6とこういう形で二子を捨てるのはいささかもったいない。というのは次図


3図

周囲に白△の石がきて封鎖されても、この石は死なない。白1、黒2で活きであり、狙いが後に残らないのである。


4図(正解)

白1とアテ、3と這っているのがよい手である。黒4と切られて確かに二子は取られるが、それはは百も承知である。


5図

6図

白5、黒6から白7に打ち込んで眼をかきこれがなかなかの寄つきである。黒、い、なら白、ろ、とアテ黒の眼形に即即と迫っているところがいい。
この後黒、は、とツケれば、白、に、黒、ほ、白、へ、とハネて上方には一眼しかない。周囲の情勢いかんではこの石を大きく狙うことも出来るし、また現実に3図のように封鎖されると完全に死であり、これは黒として油断できないとこらだ。このように廃石とはいってもそれをうまく利用すればかなり効果のあるケースも有り、実践にあってはこういう打ち方もできるように心したいものだ。


7図

白1の打ちかきに黒2,4と出て行くのは概して悪手であり、5,7と絞られてよくない。白9、黒10まで、まだ眼形が定かでないことは前図と同様である。黒2以下の出は白を厚くして悪いものと知られたい。


8図

白1,3に対して黒4と打つならば、白5とついでよろしい。二子が助かったばかりでなく、黒の根拠がこれでほとんどなくなる。また白、い、と打って眼を取る手もあり、その攻めを見てまだまだ楽しみのある形である。

石をさばく

2006-07-30 09:37:30 | さばき
2006/7/30/(日) 曇り

囲碁 石をさばく
さばきとは、物事のもつれをただすことをいうが、碁では重い石を軽く、危なそうな石を安全に、そして大きな意味で乱れそうな局面を手際よくまとめる行為をいう。

黒先 (連絡)

ほうって置けば左辺の黒7子は取られてしまう。アイデア豊かにここを巧くつなぐ工夫をしてください。


1図

まずほうっておけば、白1以下5と簡単に切られてしまう。


2図

黒1,3と打つのなら赤ん坊でも出来ること。完全に連絡をしてはいるが、後手であることが気に食わない。


3図

黒1と打ってもつながっているがこれも同じく後手。一手かけて連絡するのでは能がなく、これで面白くないから脳ミソをひねる必要があるのだ。


4図(正解)

(切り込み)普通なら自殺行為なので考えられない手だが、黒1と切り込むのがこの場合面白い打ち方である。


5図

黒1のキリが先手である。白2と応じるよりなくこれで万事解決。このままほうっておいても白から切断する手がなく、一手をかけて連絡する必要がなくなる。


6図

例えば白1と打ってくれば、黒2があたりとなり、4とつなぐことが出来る。切り込んだ一子の働きであり、前図の打交がいかに巧い手であるかがわかる。
一般的にいって、この打交は損な手である。白の地を増やすからであるが、そのために打ちにくく、それが盲点になりやすい。損ではあっても現実の先手後手には変えられない。犠牲を放って一手の得をしようというのが本題の課題である。
なお5図黒1、白2の後、すぐ黒、い、とアテ、白、ろ、と代わるか、あるいは黒、は、白、ろ、と打ってしまったとしよう。すると不思議や、黒は再び切断を生じて手入れが必要となってくる。ここが碁の面白いところで、なんでも先手だからといってアテを決めてしまうと弊害の生じるいい例である。


7図

5図の後白1,3と打っても黒4までで切断できない。キリの働きである。


8図

白1,3も、黒4までで安泰である。


石をさばく

2006-07-29 03:55:14 | さばき
2006/7/29(土) 曇りのち晴れ


囲碁 石をさばく
さばきとは、物事のもつれをただすことをいうが、碁では重い石を軽く、危なそうな石を安全に、そして大きな意味で乱れそうな局面を手際よくまとめる行為をいう。

黒先 (実践型)

白の両ガカリに黒2,4とツケ伸びた方向はいい。白5の三々打ち込みに、黒は6と上辺を地にする方針をとり、以下白11までの形となった。さてここで黒はどう打つべきか?


1図

黒1と上辺白一子にかまけるような因循姑息な打ち方では、白に足元を見透かされるだけ。白、い、黒、ろ、ときかされて、は、と封じられる可能性大で、に、にハネツギも残って黒散々である。


2図

黒1とここを曲げて打たねばならぬが、すぐ打ったのでは白2、黒3をきかされて疑問である。


3図

前図の後黒1とハネてもこの手に威力がなく、白、い、と逆襲されてかえって白にチャンスを与えかねない。


4図(正解)

黒1と一本切りを入れ、白2とへこませてから黒3に曲がるのがうまい手順である。白2で、い、と抱えるのは黒2で隅が落ちるから、今黒1と切って様子をきくのを法とし、1の一子の働きを3の曲がりによって効果有らしめようというのが黒の意図である。ついでしろ、ろ、と飛べば黒、は、のノビがきいて、上辺が大きく模様化し、これは黒として歓迎すべき局勢である。


5図

前図のまま白が手抜きしていると、黒1のハネが厳しい。白2なら黒3と二段バネして勢いがいい。ついで白、い、黒、ろ、白、は、黒、二、とするのは外の黒を厚くして疑問があるし、白、い、の切りには黒、ほ、と下からシボッて打つ手も考えられないではなく、白よしからざるものである。黒1は、ろ、のノビできかすケースもなくはない。切った一子が働いてくる。


6図

黒1のハネには白、い、とコスむくらいのもの。い、を、ろ、に取ると、黒、い、のツケをくらってぴったり封鎖される。


7図

黒7,9に対しては白10のカケツギが形である。これは4図黒1,3の手段に対処したものだが、その代わり、黒11の押しは無条件にきく。白12と伸びてこれはひとつの型である。


8図

白1のワタりの時黒2と切るのは悪手。白3,5の後、い、の切りと、ろ、のカカエを見合いにされて黒失敗。

石をさばく

2006-07-28 06:38:40 | さばき
2006/7/28/(金) 曇り



囲碁 石をさばく
さばきとは、物事のもつれをただすことをいうが、碁では重い石を軽く、危なそうな石を安全に、そして大きな意味で乱れそうな局面を手際よくまとめる行為をいう。

黒先 (小技)
白1にツケ、黒2のハネに白3と押さえたのは、ここに形を作ろうという手筋である。

さて黒はここでどう受けたよろしいか。その打ち方ひとつで、その人の棋力がわかろうというもの。


1図

黒1に切り、3と抱えるのは積極的だが、積極に過ぎるきらいがある。白4以下8とつき抜かれ、碁にもよるが、まあ乱暴のケースであろう。


2図

黒1と継ぐ。これはまた固くかしこまった打ち方であり、消極に過ぎよう。いささか利かされの感じである。


3図

前図のあと黒1,3と打っても、白に打撃を与えないのである。黒△の石のだぶつきが目に付くしそれに次図


4図

前図の後黒1と切るコウは、白2の後、い、と抜く手がきびしいので、黒は大手を振るってやっていくわけには行かないのである。どうも黒の打ち方は強弱のバランスが欠けているようである。


5図

黒1のアテから3に継ぐのもどうかと思われる、白をすんなりした形にさせ、後手を引いたのが気に食わない。この後黒、い、白、ろ、黒、は、と打っても、白、二、と構えられ、白の整形のお手伝いをしたようなものである。落第だ。


6図(正解)

黒1と切り、3に継ぐのを法とする。この切りの小わざがきいて、白4と後手を引かしたのが黒自慢。コウ打たねば及第点は差し上げられない。切り一本による上手いさばき筋と知られたい。


7図

前図を省くと、当然のことながら黒1に伸びられて白困る。3図の如くあとから切るのでは効果は薄いが、先に切っておけば白白手抜きできないのであるその差をとくと鑑賞していただきたいのである。


8図

黒1の切りに白2,4とまわすなら、黒5とついでいてよろしい。いずれ白6の手入れが必要となり、これを打たねば後に黒から、い、の切り若しくは、ろ、とハサミツケるような狙いが残る。実践では6図よりも本図のようになる可能性が高いが、いずれにしても1の切りがよい手

石をさばく

2006-07-27 08:00:08 | さばき
2006/7/27(木) 曇りのち晴れ

怒り心頭に「達する」7割 文化庁の日本語調査
2006年 7月26日 (水) 18:04

激しく怒る意味の慣用句として、本来の「怒り心頭に発する」を使う人が14・0%にとどまったのに対し、「怒り心頭に達する」を使う人は約5倍の74・2%に達するなど、慣用句の誤用が多いことが26日、文化庁の日本語調査で明らかになった。

文化庁は「日常であまり使わなくなった結果、本来の言い方が分からなくなったのではないか」としている。

調査によると、周囲の人に明るく振る舞うという意味の言葉として「愛想を振りまく」を選んだ人は48・3%。本来の言い方の「愛嬌(あいきょう)を振りまく」の43・9%より多かった。

はっきりと言わないことを意味する慣用句「言葉を濁す」は66・9%で本来の言い方が上回ったが、「口を濁す」も27・6%に上った。



囲碁 石をさばく
さばきとは、物事のもつれをただすことをいうが、碁では重い石を軽く、危なそうな石を安全に、そして大きな意味で乱れそうな局面を手際よくまとめる行為をいう。

黒先 (手抜き)
星に白1とササンに入り、黒3,4と打ったところ。

普通にはこのあと白、い、と押すところだが、ここで白は手を抜いたのである。その非をどう咎めるべきか?


1図

いずれにしてもここの出切りを狙うところだが黒1,3と打つのは切り間違いである。


2図

ついで黒1,3と二子をとっても、ポン抜きから白4と押す形がいかにも手厚く、これでは手抜きを咎めたことにはならない、まだしも1では4にアテて打ちたいところである。


3図

黒1の切りは白2のツギを予測し、次に黒、い、と抱えようという寸法だが、これは一人合点というものである。


4図

黒1の出から、3とこっちに切りを入れるのが常法である。さすがに白は外を継ぎにくい。4と一子を抱えるであろう。


5図(正解)

ついで黒1,3と外の一子をシチョウに抱え、一段落。この後シチョウの紛れを避けて、黒、い、のポン抜きをなるべく早めに打っておくべきである。ここにもう一手かけても、この厚みは四囲を制し、十分一手をかけただけの価値があろうというものである。なお黒、ろ、のサガリは半ぎき、つまりコウによる半分の利きである。


6図

黒1とここを切られたのに対し、白2とは継ぎにくい。黒3と隅の実利を取られるのが大きいからである。白4と押しても、辺の厚みはそれほどでない。2図のポン抜きから押した形とは、月とすっぽんの差がある。黒上上の結果と知られたい。


7図

黒1,3とこちらに切りを入れるのは、5図のシチョウが悪いとか、あるいは中を厚く打とうという目的で打たれるもの。黒5とアテ、白6の抜きの時さらに黒7とアテて、白に3の点のツギを強要する。黒、い、と伸びればこれはこれで立派な姿である。


8図

白の手抜きはあまりお勧めできない。1,3から5と直ちにここを押して打ちたい。

石をさばく

2006-07-26 07:55:09 | さばき
2006/7/26(水) 曇りのち晴れ

各地に被害もたらし梅雨前線は、ようやくおさまりました。
浦安も晴れです。

囲碁 石をさばく
さばきとは、物事のもつれをただすことをいうが、碁では重い石を軽く、危なそうな石を安全に、そして大きな意味で乱れそうな局面を手際よくまとめる行為をいう。
黒先 (工夫)

二段バネした後を、白1に切り、3と抱えてきた。黒はここの口を封じてしまいたいが、それを打つにも上手な人とそうでない人の間に、テクニックの上で相当な違いがあるものなのである。


1図

普通に考えて、こういうところは黒1,3と封じてもよさそうなものに思えるのだが、これはいささか工夫が足りないのではないか。この姿ではのちのち黒は荒らされてしまう。


2図

というのは、その後白1のノゾキが絶好となり3,5と左辺を構える余地を残すからである。これでは折角の厚みが働いてこない。つまりこの余地を残さない打ち方がないものかと考えてみる。


3図 白11はツギ

2図の戻って考えてみよう。白1と切る手はこわくない。黒2,4以下絞って12とする形がぴたっと決まるからである。よって白は1のキリからいかず2図のようにくるに違いないからである。


4図(正解)

こういう場合は、黒1と切り、白2のでのとき、黒3,5と打つのが形とされる。つまりいつでも白を絞れる形にしておいて、2図のように左辺に食いついてくる手を防ぎ、かつ自らの姿勢を安定したものにしようというわけである。1図のぽっきりした形とはだいぶ趣が違うのである。


5図

前図の後白1,3とするのは、黒4,6とアテついで何事も起らない。帰って自らの整形に役立って、黒として歓迎すべき打ち方である。少なくとも、この形は白からの切断の味はまったくないのである。

石をさばく

2006-07-25 07:29:22 | さばき
2006/7/25/(火)浦安 曇りのち雨

トピックス
8月15日靖国参拝「世論に影響されない」…首相
2006年 7月25日 (火) 00:46

 小泉首相は24日、自らの8月15日の靖国神社参拝をめぐり、世論の賛否が分かれていることについて、「(参拝に)影響しない。靖国参拝を世論調査の支持率で決める必要はない」と述べ、参拝は、世論に左右されず自ら判断するとの考えを示した。
 9月の自民党総裁選で、首相の靖国参拝が争点になるかどうかは、「争点になるとは思わない。個人の問題だ」と指摘した。

囲碁 石をさばく
さばきとは、物事のもつれをただすことをいうが、碁では重い石を軽く、危なそうな石を安全に、そして大きな意味で乱れそうな局面を手際よくまとめる行為をいう。
白先 力の利用

白はあまり大きなことをいえぬ局面である。ある程度の犠牲は覚悟するとして、ここをどうさばいたらよいのか?重い石を引きずり出すことだけは避けねばならない。


1図

白1とこの方の二個を動くのは疑問。黒2,4と上辺を制せられて実利を損するばかりでなく、動いた石も浮き草で黒からどんな攻めを食うかわからない。失格である。


2図

白3とハネダしても黒4と受けられて大事無い。1と動く着想が根本的に悪いのだ。


3図

白1とアテ、3に押す。どうももうひとつぴんとくるものがない。まだ白石は攻められる姿で、これも失敗だ。


4図

(切り) 白1のキリからいくのがよく、ここに着目しなければうまいさばきは得られない。


5図

(正解)黒2と逃げた時、白3,5と追う。7とハネて一段落。これをもってさばき形とする。三子を犠牲にしはしたが、しかし辺の黒と一子をほとんどは廃石にしてここに根拠をおろし、この別れなら白腹は立たない。アタリアタリで敵の逃げる石の力を利用し、外の一子にさわるような打ち方をしたのがうまい。さばきに特有の技法と心得られたい。アタリアタリが俗手とならない例である。


6図

前図の後、黒がここを何も打たなければ、形勢しだいで白1と動く狙いを残す。こういうところは、死んだふりをして、気を見て動き出すのがうまい作戦である。


7図

白1とコスミツケるのも考えられる手法。黒2と継がせ、白3とはハネてさばくが、5図ほどぴったりした姿でないから事前の策といえよう。この形では中の白2子が動けない姿となり、それが6図との差である。


8図

白1とケイマすのは、黒2と継がれ、次に白3と戻る姿が面白くない。黒、い、とサガって、根こそぎ白4子の攻めを狙われるからである。黒、い、は今すぐにでもやってくるであろう。

切りとしのぎ

2006-07-24 13:50:03 | 切断
2006/7/24/(月) 浦安 曇り

長野、なお大雨に警戒 関東の梅雨明けは8月?
(朝日新聞) 7月24日(月) 12:25

 梅雨前線の活動は24日も活発で、九州北部から甲信地方にかけて広い範囲で雨が降り続いている。すでに被害が出ている長野県では25日朝までに100ミリ以上の雨が予想され、気象庁は土砂災害などへの警戒を呼びかけている。


第7題 白無理
黒先 白1に切られた。これをどう処理するかが課題。

まず考えてほしいのは、隅に三本の厚みがあるということ。それを利用し、かつ手順を尽くして、白の横着を咎めていただきたい。


1図

これで碁が勝っているというんで、黒1,3と打った。しかしこれでは碁理に反する。取れる手があるものをとらぬというのではたとえ碁に勝っても真実に忠実でないという非難を受けねばならい。


2図

黒1,3とし、白4のとき黒5と引くのではさまにならない。白6で一手負け。


3図

黒1,3は強烈な頑張りだが、白4と押さえられて勝見はない。黒5、白6までだが、強いていえば次図


4図

ついで黒7に対して白8に飛ぶのがよく、黒9、白10までで攻め合い白勝ちである。


5図 黒7はツギ

前図のあと黒1とハサミツるなど論外であるが念のために言っておこう。黒の言うまま、白2とついでワタラせていていい。そして白4の打ち込みから6にアテ、以下10までで黒はなす術がない。


6図 黒10はツギ

また白1に対して黒2とついで来るなら、白3から5,7と念を入れて手順を尽くし、11まで、これまた黒抵抗のできない姿である。いずれも黒ツブレだ。どうも話が横にそれすぎたが本論はそんなところにあるのではない。


7図

(二段バネ) 白の切りの無理は、黒1,3から5と二段バネして咎めることができる。ただしこの手段に訴えるためには、後の読みが正確でなければならない。


8図

白6と切った時、黒7,9と下からまわして、白を団子にする。(通称グルグル回し)という


9図、10図


つずいて、白10の次に黒11のオサエが肝要であり、白12のアテの時黒13と切るのがこの形の一番大事なところ。白14に抜かし。黒15と継ぐことによって、白をカケメにする。ついで白16のハネには、黒17、白18と打ち交わし、黒19とはハネ一手勝ち。ここまで読みきらねば、残念ながら本題は完全にといたことにならない。下から絞って石を丸め、カケメにして白の手数をみじかくする。この操作にちょっとした技術を要し、その着想がなければ本題は永遠わからないであろう。隅の黒の三本の厚みは、こういう風にいかすのである。


11図

注意したいのは、10図黒17,19とする手順。白1のハネに対して素直に黒2と受けていると、白の手が伸びて、3,5で黒の方が先にとられてしまう。このアタリには十分に神経をはらっていただきたいのである。


12図

尚白1のツギの時、黒2とワタっていたのでは白を取ることなど思いも及ばない。白3と出られてこのアタマは止まらない。2とする着想では、辺を絞った意味がまったくなくなってしまう。


13図

また白1のアテに黒2とつぐのも落第である。しろ3のツギを与えて手が伸び、黒4、白5まで一手負けとなる。カケメにする技法がなければ攻めあいに勝てず、また本題は解けない理屈である。





切りとしのぎ

2006-07-22 14:47:37 | 切断
2006/7/22 (土) 浦安 曇り

丸の内に「巨大カマキリ」が出現
(ロイター) 7月22日(土) 9:27

 [東京 21日 ロイター] 東京・丸の内にあるオフィスビルのロビーに、巨大なカマキリのロボットが登場した。精巧な色使いが施されたリアルなこのロボットの全長は5.4メートル。相変わらずの雨模様となったこの日、ビルのロビーでは(訂正)、巨大カマキリを見上げる女性の姿などが見られた


第6題 (つばぜり合い)
白先 黒のツケヒキに、白手抜きして黒1の切りがきた形である。

後々白2の引きがねらいだが、ここで黒3と押してきた。白4とハネたら、なんと強引にも黒5に切ったのである。これを白はどうしのぐかである。


1図

まずいけないのが、白1の下アテから3と立つ手。5,7とハッテても、黒8,10をきかされ,12とノビられていけない。上辺を生きている間に中央を厚くされ、中の二子を攻められるからである。


2図

白1のハイから3とはネテても,こちらは応じてくれない。黒4で白死である。


3図

といって白1,3と二子を捨てるのはあまりに損。黒4と取っていて、白不利である。


4図

白1,3と抑えて辺に構えを作るぐらいではやはり割に合わない。黒4,6と二子を取られて、仮に上辺をヒラいたとしても、白の損は言うべくもない。こういう後退した考え方では道は開けない。


5図

それに前図黒4ではシチョウがよければ1と切り白、3と打つかもしれない。白、い、のシチョウが成立せぬと、これを種石にして戦いを起こし、どんな難題を吹っかけてくるかわかったものではない。


6図

(アテて押し) 白にシチョウのよい前提で話してみよう。白1とアテ、3と押すのがよい手である。これ、い、のシチョウと、ろ、のカカエを見合いにしたもので、こう打たれて黒苦しい。


7図

ここで黒も4に切りを入れ、6と飛ぶ手があって抵抗できるかに思えるが、いかにもこれは苦し紛れ。あまりいい結果は生みそうもない。


8図

(成功) ついで白は二子に当てず、1と打つのがよく、これで黒参る。2から4とハネダしても白5と受けてよく、黒6,8なら白9まで、黒悪い。ツブレである。


9図

前図の変化で、白1と打ったとき、黒2と伸びてくれば白3とはハネ込んで死命をせいする。7のカケまで、黒のうごけぬすがたである。


10図

白のケイマに黒1と単にツケるなら、白2のノビを利かして、4にオサエていてよろしい。黒これも大悪である。この後黒、い、のキリには白、ろ、とノビて黒に打つ手なく、また、い、で、ろ、に、挟みつけてくる手なども白、い、とついでわたらせてよい。


11図

黒1、白2のとき黒3と当て込んでくるなら、白4のアテから6のノビである黒7、白8のオサエまででこれも黒いけない。黒、い、の切りには白、ろ、黒、は、白、二、黒、ほ、白、へ、のハネで一手勝ち。ただし外のシチョウ関係のうるさい時は、白8で、い、と伸びて差し支えない。


12図

白1とアテ、5,7に伸びるのはよくない。黒10までで上辺の五子を取られてしまう。白9の切りでうるさい。


13図

さて白の押しに、黒1のキリから3とハネれば白どうするか?


14図

これには白4のキリから6と抜いていてよろしい黒7とアテた時、白8と上をアテ、黒9
の抜きなら、白10以下黒、い、白、ろ、黒、は、白、二、のシチョウで二子を取ってしまう。だから黒も9には抜いて折れない。


15図

白1のアテの時、黒2とでもトンでシチョウに対処しなければならないが、それなら白3とポン抜いて大いによろしい。黒4の時白5、7と活き、黒8でやっと上辺は姿を得たが、ポン抜きの厚みが素晴らしく、白の大いに歓迎すべき別れである。


16図


なお前図黒4のノビで1とケイマするのは悪く、すぐ白2とハネダされて困る黒3,5でコウになるが、白、い、とするそばコウがあるので部分的には黒かてない。つぶれも同然である。以上の如く、白はシチョウさえよければ6図の手段で打てるというのが結論である。


17図

尚白3のハネに黒4と抱えて戻るならおとなしく白5とカケツイでこれもひとつの型である。5は、い、に伸びることも出来る。


18図

白1には一般的に黒2と上に伸びるのが形である。白3と開いて、これが常型とされる実践にも多く現れる進行である。

切りとしのぎ

2006-07-21 07:22:23 | 切断
2006/7/21/(金) 浦安 雨のち曇り

第5題 (巧妙)
黒先 白1と切られて黒はびっくりである。

普通なら知らぬ方は石を二分されたと諦めて、、別々に世帯を持つことを考えるのだが、いやそんな必要はありませんといえば、さらにびっくりなさる筈。


1図

切られたところは仕方がないと、黒1,3から5と打てば、隅は活きるには活きる。しかし中の石が浮いて、この結果が面白いわけはない。


2図

黒1から3のオキは巧手。しかしこれとて5まで後手活きで、中の三子が浮いたことに変わりはない。


3図

白の切りに黒1とツケるのは、何か受ければ切った石を取ろうというものだが、ご挨拶賜るわけはなく、白2で隅は頓死。


4図

(アテからオサエ)黒1にアテ、白2、黒3と抑えるのは誰でも考える手だが、白4と一子を抱えられてそれから先が進まなくなる。ついで次図


5図

黒5とアテても、白6の抜きで、どうにもならぬという感じを抱く。


6図

ままよ、と黒7とわたり、白8のコウとなって、これで仕方あるまいという顔をなさる。惜しい、惜しい。もう一歩のところで黒は陥落した概があり、熱慮が足りなかった。コウにするのではいかにももったいなく、これは失敗である。


7図

(正解) 悪手と良手は隣りあわせという。こういう巧妙な手段は実戦でもたびたびある。