みなさん、Ciaoヨギです(´∀`)ノ
本日は近日発売される、エジ(メスト・エジル選手)の自伝をご紹介しますね。
本のタイトルはメスト・エジル「Die Magie des Spiels: Und was du brauchst, um deine Traeume zu verwirklichen」。海外の自伝って、なぜかサブタイトルが長いですよね(笑)。{Θ_Θ}の場合もご多分にもれず長めです。
こちらがドイツ語版のパッケージ。ちなみにハードカバーのほか、Kindle版やオーディオ版もあります。日本での発売予定は16日から!
さらにこちらはメスト・エジル「Gunning for Greatness: My Life: With an Introduction by Jose Mourinho」 (英語版)。毛利(ジョゼ・モウリーニョ監督)が序文を寄稿しており、英語版なのでドイツ語よりは読みやすいかもしれません。こちらの発売は4月20日の予定です。
さて、かんじんの本の中身ですが、リリースに先駆け独紙ビルトのインタビューとともにちょこっとご紹介しましょう!
まずは子供時代から。トルコ系としてドイツに育ったエジルは、自身のルーツに誇りを持っていると語ります。トルコ系ということで多重国籍かと思われがちですが、ドイツはもともと多重国籍を認めていないため、エジはドイツに生まれながらトルコ籍のみ保持していました。各国の多重国籍の選手において、どの国の代表選手としてプレーするかという選択は大きな岐路となるものですが、エジの場合はまず「変える」ことが必要だったのです。
ドイツでは2000年に国籍法が改正され、外国人の帰化の規制がいくぶん緩くなりました。これがエジにとって大きな役割を果たしていたことは言うに及びません。しかし帰化するかどうかという問題は、家族にとっても大きな出来事。当時は父親と兄以外、多くの親族が帰化に難色を示していたそうです。悩んだ末、エジの背中を押す言葉となったのは、兄の「エジルはドイツでプレーするべきだ。トルコは日韓W杯3位しか大きな成績を残せていない。それにひきかえ、ドイツはこれまで三度も世界の頂点に立っているんだから」という言葉でした。
その後、ついに2006年にドイツ国籍を取得。当時の選択に後悔はないとエジは語ります。のちにドイツのA代表としてプレーすることになったエジには、試合中に激しいブーイングが飛ばされることも。「そんな時でも、家族は自分の選択を尊重してくれたんだ」。
その一方で「ドイツ国籍になったからといって、自分のルーツを忘れることはないよ。自分はいつも右足からピッチに入るし、ベッドから起きるときも右足が先。左足でピッチに入ってしまったときは、ちゃんとプレーできなかった事もあるんだ。本来は左利きだけど、食事は右手で食べる。利き手を使うのは歯磨きなどの時だけ」と、イスラム教にのっとった所作を徹底しているといいます。
そんなふうにトルコ系としてのルーツを重んじているエジですが、家族との強い絆がゆらぐ出来事が起こります。当時レアル・マドリードでプレーしていたエジは「絶対にこのクラブから離れる気はない」という意思があったにもかかわらず、その時マネジメントをしていた父親・ムスタファさんとクラブ間の衝突のため、再び移籍を選ばざるを得ない状況に陥ります。同著では、そのときエジがどのようにして移籍先にアーセナルを選んだのか、各クラブの監督とのやりとりから問題を抱えた父親との葛藤まで綴られています。
いくつかのトラブルを乗り越え、いつの間にか代表選手として欠かせない存在に成長したエジ。「代表戦でドイツ国歌が流れる間、アラーに祈りを捧げている。これは子供の時から変わっていないよ。ウォーミングアップのときはもちろん、試合の前後にも祈る。そうすることで、自信と力がみなぎってくるんだ」。
……うん、ナニかがみなぎってる(;/´/Д`//)
という冗談はさておき、ドイツ代表として国歌を歌わないなんて!という批判の声に対して、エジはこう語ります。「チームの意志を統一させるべきという声もあるけど、レーヴ監督はそうじゃなく、多様性を重視してくれている。だから彼がロンドンに来てくれたときには、自分のいち押しのトルコ料理屋に連れていくよ。トルコの紅茶を飲みながら楽しく話をするんだ」。ちなみにエジのお気に入りのレストランは「Likya」だそう。
また、インタビューでは最近起こった代表選手に関するニュースへのコメントも。深夜にクラブの未成年選手を連れて飲酒および風俗店を訪れ、あげく現地の若者との暴行問題を起こしたグロ(ケヴィン・グロスクロイツ元選手)に対しては「彼がいまプレーできない状況になったのは悲しい。彼はとても明るく正直なタイプなんだ。自分は代表チームでプロフェッショナルにふるまっていた彼しか知らないし、事件を直接見たわけではないけど、アスリートは常にみんなの手本としてふるまう責任があると肝に銘じておくべきなんだ」と語り、さらに現在、体調改善のために休養中のゲコ(マリオ・ゲッツェ選手)については「すごくつらい。でも彼が1日でも早く復帰することを信じている。ドルトムントとドイツは彼を必要としているよ」と言及しました。
「アスリートとして、タイトルを手にしても決してそこで満足してはいけないと思う」とインタビューで答えていたエジ。さらに現在、移民問題に揺れるドイツとトルコ両国の関係については「自分は政治家ではなく、スポーツ選手。その話題に関してあれこれ口出ししたくはない。両国のつながりを信じているし、将来的には良い関係が続くことを願っている」とコメントしました。
そうそう、インタビューで「へぇ!」と思ったのが、多言語スピーカーとして生活することに関して。親戚やトルコ人の友人たちと過ごすときはトルコ語で会話するエジですが、子供のころからさまざまな国籍の人々が身近にいたことから「ひとつの言語より、さまざまな外国語を知っているというのは大きな自信につながると思う」とコメント。実際には4歳のころからドイツ語を学んで操るようになったそうですが「小さいころから友達とはトルコ語、学校ではドイツ語をしゃべる環境だったので、それを利用してドイツ語を身につけたよ」というエジ。「でも、まだ困るときもあるんだ。こんなふうに記者からインタビューされるときとか(笑)」と冗談を飛ばせるくらいバッチリになるには、やはり必要性と環境が大きくものをいうのかもしれませんね。
本の発行にあたって、長い間考えていたというエジ。「これまで自分がどのように育ち、キャリアを築いてきたのかという質問を多くの人から受けてきた。スポーツ選手をめざす子供のため、本当に必要なサポートが何なのか、自分と家族のありのままのケースを参考にしてもらえればと思ってこの本を出すことにしたんだ」と、今回の自伝を出すきっかけを語りました。
自伝にはこれらのエピソードのほか、エジの髪型変遷などファンなら大注目の内容がいっぱい! 日本からの注文が多くなれば、いつか日本語訳バージョンも発行されるかもしれません(過去には中国語版でのエジ本発行あり!)。350ページすべてエジル一色の同著、発売が楽しみです。
では、また☆☆☆☆
Regina Schmeken: Unter Spielern - Die Nationalmannschaft | |
女性カメラマンによる白と黒の静謐な世界で表現された、2012年のEUROの記録。 レジーナ・シュメケン著 ¥3,577 |
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Hatje Cantz Verlag Gmbh |
2014年W杯のドイツ代表を完全記録した写真の豪華装丁版。 |
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Edel |
One Night in Rio | |
2014年W杯のドイツ代表を完全記録。 |
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Edel |
Die Spieler. Die deutsche Fussball-Nationalmannschaft | |
2010年W杯メンバーによる写真集。 エレン・フォン・アンワース著 ¥5,699 |
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Zeitgeist Media Gmbh |
ドイツ代表 ドキュメンタリー
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Die Magie des Spiels: Und was du brauchst, um deine Traeume zu verwirklichen | |
Mesut Özil:メスト・エジル kindle版/Perfect版 | |
Luebbe |
Gunning for Greatness: My Life: With an introduction by Jose Mourinho (English Edition) | |
Mesut Özil:メスト・エジル Kindle版/ハードカバー版 | |
Hodder & Stoughton |