日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

新車 フォードKA 購入

2009年03月06日 08時53分04秒 | ブラジル事情
 新車を購入する契約を交わした。フォードのKAというモデルである。

 以前のモデルは車が三角錐みたいな形をしていて気に入らなかったが、去年大幅なモデルチェンジを敢行して一気に格好よくなっていた。

 今乗っている車はChevroletのCELTAというモデルである。2004年のモデルで2005年3月にレンタカー店で、半年くらい使用した車を中古車として購入した。

 当時、走行距離は既に1万4千キロを示していた。日本では既に当たり前だが、エアコンとパワーウィンドウがついている完全モデル(Carro Completo)。パワーステアリングはついておらずオプションだ。しかし、この車は排気量が1000CCの一番小さな大衆車で重量も軽いために、パワーステアリングがなくても全然気にならない。

 4年前はブラジルで初めて自動車を買うということで、中古車でも比較的新しい車を買うことによって、車強盗にあわないようにするとともに、長期間乗れることを前提にこのCELTAを選んだ。若者向けっぽい、スポーツ仕様のフロントも気に入って買ったのだ。

 結局この車に4年間お世話になった訳だが、2年半前に1度アパートの入り口で軽い接触事故をし、バンパーに傷を付けた。そして、それから1年の間に、自分の不注意などでバンパーを柱にぶつけたり、ドアをガリガリと傷つけたりしてしまい、外観はかなり悪くなった。

 でも、保険も使わず、修理しないで今まで乗り続けてきた。ある意味、車強盗の予防対策になるかなという考えがあったからだ。たくさんある車の中で、わざわざ傷がついた車を盗む奴もいないだろうと。ただ、格好悪いことは確かである。寝癖がついたまま会社や学校に行き続けているみたいなものだからである。

 ブラジルに車検制度はない。車のメンテナンスはその所有者の責任である。多くのブラジル人はお金がないから、車を3年のローンなんかで購入し、現金で買う倍の金額を払ってしまったりしている。このような状況であるので、彼らは車のメンテナンスにお金をかける余裕はない。故障して初めて修理にお金を浪費するのである。

 車のメーカーから直接購入した場合、説明書には1万5千キロごとに車検を受けるようにアドバイスが記載されている。しかし、この車検は義務ではない。従って、車の所有者によってする人としない人がいる。

 ブラジルでは道の真ん中に車が止まって、交通を妨害していることがよくある。運転者は必死にその場から車を退避させようと頑張っているが、彼らは車のメンテナンスをしていない人、またはしたくてもできない人だと言える。日本はその点車検があるために、道の真ん中に車が止まっているなんていう事態は、交通事故があった時にしかない。

 4年間乗って、現在の走行距離は約4万5千キロ。つまり、4年間で約3万キロ、1ヶ月当たり830キロメートル乗った計算になる。1万5千キロ走行するには18ヶ月、ちょうど1年半に1回ブラジルにおける車検をする必要があるということだ。

 僕の車は今回4万5千キロに達しそうなので、ちょうど車検をするタイミングである。しかし、車検をするとまたお金がかかる。去年はパワーウィンドウとアラームがいかれたために取り替えた。また、バッテリーも切れたために取り替えた。僕の車も4年目に入り、メンテナンスにお金がかかり始めたと言える。

 だから、ちょうど今が車を購入するグッドタイミングだと判断した。傷がついていない新しい車で気分もいいし、車検代もかからないし、今年かかるであろうメンテナンス費も新車を買えば全くかからない。全てを総合すると、対費用効果として買い替え時なのだと思う。

 さらに、世界金融危機に伴う自動車業界の販売の急激な落ち込みへの対策として、ブラジル政府は今年1月から3月まで車の一部の税金を下げ、1000CC以下のものは一部の税金を免除する臨時措置を取った。この政策により、販売数が持ち直したわけではないが、少しでも安くなっていれば、僕としては車を購入するのに十分な動機になりうる。 

 今回購入契約を交わしたフォードのKAも1000CCで2ドア。実はこの車に4ドアは存在しない。人を乗せることも少ないので2ドアでいいかなと思った。また、パワーステアリングもエアコンもない。この車は重量が軽いので、パワーステアリングはなくても恐らく不自由を感じない。

 エアコンはあったほうがいいが、今乗っているCELTAでは、実際にはほとんどエアコンを使わなかった。基本的に市内しか乗らないので、エアコンをつけるほど長距離を走らないというのが1つの理由である。また、エアコンをつけて走行すると、エンジンが非力なためにスタートの加速がやたら遅くなる。だから、エアコンの有無はそれほど重要ではない気がする。エアコンを付けようとすると、パワーステアリングもセットで一緒に購入しなければならず、価格にして4000レアルも高くなる。だから、対費用効果的にあまりいい選択だとは言えない。

 日本では新車で購入しても3年も経つと売る時の値段は一気に下がる。しかし、ブラジルの場合、6,7年経っても結構いい値段で売れる。日本人は新しいものにしか価値を認めないが、ブラジル人は実用性を優先するために、中古車市場にも確実に購入者がたくさんいる。新車が購入後に一気に値崩れを起こさないのは、僕にとってありがたい。

 ブラジルでは車は立派な財産とみなされ、例えばマンションなどを購入する際にそれを抵当としていれ、マンションを購入することも可能である。日本ではまず考えられない話なのではと思う。

 本当は今の車は10年くらい乗ろうと決めていたが、実は4年ごとくらいに車を買い換えていった方が、結果として安くつくのではないだろうかと考え直し始めた。買えるような状況にあれば、買ったほうがいい。僕は明日死ぬことだって大いにありうる。それは誰にも分からない。後で後悔しないためには、今やりたいと思ったことをやればいいのだ。

 新車は3週間くらいかかるそうだ。首を長く伸ばして待ちたい。
 

 

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