日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

ブラジル芸能界(音楽編)

2005年06月17日 05時33分42秒 | ブラジル事情
 最近あまり音楽を聞かない。別に興味がなくなったわけではない。聞く時間がなくなったのが大きな理由である。まず、仕事で忙しいから絶対的な自由時間が少なくなり、その少ない時間を音楽を聞くために当てられないのである。さらに、結婚してからは嫁さんに気を使い、子供ができてからは子供に気を使うため、聞けないのである。嫁さんは子供のために日本語の童謡やらブラジルのポルトガル語の童謡やらを聞かせている。子供がそれを聞いて楽しそうにしていると、とてもじゃないが自分が好きな曲を聞こうという意欲は失せてしまう。

 ポルトガル語の童謡はテレビの子供向け番組司会者のシューシャが歌ったもの。シューシャは元ペレの恋人として芸能界にのしあがってきたなりあがり者で、アイルトン・セナの恋人でもあった。彼女が今のブラジル芸能界の女性の成り上がり方の王道を築いたと言えるが、彼女ほど成功した人はまだいない。ちなみに、彼女は僕が今住んでいる州の出身である。(ポルトガル語でガウーシャという)僕がブラジルに来た7年前は彼女の全盛期であったが、マネージャーが変わって以降のここ2、3年は視聴率が取れず、そのカリスマ性はかなり薄れてきており、もうしばらくしたらテレビから消えるんじゃないかと思う。

 ここでブラジル人女性の芸能界成り上がり方についてちょっと触れておくと、一番手っ取り早い方法が超有名人を利用すること。一番いい方法はサッカーのロナウド選手の隣で写真を取られること。恋人になるのはもっといい。ブラジル国内はおろか、世界各国の芸能誌を賑わす訳だからその宣伝効果は計り知れない。1ヶ月ほど前、ロナウドは結婚した妻と3ヶ月にも満たない結婚生活で破局。(両者とも前の結婚において法廷で離婚訴訟中であるため、正式には法律上結婚できない)その元妻はその次の週には別の男とキスしている写真を撮られているのだから開いた口が塞がらない。彼女はロナウドとの恋愛発覚後ギャラが3倍以上にアップしているわけだから、効果は抜群なのである。

 話が随分脱線したが、ブラジルの音楽の話に戻すと、僕が来た当初は、アシェーというジャンルの最盛期。ハイテンポで、エネルギッシュのダンスを前提にした音楽。ブラジル北東部から生まれた音楽で、あちらではまだあるようだが、2年くらいで下火になった。また、ちょうど同じくらいに出てきたのがセルタネ―ジョというジャンル。基本的に2人の男性が西部劇の帽子やら服装などをして、高音でカウントリーミュージックを歌いあうスタイルで、男性のはかない恋心を歌うものが多い。このセルタネ―ジョはまだ生き残っている。次に出てきたのがファンク。あのおしゃべり口調でどうでもいいことを歌うやつ。一時はこればかりだったが、今は随分自然淘汰されたようだ。

 はっきり言ってブラジル音楽は聞かないようにしている。ポルトガル語を毎日話しているだけでもストレスたまるのだから、せめて歌ぐらい自国のものを聞いてストレス解消にしたいと思っているからである。でも、車を買ってから、車の中でラジオを聞いているとどうしてもブラジル音楽を聞いてしまう。最近の流行曲が分かっていいのではあるが、本当ならCDラジカセいれて日本の曲を聞きたい。ただ、CDラジカセが車についていると、それだけ盗難にあう確率が格段にあがってしまうため、断念している。こういうとき日本の治安の良さがうらやましく思ってしまう。

 日本の音楽シーンのことははっきり言って全然分からないのだが、売り上げトップチャートなどを見ていると、知らないバンドばかりである。果たしていい曲があるのだろうか。とりあえず日本人に生まれてきて良かったと思えるような、詞と歌声、楽曲の曲を聞きたいね。日本人にしか分からないような「わび・さび」のある曲。

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4 コメント

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Unknown (ファビ(Fukunaga))
2005-06-24 21:02:35
コンスタントに書いていらっしゃいますね。

AXEは私の中ではまだまだ熱いんだけどな。

今度Iveteが来日するんで行って来ますよ。



今朝、フロリダのルシアさんからの手紙が届いてて、仕事の前に読みながら一人でぼろぼろ泣いた。嬉しい。

サウダージってこんな感じ?

中村さんのおじいさんはお元気だそうです。
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ありがとうございます (カント)
2005-06-22 19:49:25
よくわかりました。

だいたい予想通りです。

一部に愛好者が残ってるんでしょうね。



日本では「小野リサ」さんというブラジル育ちの女性が有名です。とてもいい声ですよ。



ところで、今夜のサッカーは「ブラジル対日本」で、こちらは朝から盛り上がっています。

日本が勝手に盛り上がってるんでしょうが、ブラジルとは滅多にできないので大目に見てやってください。

私もなんとか午前3時半に起きる!(つもり)





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返答 (たけちん)
2005-06-22 00:09:44
 私もブラジルに来てからギターを習い始め、ボサノバを最初は弾いていました。



 ボサノバは残念ながら基本的に若者からは受け入れられていないジャンルです。ちょっと大人が行くようなバーではかかっています。



 トム・ジョビンという人が代表的人物ですが、彼はもう亡くなってしまいました。唯一の継承者ともいえそうなジョアン・ジルベルトという人がまだ活躍していますが、私の生徒に聞いても知っている人はいません。完全に40歳から50歳代以降の人のジャンルと化しています。



 答えになりましたでしょうか。
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はじめまして (カント)
2005-06-21 20:50:41
ボサノバ大好き、日本語教師です。

ポルトガル語は全然わかりませんが、音だけを頼りに、今3曲覚えました。

ブラジルから留学生が来たら、正しい発音を教えてもらおうと思っています。



ボサノバは、ブラジルの音楽ではどういう位置づけですか?今でもよく歌われるんですか?

あの「けだる~い」雰囲気を考えると、若い人が好んで歌ってるとは思えないんですが。



もう何百回も聞きましたが、拾えない音は、何回聞いても拾えませんね。

語学を習う学生の苦労を味わっています。



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