日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

日本移民100周年記念本出版

2008年08月15日 11時14分52秒 | ブラジル事情
 ブラジルに日本人移民がやって来て今年がちょうど100年目。
 
 それを記念して今月日本人移民に関する著書が出版され、サンパウロのブックフェアで大々的に出版イベントが開催される。
 
 著書の内容は以下のサイトにあるので、参照されたし。

 http://www.noovhaamerica.com.br/
 
 僕はサンパウロ在住の翻訳者を通じて、この著書の翻訳を手伝わせていただいた。そして、彼女の心遣いから僕の名前が翻訳者として掲載されることになった。翻訳を始めて5年以上になるが、僕の名前が翻訳者として掲載されるのは初めてである。しかも、ブラジルへの日本移民100周年を記念する著書に名前が載るというのは大変光栄なことである。
 
 一昨年は僕の地元のサッカークラブであるインテルナショナルが世界クラブ選手権で日本に行った際に、クラブのオフィシャルブックの日本語訳をすべて僕が担当したが、本には会社の名前しか掲載されなかった。別に掲載されたからどうだということはないが、やはり嬉しいものだ。
 
 基本的に翻訳者というのは縁の下の力持ちであり、あまり日の目を見ない仕事である。文学作品ならばともかく、実用書やマニュアルでは翻訳者の名前が載ることはない。読者は訳者の情報には全く関心がないからである。
 
 今年前半は移民100周年の影響からか翻訳の仕事がひっきりなしに入ったが、ここ2ヶ月は小さな仕事しか入っていない。翻訳の締め切りに追われると、精神的にきつくなるが、仕事がないのもまたつまらないものだ。やはり適度な量の仕事をもらって、その翻訳を毎日こなしていけるような状況が理想的である。
 
 個人的には翻訳よりも日本語の授業のほうが好きである。しかし、理想的にはどちらの仕事もバランスよくこなして、僕の日本語・ポルトガル語の能力を総合的に高めていけたらいいなと思っている。仕事としては別物だけど、言語を扱っているという共通点もあることから、それぞれ補完しあえることも多いと思うからだ。
 
 現在日中に勤めている会社では派遣社員である。従って、来年度も雇われる保障は全くない。もし解雇された場合は、翻訳者としての仕事を見つけようかなと考えている。給料がどのくらいなのかはよく分からないが、サンパウロなどではよく翻訳者を探している。フリーランスとしてではなく、どこかの会社の専属の翻訳者として1度毎日翻訳漬けという状況を体験して見るのもいいかもしれない。
 
 仕事というのは慣れである。毎日のようにマニュアルなどの翻訳をしていれば、もうある程度機械的に翻訳できるような能力が身についていくんじゃないかと想像する。そして、そういうのはある意味職人の仕事だから、貴重な人材として重宝され、食いっぱぐれがない。
 
 もちろん今回の移民本をきっかけに僕の名前が翻訳者として知られ、個人の翻訳の仕事が増えればそれに越したことはないが、人生そんなに甘いものではない。取り敢えず、会社に専属して、少しずつ実力をつけていくというのが王道なのではないかと思う。
 
 とにもかくにも自分が好きな仕事を続けていけたらいいと思う。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿