ゆきちゃん通信++tomiの日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日と
母の生活を綴っています。

就学の記録 その3 普通学級の見学

2016年03月03日 | 就学の記録
これは18年前、由紀子が保育園の年長さんの頃に
小学校入学に向けて私が行動した時の記録です。
あくまでも由紀子の母として
見たり、考え、感じたことを書いています。
その事をご理解の上お読みください!




特殊学級の見学をした後、
4時間目の授業で普通学級の見学をしました。

このクラスには2年生の
自閉症の男の子K君が在籍していました。
お母さんと知り合いだったので
K君とは顔なじみでした。

担任の先生は50代後半のベテランの女性の先生でした。

あぁ、昨日書き忘れていましたが
特殊学級の先生は30代の女性の先生です。


・・・・

K君くんの学級の国語を見せてもらった。
教室に行くと私の机とイスが用意してあって、
先生にずいぶん力が入っているような気がした。
少し、困ったと思った。私が見たいのはいつもの授業なのだが・・・。


K君は、教室に入ってきた私を見たとき
「知っている人」と思ったようだった。

先生がK君に作業をさせようとしたとき、
黒板の前でニコニコしながら床に寝そべってしまった。
慌てたのは先生。
「いつもはこうではないんですよ!
いつもはもっと言うことを聞いて、
お利口さんなんですよ」
と何度も繰り返していた。

あまりに先生が動揺していたので、
私の方がたまらなくなって
「先生いいんですよ。
K君は私を知っているので照れているんです。」
と言ってしまった。

K君がパニックを起こしているのではないことは解っていた。

その姿を見た子どもたちは
別にびっくりする事もなく、笑ったり、あーあと言うような感じだった。
前の席の女の子がK君の手を引っ張って席につれていった。

先生は国語の授業で
K君に黒板に張り物をする係りをさせたかったようだった。

いちごや、女の子や熊の絵に磁石を張って、
教科書の話に合わせて張っていく係りだ。

前半は床に寝そべって何もしなかったが
後半は熊の絵を持って楽しそうにしていた。
リラックスしたK君の顔が印象的だった。

しばらくして、気がつくと近くの男の子の下敷きをとって楽しそうに見ていた。
ポケモンがついているようだった。
下敷きを取られた男の子は何も言わずそれを許していた。

退屈そうにしていると先生が
「はいK君出番ですよ」
と言って仕事を与えてくれる。

そして、「はい席に戻って」と言われると
前の席の女の子に連れられて席に戻る。


その仕事が何を意味するのか、
たぶんK君には解っていないだろうと思った。
それでいいのか?
授業への参加とはこういう形しかないのか?
少し考えてしまった。



K君は先生が自分の近くにくると先生の手を取ったり、
前に出ていって抱きついたりしていた。

先生の事をとても信頼しているように見えた。

先生もしっかりそれを受け止めていた。
黒板の前の席に2人で座って授業を進めたり、
とても優しい印象があった。

K君に気を配りながらも授業にゆとりがあった。
さすがにベテランの先生だと思った。


気になったことが一つ。

特殊学級のAちゃんの時もそうだったが、
お世話係の子どものことだ。

K君のお世話係は前の席の女の子。
まるで母親のようにK君の世話をしていた。
K君が横を向いていると席を立って前を向かせ、
寝そべって動かないときには手を引いて席までつれていく。
道具の出し入れなど、何から何までお世話をしていた。
これでは、あの女の子が居ないと
K君は何もできなくなるのではないかと思った。

先生も何かあるとその女の子にK君の事を頼んでいた。
40人を相手に授業をするのだから
それは仕方がないことなのかもしれないけれど・・・・

・・・・・



授業の後、担任の先生と話をしました。

「障害があっても、普通学級に入れるべきだと
自分は思っています。」

と、はっきり言われました。

きっとその理由も話されたと思うのですが
なぜか私はそれを記録していません。


記録しているのは
特殊学級の担任の先生と
障害児教育の考え方の違いから
仲が悪そうだということ!(笑)

感情的な言葉が多かったので
ここには書きません。


同じ学校の中でも
考え方の違う先生たちがいて
対立している印象を受けました。


そんな事は当たり前のことだと
今は思いますが
その頃の私は戸惑っていました。



何度も書きますが
この授業風景は18年前のことです!
今悩んでいる人の参考にはならないと思います。
ごめんなさい!


迷っていらっしゃる方は
ぜひ、自分の目で見て、感じてみてください。


翌日も、このクラスの
算数と体育の授業を見学しました。

確かに、教育委員会で
「何の授業を見たいですか?」
と、聞かれた時に
ダメもとでたくさん希望を出していたのですが

本当に全部、予定を組んでくれていました。(笑)


・・・つづく・・・
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就学の記録 その2 学校見学

2016年03月03日 | 就学の記録
これは18年前、由紀子が保育園の年長さんの頃に
小学校入学に向けて私が行動した時の記録です。

あくまでも由紀子の母として
見たり、考え、感じたことを書いています。
その事をご理解の上読んでください!




教育委員会が学校見学の手配をしてくれたので
さっそくF小学校の特殊学級(特別支援学級)の
見学に行きました。

その時の記録です。

・・・・・・・・
<5月26日 F小学校 特殊学級 生活の授業>

教室に着いたときまだ休み時間だったので、
廊下で待っているように言われた。
教室の中ではAちゃんが先生に叱られているようだった。
何で叱られているのか解らなかったけれど、
厳しい先生のようだ・・・
それがY先生の第一印象だった。

見せていただいた授業は、
まるで療育センターでの訓練のような授業だった。
同じ事を何回も繰り返すことはせず、
子どもが飽きないように次々とプログラムを進めていく。

○床に輪を並べてケンパ。
○ブロックの上を渡らせる。
○縄跳び
○マッサージ
○気分転換のためにお茶の時間
○ビーズ通し       


先生がマッサージの時に
Aちゃんのかかとを指して、
「Aちゃんは入学してきた時は、
つま先で歩いていたのでかかとが発達していなかった、
最近やっとかかとをつけて歩けるようになった。」
と話してくださった。

次は指先が発達していないこと、
それでも握る力が強いことなど
Aちゃんの身体の細かなことまで把握した上で
訓練されていることがよくわかった。

 Aちゃんに対する口調は厳しく、
あまり甘えることを許さない感じがした。

それでも、Aちゃんと先生の間には
しっかり信頼関係が出来ているように見えた。



先生に、将来のためにK養護学校も見学に行くとお話ししたら、

「自分の子が20才の時にどのようになっていて欲しいか
しっかり見据えて先に先に準備を進めてください。
子どものために必死にならなければいけない時が何度かあります!」


といわれた。
今がその時なのかもしれない。


<特殊学級での一日の生活の流れ>

Aちゃんは、親学級に登校して、
朝の始まりの会に参加してから
特殊学級の教室に一人でやってくる。

特殊学級では生活と名付けられた授業を受ける。
親学級との交流は音楽・体育・図工・給食
(先生は体育以外はついていかないと言うことだった。)
親学級で終わりの会に参加して下校する




<親学級との交流・音楽の授業>

20分の休み時間の後、音楽室の前で待っていると、
親学級の子どもたちと一緒に一列に並んでAちゃんがやってきた。

休み時間中、私はY先生と話をしていたのだが、
この20分間Aちゃんが親学級の子どもたちと
どんな風に遊んでいたのか見に行けばよかったと思った。

今日の音楽は鑑賞の時間だった。
世話好きそうな女の子2.3人にはさまれるように座ったAちゃんは
落ち着いた様子でみんなの中にいた。

特別なこともなく時間が過ぎたが、一つだけ気になったのは
回りの女の子たちがAちゃんのお世話を競ってすることだった。

交流の時間だけのことだから良いのかもしれないが、
これが1日中になると依存の気持ちが大きくなって
自立の妨げになりそうな気がした。

クラスの仲間に受け入れてもらうことは、
お世話をしてもらうことだけではないと思うのだが、

お世話をしてもらわないとクラスの中では
みんなに付いていけないのかもしれない……。
むずかしいと思った。

・・・・・・




もう18年も前の小学校の様子ですから
今はもっと違う授業風景なのかもしれません!


その当時でも
私が特殊学級に対して持っていたイメージと
現実はかなり違いました。


見学が終わった後の記録に
こんな事が書いてありました。


・・・・・・・・・・

<特殊学級について思う事>

昔、私が小学校の6年生だったとき、
隣のクラスが特殊学級だった。

たぶん私たちが親学級だったと思うが、
交流は運動会の時だけだった。
誰がそのクラスにいたのかさえ覚えていない。

そのころの特殊学級のイメージは、
私たちが踏み込んではいけない場所、
学校の中でそこだけは違う場所のような気がした。
隣なのに覗いた覚えさえない

でも、今日見た特殊学級はとても開かれた明るい場所だった。
休み時間に子どもたちが覗きにやってくるし・・・・。
親学級との交流もたくさんあって・・・・。

私たちの年代は、
今の特殊学級の状態を見た事がなければ
昔のイメージで考えてしまうだろう。

これが普通学級へ障害児を入れたがる
理由の1つなのかもしれないと思った。
私は現在を、しっかり見て考えようと思う。

・・・・・・・・




今、子どもの就学について
悩んでいるお母さんたちも
自分の小学校時代のイメージで
進路を考えてはいけないような気がします。

今はどうなのか?
それを自分の目で確かめた方がいいと思います。



後日、友人と話をしている時に
彼女の子どもから特殊学級の様子を聞くチャンスがありました。

その子どもさんは別の小学校の親学級の児童なのですが・・・

子どもの言葉はストレートで正直でした。(汗)

その事も記録してあったので書きます。


・・・・・

その子が通う小学校の特殊学級にいる子どもの名前はRちゃん。

給食の時間に親学級に行ってものRちゃんの机は無いという。
毎回後ろに片付けられた机を自分でもって来て食べるらしい。

クラスに欠席者が出たときには欠席者の机で食べる、
3日も休みが続くとその子はそこが自分の机だと思いこんで動かず、
その席の子とトラブルになるらしい。

親学級の子どもたちはそれを
「Rちゃんはわがまま」
と言って仲間とは感じないと言った。

でも、それはRちゃんの責任ではないだろう・・。

親学級の子どもからその話を聞いたとき、
どうして特殊学級の担任の先生は
親学級の先生に改善を要求しないのか腹が立った。
そして悲しかった。


特殊学級の良し悪しは
担任の先生によって大きく違う事を
この時に強く感じた。

・・・・・・・



この時に感じた
担任の力の違いで子どもの環境が違ってくることを

その後、学校生活を送る間
ずっと感じ続けることになりました。

この時点で大事なことを
ちゃんと感じ取ることのできた母に拍手です!(笑)



この日、午後からは
自閉症の男の子が在籍している
2年生の普通学級を見学しました。

・・・次回につづく・・・


コメント (4)
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就学の記録 その1

2016年03月01日 | 就学の記録
昔の由紀子の記録を整理していて
「就学の記録」を見つけました。

今から18年も前の事ですが
新しいカテゴリーを作って
記録を整理しながらここに残してみようと思います。


その頃、私たちは五島列島の福江島に住んでいて
地元には養護学校(特別支援学校)がありませんでした。


手厚い支援が必要な重度の障害児は
小学校1年生から親元を離れて
長崎の養護学校の寄宿舎に入っていました。


そのせいか、小学校には障がい児がたくさんいて
特殊学級(現在の特別支援学級)もありましたが
親が希望すれば普通学級への入学も容易でした。


私が親しくしていた先輩ママたちも
みんな子どもを普通学級に入れていました。



そんな環境の中で
私は悩んだ末に
由紀子を特殊学級へ入学させました。

その結論にたどり着くまでの記録です。



注)この記録は私の主観がかなり強く入っています。
由紀子の特性を踏まえて、物事を見て考えています。
それをご理解の上、お読みください!






障害のある子どもをもつ親は
その子が小学校へ入学をする時
多かれ少なかれ、誰もが不安を抱えると思います。


私も、由紀子が保育園の年長さんになった時
その不安に取りつかれてしまいました。



今でこそ、立派な重度の自閉症者に育った
由紀子さんですが・・・(笑)


その当時は、療育手帳の等級はB2で
いつもニコニコしていておとなしくて
軽度の自閉症だと言われていたんですよ。

嘘のような本当の話!(笑)
(´¬ω¬`) ウソォーン?!




保育園生活は
周りの子どもたちに助けてもらいながら
毎日楽しく過ごすことができていました。


先輩ママたちから
低学年の時には普通学級の方がいいと
アドバイスをもらっていた事もあって

普通学級でも
やっていけそうな気もしていたのですが・・・




由紀子の独特のこだわりの強さや、
言葉の遅れ、身体能力の低さを
考えた時に


もしかしたら、特別な訓練のような、
もっと手厚い支援が必要な気もして・・・

特殊学級という選択肢もあるのではないかと
思う気持ちもありました。


どっちが由紀子の居場所なのか?
(o〃_ _ )oうぅ・・・ん


わけの分からない不安と迷いで
混乱している時

保育園の担任の先生に

「今は悩むべき時期なのかもしれませんよ?!
ゆきちゃんの為にいっぱい悩んであげてください。」

と、言われて
すごく勇気づけられたのを覚えています。

単純な・・・いや!素直な私は
その時から、本当に頑張りました!!(笑)



最初に始めたのが学校見学です。

当時の日記です。

5月6日(水)
教育委員会に行って就学相談について話を聞いてきた。
あちらから話がくる前に学校などを見に行っておきたかったので
先手を打って自分から出かけてみた。
就学相談の手順などを丁寧に話してもらえてよかった。
学校の見学も仲介をして下さると言うので任せることにした。

◎F小学校(由紀子が入学予定の学校)

      普通クラス(自閉症の子が在籍)
      特殊学級(今年度は在籍者1人)

◎S小学校
      特殊学級(今年新設された複数の子が在籍)

◎K養護学校

5月の後半から6月のはじめに日程を決めてもらうことにしてきた。





つまりは、自首をしたわけです。(笑)

教育委員会は怖いところのイメージがありましたが
行ってみたら、意外にも親切なところでした。(笑)


私が希望をした全ての学校と連絡を取って
見学の日程を組んでくれました。


こうして、由紀子の就学活動が始まりました。


・・・つづく・・・
コメント (2)
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