ゆきちゃん通信++tomiの日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日と
母の生活を綴っています。

ゆきちゃん通信 No23 その2

2006年02月28日 | 新聞 ゆきちゃん通信
これは由紀子が一年生になったのをきっかけに
お世話になった方たちに郵送していた新聞です。
それを日記風にアップしました。
もともとの新聞としてPDFで見ることもできます。


2006年2月11日発行

ゆきちゃん通信 NO23


学 校

一学期の途中から学校へ行けない日が多くなって、
先生方には本当に心配をおかけしました。

口癖のように「学校へは行かない!」と言い続ける由紀子が
どうすれば安心して学校へ来られるようになるのか・・・

先生方は何度も話し合いを重ねて由紀子のために
プログラムを作ってくれました。



スケジュール表を利用して由紀子に学校生活の見通しを持たせ、
参加できない校外学習の時は
別メニューの学習課題を用意して学校で留守番をすることも
許してくださいました。


最初は戸惑っていた由紀子ですがだんだん笑顔が見られるようになって、
2学期の中ごろにはなんとか授業に参加できるようになりました。

今ではほとんどお休みすることもなくなりました。

先生方の理解のおかげで、
由紀子はやっと新しい学校の中に
自分の居場所を見つけることができました。




学校の作業学習は織物班です。
カランコとよばれる機械で布を織っています。



これが出来上がった作品です。
由紀子らしい配色に仕上がっています。



10 月に行われた「虹のまつり」では
中学部の出し物「龍踊り」のシンバルを担当しました。

おくんち見学に行こうと言い出したのもこの影響でした。
きっと本物の龍踊りが見たいと思ったのでしょう。




11月に行われたマラソン大会にも参加することができました。

当日の朝に「マラソンは嫌だ!」と
パニックを起こしたので心配をしたのですが、
担任のH野先生の腕にすがるようにして、
運動場へと出てきました。

走るというよりは歩くといった方がピッタリでしたが
決められた距離を最後まで頑張って走りました。




H崎先生


由紀子の荒れる日々は側にいる私にとっても
大きなストレスになりました。

家族もいろいろ助けてくれるのですが、
夏休みは2人きりの時間が長くて、
休みが終わる頃には精神的にも肉体的にも
疲れきってしまいました。

このままでは共倒れになってしまう!

そう感じていた頃に助けてくださったのが、
音楽療法でお世話になっているH崎先生でした。

介護ヘルパーとしてもお仕事をされている先生が
由紀子の生活支援を引き受けてくださったのです。

2年前、音楽療法を始めた時に大きなパニックを乗り越えて
由紀子との信頼関係を築いた経験を持つ先生の存在は
とても心強いものです。

現在はガイドヘルプ、身体介助といろいろな手立てを使って
私たちの生活を支援してもらっています。

おかげで私も気持ちを立て直して、
また由紀子と向き合えるようになりました。

音楽療法も現川へ通えなくなった由紀子のために、
お友達の教室を借りて大村でレッスンを再開してくださいました。

しかも、教室を提供してくださるT中先生も
レッスンに参加してくださることになり
音楽の世界がまた広がりました。

音楽が好きなのにこだわりが強くて
素直に楽しめない由紀子にとって
音楽療法はとても大切な時間です。

いつも由紀子のことを親身になって考えてくださる
H崎先生に本当に感謝しています。


基礎体温

由紀子を苦しめているのは月経前緊張症です。
これはホルモンの作用で起ることなので治療の方法はありません。

その時々に対処していくしかありません。

由紀子が女性へと成長して行く事を喜びながらも、
なぜ由紀子ばっかりがこんなに苦しまなければならないのかと、
悲しく思えてなりませんでした。

ついつい後ろ向きになってしまう私の相談にのってくださるのが
主治医のA川先生と性教育のM原先生です。

M原先生の基礎体温を測ってみたらどうかと言うアドバイスで、
夏休みから基礎体温を測り始めました。

おかげで由紀子の身体のリズムが掴むことができ、
緊張症の始まりと終わりの予測がつくようになって、
ずいぶん気持ちが楽になりました。

そして、A川先生が処方してくださる薬でのおかげで不眠が解消されて、
以前のような激しいパニックを起こすこともなくなりました。

まだ一月の半分はイライラして憂鬱な日が続きますが、
今は「これが由紀子の生活リズム!」と受け入れ、
うまくつき合っていこうと思えるようになりました。


編集後記

今回の通信を書くのにはとても時間がかかりました。
由紀子の変化が大きすぎて、どうまとめればいいのか解らなかったのです。

そして、その変化について行けなくて、
うろたえてしまった自分の姿を思い出しては恥かしくなって
一度書いた文章を何度も書き直していました。

今まで、「趣味は由紀子を育てること」と言ってきた私ですが、
大人になろうとしている由紀子を支えて行くのには、
そんな甘いことを言ってはいられなくなりました。

もう家族の力だけでは由紀子は支えて行けないのかもしれません。

今回も本当にたくさんの方に助けていただきました。

教育・医療・福祉。
それぞれの立場から適切なアドバイスと支援をいただいたおかげで、
こんなに短期間で由紀子の笑顔を取り戻すことができました。

本当にありがとうございました。

これからもみなさんに助けていただきながら、
由紀子の成長を見守って行きたいと思っています。

よろしくお願いします。


ところで、由紀子にはやはり笑顔が似合いますよね!

私はこの笑顔が大好き!

この笑顔があれば幸せなのです。

反省はしても私の親ばかは治りそうにありません。(笑)


tomi


=END=
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ゆきちゃん通信 No23 その1

2006年02月28日 | 新聞 ゆきちゃん通信
これは由紀子が一年生になったのをきっかけに
お世話になった方たちに郵送していた新聞です。
それを日記風にアップしました。
もともとの新聞としてPDFで見ることもできます。

2006年2月11日発行

ゆきちゃん通信 NO23


みなさんお元気ですか?
前回の通信で由紀子のつらい様子をお伝えして、
みなさんにすっかりご心配をおかけしてしまいました。
たくさんの方から励ましのお手紙やお電話をいただきました。
本当にありがとうございました。
あれから8ヶ月。
今回の通信はその後の由紀子の様子と
お世話になったみなさんのことをお伝えします。


゚・。+☆。笑 顔。☆+。・゚


まずはご報告です。
私の宝物の「由紀子の笑顔」が戻ってきました。

ちょっと太目になりましたが、
やっぱり由紀子には笑顔が一番似合います。

前回の通信でお知らせしたとおり、
引越しをして養護学校への入学、そして月経前緊張症と
一度に起きた変化にすっかり押しつぶされてしまった由紀子でした。

一時期は一日中つらそうな顔をして、
ほとんど笑顔など見せませんでしたが、
最近はまた笑顔で過ごせる時間が増えてきました。

まだ緊張症の症状でつらい時期もありますが、
以前に比べたらずいぶん楽になりました。

ここまで回復できたのは由紀子の周りの人たちの
理解と協力のおかげです。

ありがとうございました!


―長かった夏休みー


一学期の半分は緊張症のために学校に行くことができず、
とうとう終業式も出席できないまま夏休みに入ってしまいました。

昨年までは夏休みは学校のプールで真っ黒に日焼けしていたのに、
今年は家に閉じこもっていたので真っ白のままでした。

黒パンとあだ名をつけられていたあの頃が本当に懐かしく感じました。

ストレスから感覚が過敏になって
テレビの音もCDの音楽も耳障りで聞くことができなくなり、
家の中は全く音のない世界になってしまいました。

今思い出してもこの夏休みは由紀子にとっても家族にとっても
本当につらい毎日でした。

写真は唯一、家族と出かけた砂防公園での水遊びの時の様子です。

自然の中でならゆっくり出来るかと思ってむりやり連れ出したのですが、
ごらんのとおり笑顔は無く、
ずっとこの場所に座ったままぜんぜん動こうとしませんでした。

そんな由紀子の気持ちを盛り上げようと頑張った私は、
はしゃぎ過ぎて水の中で滑ってバシャーン!!

全身ずぶ濡れになってしまいました。

これが今年の唯一の夏休みの思い出?!

悲しい~!(。>_<。) えーん


おくんち見学



由紀子が回復の兆しを見せたのが
中学部の校外学習「おくんち見学」でした。

緊張症のせいで校外に散歩に出る事も拒否していた由紀子が
突然、みんなと一緒におくんちに行って龍踊りを見たいと言い出したのです。

浜の町が苦手で家族と一緒でも行くのを嫌がっていたので、
たぶん由紀子は参加しないだろうと、
勝手に思っていた私は嬉しい反面、不安でいっぱいになりました。

まだ緊張が強い時にはパニックを起こす由紀子の状態を思うと
心配で、心配で……。

今、思い出すと恥ずかしい程、動揺してしまいました。

見学の途中でパニックになったら…、
人ごみの中に走り出してしまったら…。

どうしよう~~~!!


そんな不安を先生方に相談した所、
私も一緒に長崎へ行くことを勧めてくださいました。

もちろん由紀子とは別行動ですが、
パニックになった時には私が引き取ることになりました。

これで一安心!
(*^ ^*)よかった!

と、思ったのですが…。

まだ他にも問題がありました。

由紀子は大村に引っ越してからJRもバスも
車内アナウンスにこだわって乗れなくなっていました。
無理に乗せると大きなパニックを起こしてしまいます。

長崎でパニックになった時に、
二人でどうやって大村に帰ればいいでしょうか?

どうしよう~~!!


この窮地を救ってくれたのが
福祉の事でいつも相談に乗ってもらっている
福祉コーディネーターのF井さんでした。

もしもの時のために車の運転を引き受けてくださり
私と一緒に長崎へ行ってくださいました。

こうして、たくさんの人に助けられて
由紀子の小さな冒険は始まりました。

結果は?

いつもの事ですが、私の心配を裏切って
しっかり最後までみんなと一緒に行動することができました。

途中で不安定になる場面も見られましたが、
何とか気持ちを立て直すことができました。

龍踊りを見学して、露店で買い物をして、焼きそばを食べて…。(笑)



担任のU田先生の腕にしっかりつかまって
苦手な場所も笑顔で歩く由紀子の姿に
私の心配は要らなかったなぁ…と、思ったのでした。

お騒がせをして本当に申し訳なかったと思います。
でも、あの姿を見なければ私は
ずっと由紀子を抱え込んだままになっていたかもしれません。

由紀子の回復の手ごたえを感じたあの日から、
私も由紀子の手を離す勇気が持てたような気がするのです。


=END=
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まーまーは?

2006年02月24日 | ゆきちゃんの日記
最近の由紀子のマイブームはディズニーのビデオ。 
レンタルショップでいろんなビデオを借りてきては毎日楽しそうに見ています。 
 
そんな由紀子が突然、私に


「お母さんはミッキーね!」

と言いました。 
(・・?)

何のことだ?
と思っていたら 


「お父さんはグーフィ。由紀ちゃんはドナルド!」

ですって!(笑) 

どうも家族をキャラクターに当てはめるつもりのようです。 
 

「じゃぁ、ねーねーは?」
と、聞き返したら 
`
s(・’・;)エ-トォ ... 


「ミニーちゃん?」・・・「違う!!」 

「プルート?」・・・「違う!」 

そして、しばらく悩んだ末に出した結論は
「ない!」でした。(笑) 
 

夕方仕事から帰ったねーねーと、
休みで帰省してきたまーまーにそのことを言ったら、
ムキになって由紀子に聞いていました。 

「ねーねーはどうしてないの?どうして?どうして?」 

「まーまーは何?」 


うるさくされるのを嫌う由紀子は完全無視です。(笑) 
 

「そうだ!ねーねーはシンデレラだ!!」と、ねーねー。 

「ちがう!ねーねーは野獣だよね!!」と、まーまー。 

「なによ!まーまーはプーさんじゃん!」 

ε=ε=┌( ≧▽)┘☆ヽ(o_ _)o-ドテッ  


どうでもいいと思うんだけどねぇ・・・(笑) 
 

そして、夜になってまた話題はその事へ・・・。 

「ゆきちゃん!お母さんは何?」 

「ミッキー」 


「お父さんは?」 

「グーフィー」 


「由紀ちゃんは?」 

「ドナルド」 


「じゃぁ、ねーねーは?」 

「シンデレラ」・・・・え?そこで妥協するの?(笑) 


「まーまーは?」 

「野獣!」・・・・・・

あ~ぁ!その言葉が印象に残ってしまったか!! 


ヾ(∇^〃)キャハハハo(__)ノ彡_☆バンバン!!←ねーねー 
 
まーまーはすっかり落ち込んでしまいました。
|||(-_-;)||||||どよ~ん 
 

その後、母の説得でまーまーはプーさんに変更になり、
一件落着。 
 

それにしてもどうでもいい事で盛り上がるバカな家族です!(笑)

=END=
 
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ちゃんぽん食べたんだ!イエイ~♪ (★^▽^)V

2006年02月23日 | ゆきちゃんの日記
学校にお迎えに行ったら先生が 

「今日はちゃんぽんを食べてご機嫌でしたよ~!」って・・・。 
 
はて? 

何のことだ?! 

今日の給食はカレーだったのでは? 
 

よくよく話を聞いてみたら、
今日は中学部のバザーの打ち上げで
お昼は学校の近くのお店でみんなで会食をしたのだそうで・・・。 

日程表に打ち上げのことは書いてあったけど、
まさか学校の外で会食とは思っていなかった。 
 
それで由紀子はメニューの中から「ちゃんぽん」をチョイス! 


長崎県人以外の方のためにこれが「ちゃんぽん」ね! 

 
しかも、白ご飯が欲しいとまで言ったとか・・・(笑) 

これはお父さんの影響ですね! 

我が家のパパさんは麺類を食べる時には
必ずご飯が要る人なのです。 

いつしかそれが由紀子の常識になってたりして・・・。 

困ったものです!(笑) 
 

今日は女性の先生がご飯を分けてくださったそうで・・・
ありがとうございました。 
 

私がびっくりするのは、
由紀子がちゃんぽんの為とはいえ
学校の外にみんなと歩いて出掛けたことです。 

つい最近まで絶対に校外学習には行かないと言って
泣いていたのに・・。 

本当にすごいことです。 
 

ちゃんぽんとご飯はちょっと食べすぎだけど、
頑張って歩いたと言うことで良しとするか!

=END= 

 
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作品

2006年02月22日 | ゆきちゃんの日記
昨日はチラシ集めを再開した事が嬉しくて、
由紀子の作品のことを書くことができなかったので、
今日はそのことを・・・・。 


写真にある布が由紀子が一年かかって織り上げた作品です。
 

配色は由紀子自身が全て選んでいるのですが、
とてもシックな色合いになっていると思います。 
 

作業学習がある日にはよく
「今日は何色で織ったの?」と質問をするのですが、
ほとんど「茶色!」と言う答えが返ってきます。 

この布を見て納得です。(笑) 


茶色と言っても、それぞれ微妙に色が違うんです。 

それに糸の太さなども違っていて、
部分部分で風合いが違います。 
 

私はどうしてもこの布が欲しくて、
先生にお願いをして一枚だけ予約をさせてもらいました。 

でも、バザーに行ってもう一枚の布を見たら、
これも誰にも渡したくなくてとうとう買ってしまいました。 

由紀子の作品は私の宝物ですから・・・。
(*^-^*)> ぽりぽり  
 
この布で何か作ろうと思ったのですが、
昨日H崎先生にもA川先生にも
ハサミを入れることを反対されてしまいました。 

このまま記念に残しておいたほうがいい!とのことでした。 
 

そこで、玄関に飾ってみたのですが、
いかがでしょうか?

=END=
 
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