ゆきちゃん通信++tomiの日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日と
母の生活を綴っています。

きらきら

2004年04月24日 | ゆきちゃんの日記
6年生になって、
これといった問題もなく学校生活が進んでいます。 

でも、心なしか由紀子の表情にキラキラした物が
見られないような気がします。
 
主治医の先生にも落着いてはいるけれど、
やはりK村先生を失った事の喪失感は大きいのだろうと言われました。
 
「K村先生に会いたい?」と、私が聞くと、

「会いたい!」と即答します。 

再会が苦手な由紀子ですが、
まだ先生の事は過去にはなっていないようです。 

K村先生に会わせてやりたいと思っていた矢先、
K村先生から用事があって体育館へ来られるという連絡がありました。
 
30分しか時間がないと言われるので、
大急ぎで学校へ向かいました。 

いつも亀のようにしかあるかない由紀子が、
私にせかされると小走りになります。(笑)
 
その時の顔が本当にキラキラしていました。 
 
学校について体育館の前でK村先生の後姿を発見!
 
「いた!いた!」と由紀子が言いました。
 
どなたかとお話しをされていて、
まだ由紀子に気がつきません。 

「行っておいで!」と、背中を押しますが足が動きません。
 
その時、先生が振り向いて
「ゆきちゃん!」と声をかけてくれました。 

顔は満面の笑みなのですが、
まだ近づく事ができません。
 
「おいで!!」先生がその言葉を言った途端、
由紀子が飛び上がってポーズをしました。 

体中でうれしい!!と叫んでいるようでした。
 
そして、先生と手をつないで体育館へと入って行きました。
 
 
人気者の先生は
次から次にいろいろな人に声をかけられて話をされます。
 
その横で黙って寄り添っている由紀子! 

後ろから見ていた養護の先生と、
「いつもの光景ですね。」と笑ってしまいました。 

会話が苦手な由紀子ですから、言葉は要らないのです。
 
先生が側にいる。それだけで充分幸せなのです。 

 
30分はあっという間に過ぎてしまいました。 

でも、時々土曜日には体育館で先生に会える事が解りました。
 
これで、K村先生は過去の人にはならないで済みそうです。 




先生とお別れした後、
学校の前にある公園によってブランコに乗りました。 

「これでよしっと! 
よかったね!ってK村先生だよ!」 

と、先生の口癖を真似しながら
本当にいい笑顔を見せてくれました。


=END=
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