n と ng の違いも日本人にはほぼ聞き取れないので、この際「ン」で統一します。
ムㇲタンは外国人が3000ルピーのアンナプルナ入山料だけで入れるエリアと、500ドルも払わなければ入れない秘境エリアとに分けられており、その規制はそうとう厳しいと聴いたので今回は無理せずにオープンなエリアだけを巡りました。
そのローワー-ムㇲタンと呼ばれるエリアの中心地カグベニの宿で3泊しましたが、とても変化に富んだ宿泊経験になったので先ずはその話をします。
わたしが泊まった「シャングリラ-ホテル」は部屋が満室でも客を受け入れるダラムサラー(巡礼宿)的な所で、夕方に到着して2軒のホテルを訪ねたらどちらも満室だったので、ここを勧められて来ました。
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カグベニはとても古いチベット風の村で、500年以上前に建てられた僧院を中心にして迷路の様に入り組んだ家々が密集しています。
シャングリラ-ホテルはちょっと開けた山の斜面に沿って建てられており、そこにはオシャレな観光客向けのホテルが建ち並んでいて、シャングリラはその中では大きい方で牛も飼っています。
一泊目は部屋が空いており700ルピーで入れ、カグベニは標高3000m近いので流石に野宿は無理で、この800円程の宿泊費は今回の旅で1番高いのですが、日本と比べれば格安で味わい深い雰囲気も気に入ったので、ここに腰を落ち着けるコトにしました。
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夕方に太鼓を撃って村を一周したら、古い家並みの路地でタムロしていたチベット系のオバちゃん達にとても歓迎され、ここまで平和行進が人々に受け入れられたのは初めてのような気がして嬉しかったです。
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宿でも唯一の外国人客として歓迎され、小さな娘が2人居たので折り紙を折ってあげたらとても喜んでくれました。
10才くらいのお姉ちゃんはとてもシッカリしており「羽ばたき鶴」を学んでくれ、3つ下くらいの妹は「カエル」が特に気に入ってずっと遊んでくれました。(空気が乾燥しているので紙が張っていて良く飛ぶ)
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夕食はネパール定番の「ダルバード」で、ダル(豆)もバード(米)も山地では貴重かと思われますが沢山よそってくれ、青菜の炒め物や大根のアチャール(漬物)もとても美味しく、今まで食べたダルバードの中でも最高の味わいでした。
あと何と言っても、ムㇲタンでは至る所で栽培されているリンゴで作った自家製ワインがとても美味しく、これはわたしがこれ迄に飲んだアルコール飲料の中でも最高の味わいと思えました。
この日はオーナーのオジさんも居り一緒に食事し、彼はロキシーを飲んでいたので一緒に飲ませて貰って色々と話を聴きました。
彼はツアーガイドを本業としており、翌日から3人のツーリストをアッパー-ムㇲタンに案内すると言うコトでその入境許可証(500ドル必要)を見せてくれ、これが無いと宿に泊まれず違反金は1000ドルも取られるので、無断入境はヤメた方が良いと諭されました。
オーナーさんは小柄ですがなかなか迫力のある方で、毎年チベットの聖山カイラスへのツアーを行っているとのコトでした。
ムㇲタン人はずっとチベットとネパールの国境を跨いで生活して来たので、今でもチベットにはフリーで入れ、お金を積めば外国人でもカイラスへ行けるそうで、このツアーは大変人気で多くのお金を稼いでいると誇っていました。
彼からはローワー-ムスタンのトレッキング-ポイントとして近くのティリをお勧めして貰い、翌日はヒマラヤ登山の中でも人気の高いティリ峰を単独で攻めました。
登山の話は写真がアップ出来るようになってからまたしたいと思い、シャングリラでの宿泊に話を戻させて貰いますと、2泊目はものすごい超満員(150人)で食堂でみんなと一緒に寝るコトになりました。
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それはヒンドゥー教の「水の祭」に当たったからで、この写真も沢山撮ったのでそれと一緒に語りたく、今回はとにかくネパール人の旅行熱の高まりに感銘を受けて、そのピークと言える巡礼宿の雑踏の中で泊まれた経験を語ります。
ネパール人はみんなグループで旅しており、割とシャイなのか他のグループとはあまり交わらず、お酒もそんなに飲まなくて(女性が多かった)みんなオトナしく早く寝ていました。
やはりまだまだネパール人は旅慣れていない感はありますが、豊かになって旅する人が増えたのは善いコトだと思うので、何かしら応援できたらと思います。
3泊目も同じく満室で、これは30人程のツアーグループが泊まったからで、イギリス人が主体でしたが日本人も5名居て話しを聴いたところ、山岳地帯を走り回るアドベンチャー-ツアーらしく、明日はティリ峰ルートを走るので体力を温存するタメにみんな早く寝ていました。
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わたしとしては、わざわざトランプを買ったりロキシーもペットボトル(1リットル400円)で買ったりして、みんなで交流を深めたかったのですが、ネパール人のツアーサポーター(10人程)と少し一緒に飲めたくらいで、彼等も遠慮して酔っ払わずにトランプは出来ませんでした。
もしこのツアーグループがもう一泊するならば、わたしも残って交流を深めたかったのですが、今日には立つそうなのでわたしもポカラへ戻るコトにしました。
ツアーグループとは500年前の古い僧院でまた会い、そこのリーダー僧がみんなに色々とお話をしていましたが、彼とはちょっとした法論もしたので、それについてはまた後で語らせて貰います。
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