真の動物福祉牧場を目指して

まつねぱ (女の季節)

 アイヌは1年を「女の季節」と「男の季節」の2つ(夏冬)に分けましたが、それは北国ならではの季節感と言えます。

 北海道では春と秋がとても短く、わたしが住む斜里ではもう夜がどんどん長くなって来ており、北欧の白夜ほどではなくともかなり日の長かった夏は、急速に長い夜の冬へと移ろいつつあります。

 北海道の冬は寒くて厳しいのですが、牛にとっては暑い夏よりも過ごしやすく、酪農場では普通に年中無休で乳を絞っています。
 これは寒さに強い男性にはさしてコタエませんが、女性はセロトニン-レベルが安定せず「冬季うつ」に成りやすいので、どうしても休みが必要になります。

 話を明るく暖かい季節「まつねぱ」に移しますと、このアイヌ語は昨日たまたま「ゴールデンカムイ(金の神)」8巻を図書館で読んで知り、前回の「女系社会の可能性」を発展させる意図からタイトルにしました。

 アイヌはあらゆる人間の暮らしに役立つモノを「カムイ」とし、「女の季節」は植物のカムイが芽吹いて咲き誇る季節で、女性は山菜を集めて加工保存する役割を担いました。
 一方「男の季節」は、雪のお陰で山に入って猟がしやすくなり、男性が動物のカムイを獲って来る季節でした。

 アイヌはそうした動物のカムイを丁重に送って食べ、皮や骨も大事に加工したので、我々よりも「動物福祉」を強く意識していたと言えます。
 特に「ゆうから」の物語では動物をカムイとして持ち上げており、そんなステキな物語を取り入れたコトで「ゴールデンカムイ」は大成功を納めたと言えます。
 
 しかし一方で「金の神」は人間達の熾烈な戦いも描いており、人間に辛い分、動物には甘く接しています。
 わたしも同じスタイルで動物を描きたく、それを実践的な「アニマル・ウェルフェア・ファーム」(動物福祉牧場、認証制)として描こうと思っています。

 今回「Sunの物語」ではそれを、秀祥(しゅうしゃん)がネイティブ・アメリカンのメサイア(救世主)に成るエピソードで描く予定で、次回からまた「女系社会」であるホピ族のコミュニティについての物語ろうと思います。

 

 
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