ーー 前回の続きで、利他妹(リタメイ)の話から入ります。
彼女の話を聞きに集まったのは、モンゴルに亡命したウイグル人達が殆どで、ゲルに入り切れたのは100人程でしたが、もっとずっと多くの人達が外に詰めかけていました。
私たち「女子革命突撃隊」が解放したウイグル人は3000人程で、「再教育中心」にはおよそ100万人が収監されているので、そのほんの一握りに過ぎません。
それでも彼等は「ウイグル人の戦い」を代表する存在で、閉じ込められている仲間を救う為に「党」と戦う決意を固めております。
特筆すべきなのはその中に女性が多く居るコトで、これはイスラーム社会では特異的な現象です。
彼女達が立ち上がった理由は、若い男達を収監しても子供を産み続けたウイグル女性たちに対して、「党」が不妊手術を強行したからです。
そこまでしてウイグル人の数を減らそうとする「党」の行いは、「民族浄化」としか言いようがありません。
ウイグルではチベットほど戦いが表面化していませんが、それは「党」が過去のチベット反乱から得た教訓を活かし、ウイグルでは先制的に鎮圧を行っているからです。
そこには「思想教育」という先制攻撃も含まれ、イスラームはテロリストを生む「悪しき教え」だとウイグルの子供たちに教え込んでいます。
しかし、イスラームは本来「平和の教え」であり、彼等を戦いに追い込んでいるのは「神の教え」を抹殺しようとする「党」の方針だと思えます。
これはアメリカがイラク戦争によって「イスラム国」を誕生させてしまったコトと同じで、人はみんな「やられたらやり返す」モノです。
ウイグル人も当然、国際的なイスラーム戦闘組織との繋がりを持ち、そうした無邪否定(ムジャヒディン)の連携はこれからますます強まって行きそうです。
リタメイの話を熱心に聞いていた人達の中にも、きっとそうしたムジャヒディンが居たコトでしょう。
私は彼等の極端な「殉教思想」には反発しますが、彼等と一緒に原始から続く遊牧生活を送っている身としては、愛すべき純粋な人達を自爆テロに追い込む「党」に対して、より強い憤りを覚えます。 ーー