今回は久しぶりに、人類初の熟練メーヴェ-パイロットとなった「戦いの女神カーリー」の活躍を描きます。
因みにこのメーヴェはもう10年ほど前に完成していますが、「ナウシカ」のメーヴェと比べるとスマートさに欠けるので、2060年代のメーヴェはもっと小型で自動運転も可能とします。
その素材は水に浮く超軽量セラミックスで、ジェット-エンジンはヘリウム3の核融合によるとし、これも超軽量で半永久的に駆動するとします。
「カーリー」はSFF(スペシャル-フロンティア-フォース)でのコードネームで、インド産まれの彼女の本名はリタ-メイとしたので、ここからはそっちを使います。
リタはまだ19歳の若さですが、すでに数多くの修羅場をくぐり抜けており、素手での格闘ならば人類最強と言えるほどの合気道の達人です。
そんなリタは「勝利の女神ドゥルーガ(徳流河)」のシークレット-サービスを務めていましたが、今やルーガは300万人にも膨れ上がった「闇っ子女子」達の中心に居り、彼女を暗殺しかけたらその女子達が怒り狂って制御不能になったので、党も恐ろしくて手出しは出来なくなりました。
そのためリタには「長征」に出てからは出番が無かったのですが、彼女には「メーヴェの使者」として3つの部隊を連携させる役割がまだあります。
モンゴル草原を行く「パールのキャラバン」は電波が届かない所を行軍中なので、まずはそことの連携をリタに図って貰います。
「美の女神パールワティー」とリタは姉妹の様に強い絆で結ばれているので、カーリーには彷徨えるキャラバンの場所が直感的に分かりました。
リタはキャラバンの主力であるウイグル女性達に合気道を教えて来たので、彼女には今後こっちの部隊の戦力を補って貰います。
「メーヴェの使者」の訪れは国際義勇兵達にも大きな励みとなり、カーリーの「伝説的な戦い」はユーチューブでの再生回数が世界一レベルに達していたので、彼女を知らない者はまずどこにも居りませんでした。
国際義勇兵達はアメリカ人とロシア人を除いて戦闘経験は有りませんでしたが、人類最強と讃えられる「戦いの女神」が加わったコトで、勇気が持ててその士気は大いに高まります。
リタにはもう1つの部隊、すなわちチベット高原の端っこのアリ-ホータン地区に革命根拠地を築いている、SFF(亡命チベット政府の軍隊)とウイグル解放戦線の合同部隊とも連絡を図って貰いますが、この部隊は自ら妨害電波を発して、その足取りを党の軍隊に掴まれない様にしているとします。
一昔前ならば暗号機を使って軍事機密を通信できましたが、近未来ではAIがどんな暗号でも解読してしまうので、やはり「メーヴェの使者」が通信では重要な役割を果たします。
次回はそんなカーリーが、東チベット-ンガパ県のウラン鉱山での蜂起以来、久しぶりにSFFに帰隊したシーンを描きます。