しかし、それが今では人口50万人強で漢民族の方が多くなり、すっかり中国に呑み込まれた観があるので、ここを少人数の蜂起軍が制圧するのはムリがあります。
なので、ウイグル解放戦線はあくまで郊外に点在する労働改造所や再教育中心を解放したとし、その後チベット高原へ登って行きSFF(チベット蜂起軍)と合流します。
そこで、アリとホータンの中間に在る人民解放軍の基地を攻略する必要があったのですが、これはSFFが「神の杖」を基地の左右に撃ち込んで巨大なクレーターを作り、次は基地に落とすと脅すコトで無血割譲となりました。
軍事的観点から言えば当然、この基地が「革命根拠地の司令部」になるのですが、SFFはここには僅かな隊員しか置かず、投降した兵士達もトラックで下界に送り返します。
これは以前、東チベットのウラン鉱山を占拠した際に人民解放軍の兵士を捕虜にしましたが、党は捕虜もろとも核ミサイルで殲滅したので、彼等を巻き添えにするのは忍びなかったからです。
一方で、SFFは司令部を西チベットで唯一の街であるアリ(阿里)に置いたと見せかけます。
この街にも漢民族の流入は観られますが、アリ地区は平均海抜4500mで非常に厳しい辺境地帯なので、人口は5万人ほどで警備兵は数百人しか居なかったので、SFFは楽に制圧できたとします。
しかしアリにも実際には司令部を置かず、そこから100kmほど離れた聖山カイラスに秘密基地を作ります。
これは党の軍隊に容易に制圧されないタメの戦略で、カイラス山にはチベット中から巡礼者も集まるので、その多くも蜂起軍に加わってカイラス山にウラン鉱山の時のような要塞を築きます。
この司令部の存在は「メーヴェの使者」リタ-メイには知らされており、彼女は下界から2つの部隊がこの革命根拠地を目指して「長征」中であるコトを、司令長官のターシャに伝えます。
ターシャは衛星からの電波を受信してインターネットに繋がっていたので、大まかな情報は手にしていましたが、モンゴル草原を行く「パールのキャラバン」については全く知らず、彼女はウイグル女性と国際義勇兵による部隊に大きな期待も持って、リタにはそこを重点的に支援するよう指令します。