前回までで、党と人民との間の話し合いによる和解の道が途絶えたコトを物語り、いよいよ革命は戦いが避けられなくなったので、今回から章題を「惨」に改めて第二部の四章に突入します。
因みにわたしの物語はいつも14章構成にしているので、「Sun」の物語も「惨」の次にあと三章を残すのみとなりました。
この章ではかなり前に「生み、育て、殺す」というおっかないタイトルで予告した通りに、かなり多くの犠牲者を出すので、そうした革命の殉教者たちの生き様をなるべく温かく描きたいと思います。
また因みに、「女性革命」というのは未だに達成されていないベラルーシでの民主革命から取っており、中国革命も女性達が闘いの先頭に立つので、後の世にこう呼ばれるとします。
この革命のリーダーは「女子革命突撃隊」を組織する徳流河(ドゥルーガ)で、この隊は闇に消された5000万人もの「闇っ子」の女性達から組織されたモノです。
北京での革命運動にはその内の100万人が集まっており、他にも学生や軍隊、農民工なども多く参加していますが、この「闇っ子女子達」が圧倒的な勢力を誇っていました。
彼女等はリーダーのルーガが暗殺されかけて、意識不明の重体に陥ったコトに怒り狂い政府関係の建物を片っ端から襲撃したので、ますはその様相を描きます。
これは最初、女性らしく穏やかに卵を投げつける位にしようかと考えましたが、食べ物を粗末にするのは美しくないので却下し、建物の周りの壁を重機で壊して瓦礫の山で入れなくする戦略にします。
この重機の運転は、建設作業員として出稼ぎに来ていた農民工達から教えて貰い、真夜中に庁舎を襲撃するのですが、とても危なっかしい運転なので警備員は近寄るコトすら出来ませんでした。
しかし重機の運転も数時間やれば慣れてくるモノで、彼女達は効率良く庁舎の入り口に瓦礫の山を築く様になり、この抗議活動は全国に広まって行きます。
こうした戦果をあげた女性達はとても気分がスッキリし、もう後戻り出来ないという高揚感も相まって非常に大胆になります。 それは男女関係にも反映されて、革命軍が拠点とする中南海と紫禁城では男女比が1対3ぐらいなので、男性は引く手あまたとなります。
革命軍の主力である東北軍満洲派の男達は、それまで女性達から「安月給で酒癖が悪く暴力的」と見做されてまったくモテなかったのが、とつじょ「最高に男らしいヒーロー」と称賛され、彼等も舞い上がって多くのロマンスが生まれるとします。